五つ葉のクローバーの超主観的考察

~恋愛マンガの名作「めぞん一刻」を皮切りにラブコメ漫画の気になった点を超わがままに考察しています!~

五等分の花嫁の感想と考察(112話③)~本来の自分を取り戻した五月は花嫁に近づいたのか!?~

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112話 最後の祭りが五つ子の場合より

「最後の祭りが五月の場合③」の流れで入った今話。敬語を解除した姿に他の姉妹は違和感だけで驚いていないところを見るとその旨を伝えたうえで風太郎に会いに行ったという事なのでしょうね。敬語の完全解除は今話の後半を見ると怪しい感じですが、二乃が言ったように吹っ切れた感があり、いかにも正ヒロインといった立ち振る舞いでした。

さて今回は実父登場により本来の自分を取り戻した五月が花嫁になる可能性が高まったのかについて少し考察したいと思います。

花嫁に繋がりそうな伏線をおさらい 

①林間学校の結びの伝説
この物語の重要なシーンとなっている林間学校時の”結びの伝説”。物語の中では諸説ある感じで書かれていますが、恐らく32話「結びの伝説2000日目」の新婦入場時に書かれているキャンプファイヤーの結びの瞬間 手を結んだ二人は生涯添い遂げる縁で結ばれる」というのが真実でしょう。結びの瞬間とはフィナーレの瞬間なのか、そしてその瞬間は五月が手をつないだ時なのか、それとも姉妹全員が指を繋いだ時なのか判別できませんが、少なくとも五月が他の姉妹に後れを取っているということはないでしょう・・

 

②誓いの鐘の下でのキス
この時は姉妹全員が五月の姿だったし、実は本人だったという可能性も十分あります。他の姉妹に比べ動機が弱いと言われていますが、109話「最後の祭りが五月の場合①」では二乃の「親の役目」という言葉に風太郎を頭に浮かべていました。自分は母親で風太郎は父親なのだからキスしてもおかしくないですね(冗)感謝の意や事故という考えが多勢ですが、何らかの感情を持っていたとしてもおかしくはない。

ただ事故にしろ故意にしろ、五月ならキス直後にあんな悲しげな表情はせず焦った表情をすると思います。旅行後も以前と同じ態度ではいられないでしょう。零奈モードだったらキス直後の表情にも理由が付くかもしれませんが、旅行後の態度はどうにもなりませんね。もしかして思っている以上に図太い!?

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③露天風呂でらいはの視線の先にいた
結婚式の風景が描かれた68話「スクランブルエッグ⑧」。その中で描かれた露天風呂での入浴シーンでは"誓いのキス"を見るらいはの視線の先に五月がいました。その場には四葉も二乃もいたので五月だけのアドバンテージではないですが、このシーン自体はかなり意味深に感じました。

 

④上杉家との結びつき
五月だけという観点で見ると明らかにアドバンテージとなるのは上杉家との結びつきでしょうか!姉妹の中で唯一風太郎の家を知り、「七つのさよなら」編では連泊済み。勇也のことはお父様と言うぐらい懇意にしているし、らいはとは姉妹で一番の仲良しです。7話「今日はお休み」でのプリクラ写真はその象徴で「なんかこれ 家族写真みたいだね」のシーンを見ると花嫁は決まり!!という感じです。

ただその後を見ていくと確かに二人は仲良し。らいはは五月がお姉ちゃんになることは大歓迎でしょうが、作中二人を結びつけようとする行動は特にしていません。唯一、間を取り持つような行動をしたのは36-37話「勤労感謝ツアー」での四葉に対してのみ。個人的には別記事で書いた通り、五月はらいはに京都の子の一端を話し共同戦線を張っていたから一層仲良しになったと個人的には想像しています。

 

⑤零奈としての風太郎とのかかわり
四葉に頼まれたことにより誕生した零奈という存在。これは間違いなく五月だけが持つ特性です。79話「シスターズウォーニ回戦」では四葉=京都の子と気づいてもらうがために自分の意思で再登場したわけですが、理由はどうであれ距離感は近まったものと思います。

風太郎は京都の子しか知りえない事を零奈に話そうとしないので零奈は京都の子ではないとまで判断していると思いますが、未だ作中では零奈=五月と気付いた描写さえありません。京都の子=五月と間違うことから好意に発展し選ばれる可能性があるのだから、これはアドバンテージだと思います。 

 

⑥目指す夢と進路
実父である無堂の登場と「母に憧れ志すことは絶対に間違いじゃない」との風太郎の言葉に、五月は「教師の道へ進む事は自分の夢」と決意を新たにしました。一方の風太郎の進路は姉妹以上に謎のまま。姉妹の中では二乃は大学進学するようなので進路が決まっていないのは四葉だけです。

77話「女の戦」で「次の道を見つけてこその卒業 俺はあいつらの夢を見つけてやりたい」とマルオに宣言したのに、実際見つける手助けができたのは誰もいません。なので進路が決まっていない四葉にアドバンテージを感じます。

なお風太郎が目指すであろう職業は医者が相応しい感じですが、32話の「お兄ちゃんも仕事以外無頓着なのは相変わらずなんだから」というらいはの言葉により医者は否定された形なので教師が最有力・・そうなると五月との接点ができ一躍優勢になりそうです。

 

風太郎は五月をどのように見ている!?

