五つ葉のクローバーの超主観的考察

~恋愛マンガの名作「めぞん一刻」を皮切りにラブコメ漫画の気になった点を超わがままに考察しています!~

五等分の花嫁の感想と考察(116話②)~四葉は風太郎の好意が誰に向いていると思っていたのか!?~

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116話 五時間一部屋より

116話「五時間一部屋」は三玖の恋のけじめがテーマのような話でしたが、四葉の決意がはっきりと判明した回でもありました。三玖の問いかけに対し四葉は「迷っていない」と返し、続けた言葉は・・

「私の気持ちはずっと前から変わってないよ」

「上杉さんのことを思い続けている」

115話「五通りの朝」の考察では「上杉さんか皆かを選ばなくちゃいけない」と四葉の中できちんと風太郎を選ぶという選択肢が入っていると述べましたが、今回は姉妹に対し初めてはっきりと明言しました。

四葉は負い目から風太郎や姉妹の幸せを願って身を引いていたわけですが、114話「最後の祭りが風太郎の場合②」でプロポーズのような言葉を告げられたことで風太郎の好意は自分にあり幸せは自分と共にいることだとわかった・・

「まだやらなくちゃいけないことがあります」と風太郎が差し伸べた手を握らず、付き合うのも保留したわけですが、風太郎への想いや向き合う気持ちには迷いはなかったようです。

 

四葉風太郎の好意が誰にあると思っていたのか

68話「スクランブルエッグ⑧」の風太郎のモノローグで鐘キス以降に『特別』に思い始めたことは示唆されていましたが、114話「最後の祭りが風太郎の場合②」では風太郎の四葉に対する強く深い気持ちが発覚!それもかなり以前から意識していたことがわかりました。

風太郎はすでに「四葉が好きだったのだ」と思って読み返すとだいぶ印象は違ってきますね。実は随所にそのような場面があるわけですが、今回は四葉が他の姉妹に絡むときの言動や行動に着目し、風太郎の好意が誰にあると思っていたのかを考察してみました。

 

【五月】
五月の恋心は未だに読者でもわからない状況なので四葉が応援する様子は全くありませんでした。「七つのさよなら」編で草陰に隠れ風太郎と五月の様子を見ていたのなら、五月が風太郎の家に泊まっていたことは当然知っていたはずですが、そんな五月に零奈として風太郎に会うことをお願いしたのだから警戒していたはずもなし。

ですが言い換えれば五月に恋心が生まれたならば応援せざるを得なかったはず。ただその五月は皆のお母さん役に徹し四葉のために動くことを決断。修学旅行時に独断で動こうと変装していた五月を見てどう感じたのでしょうね・・90話「私とある男子②」にあるように申し訳ないという気持ちだったのか、それとも風太郎に惹かれつつあるなと思ったのか・・

五月は風太郎に助言し行動を促す機会も多く、修学旅行後は風太郎のことで顔を赤くし意識する様子も見受けられましたが四葉はそのことを知りません。全く警戒していなかったとみていいでしょう。

 

【三玖】
いち早く風太郎への好意を持ち、90話ではそれにすぐ気づいた四葉の様子が描かれていました。72話「学級長の噂」では風太郎に「三玖とかどうですか?」と聞き、その後は三玖の手作りパン作りに貢献。修学旅行の「シスターズウォー」編は三玖の告白を手助けしていましたが、85話「シスターズウォー七回戦(裏)」での四葉の言葉を見ると「消極的」だから応援していたようでした。

なおその応援も告白後は行われていません。「一花の本当の気持ちに気付いてあげられなかった」と85話「シスターズウォー七回戦(裏)」で言っていましたので告白までをサポートして応援は終えたのだと思います。

 

【一花】
90話では一花の風太郎への接し方が変わっていく様に気付く四葉が描かれていたので、かなり注意してみていたのだと思います。66話「スクランブルエッグ⑥」では気落ちしている一花に勇気づける言葉をかけていましたが、その後、特に応援することはありませんでした。屋根上での会話にあったように「ガキ大将で人のものが欲しくなる嫌な子だった」と昔の一花を称していたので基本応援しなくても大丈夫と思っていたのでしょうか・・

