五つ葉のクローバーの超主観的考察

~恋愛マンガの名作「めぞん一刻」を皮切りにラブコメ漫画の気になった点を超わがままに考察しています!~

五等分の花嫁の感想と考察(特集)~風太郎はいつから四葉を意識したのか!?~

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2話 お宅訪問より

114話「最後の祭りが風太郎の場合②」の冒頭回想シーンを見ると、相当前から四葉の行動や言葉が気になり、風太郎の記憶に深く刻まれていたと感じます。

作中では数少ない風太郎の恋心が描かれた68話「スクランブルエッグ⑧」の「あの日から きっとあの日からだ」「彼女を特別に感じたのは」「あの瞬間から」という言葉・・

『特別』に思い始めたのは実際この鐘キスの瞬間からだと思いますが、キスしたから好きになるなんてことは通常あり得ない。『特別』=『好きだ』ではなく、この時からそれまで以上に特別な存在として意識し始めたと捉えるべきでしょう。ちょっと順を追ってステージごとに整理してみましょう。

 

① 芽生え期

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21話「おまじない」
114話「最後の祭りが風太郎の場合②」を見る限り、21話「おまじない」がすべての起点のように感じます。それ以前から家庭教師の件で感謝の気持ちはあるのですが、何より告白めいた発言に動揺し風太郎の心に刻まれたのだと思います。

25話「結びの伝説2日目」
それまでは家庭教師として五つ子と接する話でしたが、この時は林間学校というクラスのみんなと交流を余儀なくされる特別な状況でした。おまけに肝試しの実行委員をひとりでやらされる羽目になり責任重大な立場。同じクラスの五月はお化けが怖いからと手伝わず、他のクラスの四葉が手伝う形になったのだから感謝は当然・・というかそれ以上の気持ちになってもおかしくはないですね。しおりに挟んだメモに残した言葉は惹かれた証だったように思います。

 

② 観察期

34話「今日と京都の凶と共」
病室での五月との会話から京都の子は五つ子の中にいるのではと思う。

35話「探偵風太郎と5人の容疑者たち」
昔会ったことがある姉妹がいるかと問うも誰も名乗らず勘違いだったのかと落胆する。

36~37話「勤労感謝ツアー①②」

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林間学校時のお礼を兼ねたお出かけで幾度となく四葉と京都の子を重ね、最後は四葉行きつけの公園ブランコで作中唯一の大笑いをしています。一方で「私の欲しいものはなんでしょうか」と話す四葉に何か思う事があったようです。

42話「七つのさよなら④」
突如現れた零奈との会話に話が弾むも、別れ際に「私はもう君に会えない」と言われ、お守りを渡される。

50話「七つのさよなら⑫」
零奈からもらったお守りが川に流されてしまい、心の中でお別れをする。

51話「初の春」
クリームが付いているからとほっぺにキスされ動揺する。

56話「最後の試験が四葉の場合」
観覧車での会話で姉妹への負い目が枷となっていると気付く。

64話「スクランブルエッグ④」
五月姿に変装した四葉を一言発した時点で見抜く。

68話「スクランブルエッグ⑧」
祖父から姉妹の母の名が「零奈」と聞き、目の前に現れた零奈は五つ子の一人と感づく。

・・POINT・・

この辺りは惹かれていたからなのか、京都の子ではないかと思っていたからなのかはわかりませんが、四葉のことをかなり観察しているように見えます。だからこそ皆が五月姿をする中でいち早く見分けられたのでしょう。
また42話のボートでの会話では五つ子各々の説明をする際、「それに・・いや俺の思い過ごしか・・」と意味深なことを言っています。36~37話「勤労感謝ツアー」編で感じた気持ちがこの言葉に繋がったように思います。

 

③ 意識期

68話「スクランブルエッグ⑧」
誓いの鐘の下で五月姿の姉妹にキスされる

70話「学級長のお仕事」
学級長に立候補した四葉に男子学級長として推薦され困惑する。

72話「学級長の噂」

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教室で四葉の口元を確認し目が合い照れた様子を見せています。一方、二人は付き合っているのではと疑われ過剰に意識する四葉から「自分のことが好きなのか」と問われ「ねーよ」と返事。最後は「姉妹の誰を好きになっても全力で応援します」と言われ戸惑いの表情を見せています。

