五つ葉のクローバーの超主観的考察

~恋愛マンガの名作「めぞん一刻」を皮切りにラブコメ漫画の気になった点を超わがままに考察しています!~

五等分の花嫁の感想と考察(118話②)~二人の対決は五つ子の絆と風太郎への強い想いを綴った四葉の圧勝で終幕!

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118話 五月の思い出より

2回に渡って二乃を呼び出し話そうとしていることから、二乃に係わる伏線の回収があるのだろうと考察したわけですが、何の回収もありませんでした。五月や風太郎も同じ教室に居合わせるというシチュエーションだったので6年前の京都での出会いについても触れると思いきやそれもなし。サブタイトルが「五月の思い出」なんであくまでも五月の想いにケジメをつける話だったのでしょうね。ただその五月の風太郎への恋も自己完結で終わりなので少々消化不良気味には感じました。

 

やらなくちゃいけないことの真相が明らかに!

今回の会話を見る限り、四葉と二乃の関係はぎくしゃくしており、必ずしも良好でなかったからこそ二乃を呼び出そうとしていたわけですね。つまり「やらなくちゃいけないこと」は姉妹の関係性を重視する二乃の了承を得ることだった。言い換えるなら四葉は二乃が姉妹の枷に一番縛られていることを感じ取っていたわけです。

最後、二乃は「ほんの少しでも隙を見せたら私が彼を奪ってやるんだから」と宣戦布告のような言葉をかけ四葉の背中を押しました。風太郎も聞いていることを知っての言葉なので本気というわけではなく二人に発破をかける意味合いでこの言葉を選んだのですね。二乃らしくていい言葉です。

ただ四葉がいつも一人で先に行ってしまうことに不満を持ち、そんな四葉が羨ましかったと二乃は述べていました。選ばれた四葉への嫉妬心が引き出した言葉なのでしょうが、二人の関係を示すとともに四葉が過去の落第で姉妹に負い目を持っていることを十分に理解しているからこその言葉です。

その黒薔薇女子高退学時には二乃が先陣を切って四葉を救ったように描かれていましたが、それはあくまで五つ子の枷からの行動・・過去の四葉の暴走をよく思わず今も根に持っていたわけです。二乃は姉妹の中でもっとも母の言葉や五つ子の枷にがんじがらめで動けない子というのがここでも見て取れますね。

そんな二乃に四葉は「私と上杉さんだけの話しじゃない」と切り出し、「姉妹みんなが風太郎と過ごした時間を無視できない」としたうえで「想いの強さはきっと負けてないから」と風太郎への想いの強さを強調しました。二乃としても自分の気持ちにケジメをつけるために四葉の本音を聞くのは必須だったのでしょう。風太郎も姉妹も両方選ぶという力強い言葉・・最後は二乃のプライドをも満たす完璧な対処でした。

ただこれが二乃を呼び出すまでして「やらなくてはいけないこと」なのかというとその必要性があまり感じられないというが正直な感想・・2回目の待ち合わせはまず学食で話をしようとしているから尚更です。伏線回収があってのことなら、そういう設定も必要だったと理解できるのですが、五つ子姉妹ならではの面倒くさい部分だけなら家でやってもいいような気がします。まあ二乃が本音で話せるよう配慮したということか・・大いにモヤモヤ感が残りました。

 

四葉が前日に二乃に言った言葉を再考

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118話 五月の思い出より

「昨日のことがなければおとなしく祝ってあげようと思っていたのに・・」と前日に四葉がかけた謝罪の言葉が二乃を怒らせる原因であることは再度匂わせましたが、それがどんな言葉だったのかは明かされませんでした。一体なんて言ったのでしょうね!?今話を踏まえて再度考えてみます。

 

まず二乃が怒っているポイントですが、今回の話により次のような劣等感があったからこそだったと推測できます。

① ひとり突っ走っていた四葉がなぜ今更わたしに許可を得ようとするのか

② 置いてきぼりの自分なんか放っておけばいいじゃない

43話「七つのさよなら⑤」で「みんな少しずつ離れていった」「まるで五つ子から巣立っていくように・・私だけを残して」と話したように自分は置いてきぼりになる存在と二乃は思っていました。

変化を受け入れきれず動けないことは未だ何も解消していない・・全く逆の存在である四葉に嫉妬し羨望のまなざしを向けていたのでしょう。だからこそ四葉の言葉はとりわけ二乃を苛立たせ、結果として突き倒してしまったのだろうと思っています。

 

次に115話「五通りの朝」で四葉が語った「昨日のこと・・それに今までのこと、二乃に謝らなくちゃいけないと思って」の意味を考えてみると・・

「昨日のこと」
 姉妹で決めたことを破り部屋で待たなかった挙句、風太郎に向き合わず逃げ出したこと

「今までの事」
 何も言わず勝手に突っ走って五つ子の和を乱し、二乃に心配させてしまっていたこと

 

今回、四葉は「上杉さんとのおつきあいを認めてもらいたい」と言いましたが、「だけど今も考えていることは同じ」とあるように前回も同じことを言いたかったようです。

116話「五時間一部屋」での三玖の言葉を聞いて一層気持ちを固めたようなので、その際は今回の言葉より意志が感じられず謝罪めいた言葉だったのでしょう。もっと言うと風太郎に向き合わない、本当の気持ちを示さない、二乃の気持ちを蔑ろにする、姉妹を言い訳や口実にする言葉・・やっぱり以前の記事でも書いたこんな言葉だった気がします。

「ごめん・・わたしが選ばれるなんて思っていなかった」

「二乃が認めないならわたし・・上杉さんと付きあえない」

今回、この部分に拘ってみましたが、よくよく考えるとここは読者の皆さんの想像にお任せしますとせずにはっきりと描いてもいいような気がしますけどね~四葉が未だ色々と隠したままのように見えてここでもモヤモヤ感が残りました。

 

風太郎が五月と話したかったことは・・

今回、全く触れなかったところを見ると、四葉の気持ちや「やらなくちゃいけないこと」がわからず、これまでも恋愛相談してきた五月に思い付くものがないか聞きたかったというのが真相なのでしょう。

教室に隠れて四葉と二乃の話を聞くという特別な状況だったので零奈や京都の子に触れる可能性も期待されましたがそれもなし。まあこの点についてはこれまでも書いてきた通り、零奈が五月であることも、京都の子が四葉であることもすでに気付いているのでここで風太郎に気付かせる必要はなかったと理解しています。今後あるであろう再告白は過去を絡めたものになり、二人の会話の中で約束&願い事にも触れていくのだろうと思っています。

 

 ※本記事にて掲載されている画像は「五等分の花嫁/春場ねぎ/週刊少年マガジン」より引用しております。