五つ葉のクローバーの超主観的考察

~恋愛マンガの名作「めぞん一刻」を皮切りにラブコメ漫画の気になった点を超わがままに考察しています!~

五等分の花嫁の感想と考察(122話②)~鐘キスは四葉と判明も京都の子には触れずじまい~

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122話 五等分の花嫁より

今話で鐘キスしたのは四葉だと判明しましたが、併せて鐘キスに至るまでの経緯で次のことが判明しました。

風太郎が遅れて付いてきていないことを心配した
② 五月姿で迎えに行くことに四葉は躊躇していた
③ そんな四葉の背中を押したのは五月だった

 

風太郎が皆から遅れていることを心配した

巷では三玖が風太郎に見分けてもらったことをこっそり見ていたからという考察も見かけましたが、個人的には二乃の風太郎への好意が明らかになったことがきっかけで気持ちを抑えきれなくなったのかなと思っていました。その後は三玖の応援に回る姿勢を見せていたことからも、何か自分の気持ちに区切りを付けるために自発的に動いたとも思ったわけですが、単純に風太郎が皆から遅れたことがきっかけでした。

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68話 スクランブルエッグ⑧より

68話「スクランブルエッグ⑧」を見る限り、迎えに行く必要があるようには見えないわけですが、らいはが「・・不気味に呟いてないで行くよー」と叫んだ後、四葉はその前を通って風太郎の元へ走り寄りキスしたわけですね。その後「おーい」と誓いの鐘が見える場所から叫ぶのだから、らいははそこから動かなかったようです。

 

躊躇する四葉の背中を押したのは五月だった

「ややこしい」という理由で五月姿のまま風太郎を迎えに行くことに躊躇する四葉・・その背中を押したのは花嫁スピーチにもあったとおり五月でした。ここで五月が間に介在したとは思ってもみませんでした。

このやりとりのポイントは四葉がなぜ「見に行って・・」とまで言ったのかだと思います。少し遅れているぐらいなら遠くから呼べばいいわけなので、その言葉を聞いた五月は「風太郎と二人きりになりたいのかな」と思ったのかもしれませんね。だから「気付いてくれるはずです」という言葉を使ったのでしょう。

ちなみに風太郎が見分けられることを前提に言葉をかけたのは、その前に場を設定し風太郎が三玖を見分けたことを知っていたからでしょうか。

背中を押した後はさっさと帰り道を急ぐとは考えにくいので、おそらく五月もらいはのそばにいて様子を見ていたんじゃないかなと思います。もしかしたら一花も!?

最後は風太郎への恋心に気付いた五月でしたが、この時は四葉を応援したい気持ちが強かったのは間違いなし。本来の五月に戻る零奈モードではなく母を真似る通常モードだったのでモヤモヤ感もなかったのでしょう。

 

鐘キスは偶然の事故?それとも故意?

今話を見ると五月の言葉がきっかけとなり「自分と気付いて欲しい」という気持ちが膨らんだのは間違いないでしょう。何も言葉を発しなかったのはそのため・・そもそも遅れている風太郎を迎えに行くだけならあそこまで風太郎に近づく必要はないわけですからね。そしてすべりやすい場所だったことから足を取られ偶然キスすることになった・・

キスに至ったのは偶然だったのか?それとも故意だったのか?と問われれば偶然の事故だったのでしょう。ただ風太郎に目をつぶってあそこまで接近していること、そしてキスした後に驚きの表情を見せていない様子からは「気付いて欲しい」だけではなくキスしたい気持ちも心の中にあったように思えます。

キスしたい理由はこの時一花、二乃、三玖で風太郎争奪戦の様相を示していたのだから、本心では嫉妬や焦り、建前では姉妹のために風太郎への気持ちに区切りを付けようとしたなど色々考えられます。単純に「思い出作り」ということもあるでしょうね。

そして単に「気付いて欲しい」だけではなかったと思うもう一つの理由は「風太郎が鐘キスをどう捉えていたか」です。72話「学級長の噂」では鐘キス時の顔を思い浮かべて「あそこまで真剣な気持ちを前ほど馬鹿にする気もおきないな」と語りました。102話「最後の祭りが一花の場合②」では「フータロー君は誰だったら嬉しいですか」と一花が言ったのを思い出しながら鐘キス時の顔を思い浮かべています。