77話「女の戦」
誕生日プレゼントの感想を聞かれ口ごもったほか、五月への恋愛相談では「四葉は応援すると言いやがる」と72話での発言を気にする様子を見せています。

79話「シスターズウォーニ回戦」

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「後悔のない修学旅行にしましょうね」発言があったこの回では将来なりたいものを聞き、四葉の意向を確認。らいはが写真の子の話を切り出す中で「零奈」という名前を出し反応を観察しています。なお再登場した零奈には塩対応でした。

81話「シスターズウォー四回戦」
三玖を追いかけるバスの中で四葉の姉妹優先の考え方を諭す。

・・POINT・・

鐘キスの直後という事もあって口元の確認が目に付きましたが、カマをかけたり恋愛に対する考えの変化を口にしたりと何かと四葉の本音や気持ちを確認しようとしているように見えます。
そして何気に四葉の学級長推薦を受けているのがポイント。クラス内での立ち位置を気にしないなら強硬にイヤだと言えばならずに済むかもしれないのにです。感情の変化が見て取れます。

 

④ 戸惑い期

91話「偶然のない夏休み」

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高校生のための恋愛ガイドを購入していたことが発覚。夏休みは宿題だけで家庭教師は休みと姉妹と会うことに気乗りでない表情を示すも、クラスメイトと楽しんだ海水浴では姉妹がいないことに物足りなさを感じています。

94話「分枝の時①」

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一花が退学すると聞きマンションに行くも応対した四葉と目を合わせられず・・引き留められてやっと顔を上げ風呂上り姿に慌てるという明らかに挙動不審な様子を見せています。

96話「進み続ける日常」

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屋台メニュー決めの打ち合わせをする中では四葉の瞳に京都の子のシルエットを重ね、教室では「一ミリも悔いの残らない学園祭にしましょう!」と言われ大いに照れています。

・・POINT・・

お金に余裕はないのにわざわざ「高校生のための恋愛ガイド」を購入するなど現状を打開しようとしている様子は伺えます。ただ五つ子姉妹と会うのを避けたり一緒にいる時間を大切に思ったりする中、四葉にはあからさまに目をそらしたり前髪を触ったりとどう接すればいいのかわからない感じです。

 

⑤ 決断期

99話「日の出祭 初日」
姉妹を呼び出し最終日に答えを出すことを宣言する。

107話「最後の祭りが四葉の場合①」
からあげ無料券をもらい、休憩所設置のための椅子運びを手伝ってもらう。そんな四葉に対し「ありがとな お前がいてくれてよかった」と感謝の意を述べる。

108話「最後の祭りが四葉の場合②」
学園祭二日目の夜、病院を抜け出そうとする四葉を引き留め説得する。最終日は退院した四葉から約束を守れなかったことの謝罪と過去と決別する決意を聞く。

 

いつから四葉を意識し始めたのか

114話での告白を見る限り、「④戸惑い期」の初っ端・・91話の"高校生のための恋愛ガイド"は自分の中に芽生えている感情の正体を知りたかったためではなく、四葉の気持ちを知りたくて購入したと思われます。

となると91話以前の出来事により好きと意識したというのが適切でしょう。まずは鐘キスのあった68話以降91話未満の「③意識期」で恋愛感情を揺さぶられるような出来事があった回と言えば、次の4つでしょうか・・

・72話「学級長の噂」・・教室での会話

・77話「女の戦」・・誕生日プレゼント

・79話「シスターズウォーニ回戦」・・ショッピングモールでの会話

・81話「シスターズウォー四回戦」・・バスの中での会話

81話のバスシーンは78話での班決めから繋がっていますが、バスの中ではずっと目を合わせずの会話となっています。⇒好きになる要素なし

79話は五月とらいはが買い物(打ち合わせ)する間、ベンチで会話していますが、風太郎は目をそらすのではなく「相手のことを知りたい」感じで四葉から聞きだしたり探ったりしています。⇒好きになる要素なし