この物語は五つ子姉妹全員がヒロインで風太郎が誰を好きになるのかという話。では風太郎が五月を恋愛対象として特別視しているかというと・・そんな感じはしません。一花、二乃に対しては異性を意識している感じがあり、四葉には時折凝視するなどの特別感がありますが、五月にはそういった様子はまるでなく相棒といった感じ。「最後の祭りが五月の場合」3話を経ても特に以前と変わった様子は伺えません。

五月のもう一つの姿である零奈・・こちらはどうかといえば、初登場時は興味津々でしたが、祖父の言葉から零奈が五つ子姉妹のひとりとわかって以降は特に意識している感じはありません。というかその態度は零奈=五月と見抜いているかのように普段の五月に対してと同様だと思います。五月編を経て好きになったという可能性がないとは言えませんが、感情面での推し材料は弱すぎる感じがします。

 

五月が一番花嫁に近いのか!?

五月の長編がなかったこともあって見せ場を温存していると言われ、個人的にも好意に気付けば姉妹全員をごぼう抜きしそうな感じを受けていました。「最後の祭りが五月の場合」は3話構成と特別感がありましたが、よくよく考えると五月が抱える問題がたった3話で片付いてしまったということ。無堂とかいうクズ野郎が実父だったので短くまとめるのはベターだし、風太郎と向き合うには五月の問題解決が必要だったのでやむを得ない面もありましたが、二乃のマルオとの対立や四葉の罪悪感からくる問題と比べあっさりしていました。

 今話を見ると正ヒロイン感が確かにありましたが、ここまであからさますぎる描写を見ると彼女は”狂言回し"役ではと感じます。これまでも風太郎に対し助言を行い行動や決断を促すことも多かったのですが、最後のナレーションを見ても次の展開に話を進ませようとする役割が強すぎる感がします。この点はちょっとマイナスですね。今話の最終ページに姉妹それぞれが待つ場所が描かれていましたが、この順番で描かれるとなると四葉や一花より先・・この点も狂言回し役ではと感じてしまいます。

伏線を見ると①は他の姉妹も同様の可能性を持つなか、五月だけが手をつないでいた瞬間があり一見いいように見えます。姉妹全員で指をつないだ時も小指を担当しているので運命の赤い糸で結ばれている感がありますね。ただ左手薬指は四葉がつないでいること、また二乃に変装した四葉風太郎に会っていた可能性もあり、完全に優勢とは言えないようです。②も①と同様の条件ですが、動機やキス後の態度を見ると可能性が高いとは言えないでしょう。③は事前に回収するようなものではないし、④は物語も佳境に入るなか特に花嫁につながる感じではないと思います。

ただ①から④は後から振り返ると伏線だったなというもの・・未だに京都の子が四葉と明かされるシーンがないことから考えるに、風太郎の心を揺さぶるのは⑤の零奈や京都の子に関わる部分のように思います。

50話「七つのさよなら⑫」では流れていく零奈のお守りより溺れそうな二乃を助けることを優先・・「さよならだ 零奈」と言ったこともあって過去とは決別したとの意見もありましたが、それは零奈が五つ子姉妹のひとりと確信する前のこと。
その後、五つ子姉妹のひとりと判明し、いつも近くにいるのだから完全に決別することなんてできるはずもないわけです。

写真に写る風太郎の思い出の子は四葉ですが、別記事に書いた通り五月も「バイバイ」時に風太郎に会っていると個人的には考えています。そして一緒にトランプをし、当時のツーショット写真を持つのは一花です。複雑に絡んだ京都での嘘と本当を風太郎は見抜くのか!?そのうえで誰を選ぶことになるのか・・

五月も可能性があるとは思いますが、過去のことで一番大事になってくるのは二人しか知りえない"約束"とお祈りした"願い事"だと思っています。約束で重要なのは「必要とされる人間になる」という部分・・ここは⑥の目指す夢や進路にも大きく影響するところだと思います。四葉風太郎との間で約束の内容に対する認識に違いがあるようなので、この点が今後の展開を左右するポイントなのかもしれません。

 

 ※本記事にて掲載されている画像は「五等分の花嫁/春場ねぎ/週刊少年マガジン」より引用しております。