101話「最後の祭りが一花の場合①」では一花の問いに慌て「あれは事故だと俺は考えている・・」と答えました。「あれは事故だった」と断定するのではなくわざわざ「考えている」という言葉を使っているのを見ると本意じゃないがそう考えざるを得ないと整理しているように見えます。もしかしたらその後の「誰も選ばない」という答えにもつながっているのかもですね。

今話を見る限り、鐘キスは四葉だと確証を得られてはいなかったようで「彼女を特別に感じたのは・・あの瞬間から」は今話で四葉から真相を聞かされた後の言葉と解釈できます。ただ後付けの言葉だったとしても全く見当がついていなかったのなら「あの瞬間から特別に感じた」なんて思い返すでしょうか!?「やっぱりな」と思っていないとこんな言葉は出てこないでしょう。最低でも願望を込めて「四葉だったよな」とは思っていたように思います。

好きな人から偶発的にでもキスされたのだから意識するのは当たり前だし、そうであって欲しいという願望もあったと思いますが、72話や102話の風太郎を見ると、事故とは思えない何か真剣な気持ちを鐘キス後の顔を見て感じたのだと思います。

 

京都の子については触れられず

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122話 五等分の花嫁より

結婚披露宴後の「風太郎には伝えたいことがもっとたくさんあるんだ」と四葉が切り出した中にそのことも含まれるという事でしょうが、最後まで風太郎は京都の子が誰か気付いているかについては明確に触れることはありませんでした。

ここは一見読者の想像に任せたようにも見えますが、鐘キスと違い風太郎が気付く、もしくは気付いていると思われる描写はこれまでたくさんしてきていますので「もうわかるでしょ」というのが先生の本音なのだと思います。つまり鐘キスと違い京都の子は今更書くまでもないという考えです。

また高校で出会って以降の四葉に惹かれ選んだ訳で過去のことは関係ないから描写は不要だったとの意見もあるでしょうが、よくよく考えると高校で出会って以降の四葉はずっと過去のことに囚われており、そんな四葉風太郎は好きになったわけです。なのに風太郎が「四葉を選ぶ」と決めるにあたり、何も気づかず過去は関係ないと軽んじていたなんてことがあるでしょうか!?

101話「最後の祭りが一花の場合①」で風太郎は「誰も選ばない」と一花に告げました。読者は当時、「5人の中から誰を選ぶのだろう」と思って読んでいましたが、その後の描写を見る限り、風太郎の選択肢は「誰も選ばない」か「四葉を選ぶ」の二択だったわけです。

つまり他の姉妹と接したことは決断に関係していないという事。じゃあ114話「最後の祭りが風太郎の場合②」で描かれたように「いつも支えてくれた」「助けられた」ということが決断に影響したかと言えばそうではないでしょう。学園祭中に休憩所づくりの椅子運びを手伝ってもらっていましたが、そんなので今更決断が変わるわけもなし。

風太郎が「四葉を選ぶ」に変わったのは竹林さんの登場が大きかったのは間違いないでしょう。過去の象徴でもある竹林さんとの会話をきっかけに四葉は過去の「約束を守れなかった」と吐露したわけで、作中、風太郎の答えが変わる理由はここしかなかったように思います。表向きの選んだ理由とは別に過去のことで答えが変わったとまで読み取れるとしたら・・過去のことは関係ないから描写は不要だったというのはあまりにも浅はかな考え方と感じます。

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今回、四葉はリボンを捨て零奈母の「あなたたちは一人一人特別です」という言葉を思い浮かべていました。「大切なのはどこにいるかではなく五人でいることです」の方ではなく「一人一人特別」の方を重視したわけで、リボンをつけるに至った過去にきちんと向き合うことができたということ。

そう思えたのは風太郎が「どんなにそっくりでも私と気付いてくれる人」と感じ取れたから・・つまり昔京都で出会い約束を交わしたのも自分だと気付いてくれていると四葉は確信しているのでしょう。京都の子だと明かすシーンはなくとも、分かり合い信じあえる・・お互いに笑いながら確認しあう仲睦まじい二人の姿が目に浮かびました。

 

 ※本記事にて掲載されている画像は「五等分の花嫁/春場ねぎ/週刊少年マガジン」より引用しております。