78話は修学旅行の班決めで自分を外すよう言った四葉に対し姉妹だけでなく風太郎も怪訝な表情を見せています。⇒好きになる要素はなし

77話の風太郎はアパートを訪れた際にあからさまに四葉から顔をそらしています。誕生日プレゼントの感想を聞かれた際は直前のマルオの釘差しもあってか口ごもりすぐ帰ることに・・その後は四葉に「応援します」と言われ戸惑っている様子を五月に見せていました。⇒好きになる要素はなし

72話は「私は上杉さんが嫌いです」「全力で応援する」と自分には好意がないような発言をされ、戸惑いの表情を見せています。下手したら「嫌われている?」と思ったかもしれませんね。⇒好きになる要素なし

 

これらすべてはすでに好きだから見せる言動や行動に思えます。72話で「姉妹の誰を好きになっても全力で応援します」と言われ困惑しているのだから、すでに意識している人がいると推測するのが妥当。となると68話の鐘キス以前からということになりますね。

『人を好きになる』要因として考えられるのは①好きなタイプである ②接する機会や一緒にいる時間が多い ③行動や言葉で助けられたことがある ④趣味嗜好が似ているなどが挙げられると思いますが、114話を見る限り「助けられた」という意識を強く感じました。ただその視点で見ても林間学校まで遡らないと該当するものはありません。
「勤労感謝ツアー」編は惹かれても全然おかしくない内容ですが、「助けられた」という観点から見ると違う気がします。やっぱり林間学校から意識したと考えるのが妥当なのかもしれませんね。

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以前「風太郎が四葉の演技力を過小評価しているわけ」と題した記事では”林間学校で何かに気付き「好きだから」は演技じゃないと思い直したから推測しました。

当初は「好きだから」=嘘、「嘘」=本当と思い騙されたと感じたが、あることをきっかけに何かに気付いたとしたら「あの言葉は演技じゃなく本音だったのでは!?」と思ってもおかしくはない・・その場面が25話「後悔のない林間学校にしましょうね」と「ししし」と笑った笑顔だったのでは!?とその際は書きましたが、今でもここが起点となり好きな気持ちを積み重ねてきたと思っています。

そうなると68話の『特別』はそれまで自分に好意があるとは思わなかった四葉がキスしてきたことで、それまで感じていた好意や彼女が京都の子ではないのかと思う気持ちを抑えきれなくなったということでしょうか!?もちろんその時に四葉だと断定できたわけじゃないでしょうが、その後始めた口元の確認が四葉で終わったことや本音を探ろうとする様子を見るとおかしいことではないかなと思います。

修学旅行から帰ってからは明らかに四葉との距離感に戸惑っている感じでしたが、これは恐らく79話で零奈=五月と確証を得られたことが影響しているのだと思います。34話で五月と話したお守りの会話を覚えていたのなら、今時点で零奈(五月)は京都の子ではないとまで判断は可能ですしね。最後は「なぜ自分が京都の子と名乗らないのか」と「約束を大事に思ってくれていた」ことが学園祭最終日にわかり、無事告白に至りました。

 

102話「最後の祭りが一花の場合②」では「硬派に見えて案外俗っぽいところあるし・・」と一花は風太郎を評していました。全国統一模試3位という超が付く頭脳明晰な風太郎ですが、行動の基本は感情優先、小さい頃は金髪にピアス、竹林さんと真田くんの仲睦まじい姿を見て「不要なのは俺じゃん」と落ち込むのだから幼く無邪気で感受性も強かったと言えるでしょう。そんな風太郎なのだから運命の人である四葉との再会と一緒に過ごした時間はどれだけかけがえのないものだったかは想像に難くない。
過去の記事に”〇〇を選ぶ”ではなく”〇〇が好きだ”と伝えたいと思っていると書きましたが、そこはあながち間違いじゃなかった気がします。

114話では昔、約束を交わした「必要ある人間」には触れましたが、今回の告白で「好き」と言う言葉は伝えませんでした。115話がどのような内容になるかわかりませんが、今後6年前の事に触れる際に「好き」と言う言葉が使われるものと思っています。恐らく「初恋」と言う言葉を添えて・・

 ※本記事にて掲載されている画像は「五等分の花嫁/春場ねぎ/週刊少年マガジン」より引用しております。