修学旅行では三玖に変装して告白を妨害するという暴挙に至り、その原因が自分にあるのではと四葉は思ったようですが、そのことで一花が風太郎と距離を置こうとしたとまではわかっていないはず。一花の退学騒動から風太郎が個別レッスンをするに至った際は三玖と同様に一花のことになぜそこまで一生懸命なのかと思ったかもしれません。

 

【二乃】
二乃と四葉という組み合わせでの絡みは作中とても少なく、二乃は五月を警戒するようなそぶりは見せていましたが四葉はノーマークでした。二乃が四葉に絡むときはいつも「変わりなさい」など叱咤していた気がします。黒薔薇女子高を退学になる際も二乃のカンニング発言からでしたね。四葉は二乃に特に頭が上がらないのかもしれません。

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103話 最後の祭りが二乃の場合①より

四葉が二乃を応援するような場面はあまり浮かびません。「暴走機関車」と言われるほど正々堂々としているので応援するまでもなく自分でアプローチしていけると見ていたのでしょうかね・・強いて言えば97話「変わり始める日常」と103話「最後の祭りが二乃の場合①」でのやりとりでしょうか・・

97話では「二乃は俺を好きだからな」と暴露して二乃とクラス女子の仲裁にあたった風太郎ですが、103話ではレッド姿のままの二乃を弄ったものの四葉から「二乃可愛かったですよね!」と言われ焦っています。

この時「陰でコソコソも悪くないと思うな」「きっと何か理由があるんだよ」と言った際の四葉の偽笑顔は風太郎への好意を隠しているだけでなく、別記事に書いたように二乃への負い目があったからとも感じます。115話で二乃に言った「今までのこと・・二乃に謝らなくちゃいけないと思って」はその証だと思います。

 

四葉風太郎の好意の先に気付けなかった!?

三玖を応援していたのはいち早くかつ純粋に今の風太郎を好きになったこと、前述の通り消極的に見えていたことが大きかったとは思います。ただ四葉が過去の風太郎との出会いに囚われてしまっていたことを考えるとトランプした一花や一緒に遠巻きに見た二乃ではなく三玖を応援したのは、平等の観点で応援しただけでなく過去のこともあって無意識に肩入れしてしまったとも思えます。

ただ風太郎の好意が向けられていないと明らかになったのも三玖だけだと思います。四葉は一花、二乃、三玖の好意に気付いていましたが、告白したのを知っているのは三玖のみ。そのような中で風太郎は何のリアクションもないのだから、姉妹をよく見ている四葉なら気付くのは当然でしょう。

では一花と二乃はどうか・・読者から見れば風太郎の反応を見る限り一花が抜きんでているように見えました。ただ四葉から見たら一花はコソコソするのが得意な同族。一方、二乃はコソコソするやり方は好まず正々堂々・・四葉から見たら羨ましくあるとともにわからないところも多々ある感じがします。そういう観点で考えると暴走機関車にもなり得る二乃が一番の警戒相手だったとも思えます。

72話ではクラスメイトの噂に感化され「上杉さんって私のこと・・」や「上杉さんは私のことをどう思っていますか?」と風太郎の好意を計ろうとしました。要は風太郎の好意が誰に向いているかは判別できていなかった・・

読者から見ると四葉にだけ見せる凝視する姿が描かれていたので風太郎が四葉を好意にしろ京都の子と疑うにしろ気にしているのは分かりました。「ねーよ」と言われたことが相当応えたのかもしれませんが、観察眼に長ける四葉が自分に向けられた好意に気付かなかったのは灯台下暗しとともに好きすぎて目が曇っていたという事なのでしょう。

 

  ※本記事にて掲載されている画像は「五等分の花嫁/春場ねぎ/週刊少年マガジン」より引用しております。