五つ葉のクローバーの超主観的考察

~恋愛マンガの名作「めぞん一刻」を皮切りにラブコメ漫画の気になった点を超わがままに考察しています!~

五等分の花嫁の感想と考察(112話①)~風太郎の結論を待つ姉妹の幕間~

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112話 最後の祭りが五つ子の場合より

今話は五つ子姉妹しか登場しない本題に入る前の一休み回でした。ミステリー重視で姉妹それぞれの想いを掘り下げることが少ないこともあって彼女らに対し感情移入しにくい・・なので今回のような五つ子の絆を強調した話は一層上辺だけの言葉になりがちです。8ページ分ほぼセリフなしという構成は思い切った感じですが、ここは告白の返答を待つという恋愛においては重要なシーン・・緊張感の中での心情は恋愛物の見どころでもあるのだからもう少し言葉で綴って欲しかった感じ。今後、姉妹の関係が変わっていくのは避けられないから今だけは・・という事を表現したかったのでしょうか・・今後、振り返って描かれることがあるのかもしれませんが、今話に関しては物足りなさを感じました。

 

五月の敬語解除は全面開放中!!

111話「最後の祭りが五月の場合③」で「君だって私の理想なんだよ」と告白し敬語を解除した五月。風太郎から「居心地合悪いから普段通りにしてくれ」と言われていましたが、姉妹に対しても敬語解除していました。

個人的には他の記事で書いた通り、敬語を辞めるも辞めないも作者のさじ加減レベル・・110話での「母に憧れ志すことは絶対に間違いじゃない」との風太郎の言葉に決意を新たにしたのだから変えなくても問題ないと思いましたが、五月の中では母脱却とのことなので区切りとして変える必要があったのでしょうね。それと読者向けのインパクトを重視した結果でしょうか・・

ただ全面解放となると五月の問題が一気に片付いたこともあって特別感がなくなった感じはします。敬語はすでに彼女の一部だった感じですからね。こうなったら、クラスメイトにもそのことを突っ込まれるシーンをぜひ描いてほしいものです。

 

五月は教室、四葉は保健室で運命の時を待つ!?

四葉を除く4人は同じ教室付近で待っているのかと思いきや、みな別々の場所で待つとのこと・・これは風太郎、姉妹のどちらの意向なのでしょうか!?後夜祭も終わる時間から姉妹それぞれに会っていくとなると相当時間がかかりそう・・格付けチェック方式ならすぐ終わりますが、そういうわけにはいかないでしょう。

さて二乃と三玖は告白&キス済み、一花もキスをしたのでこの3人は選ばれても特に問題となることはなし。なので今回はそれ以外の姉妹二人についてのみ取り上げます。

【五月】
111話の考察をした際に、「五月は風太郎にキスした」「”君だって私の理想なんだよ”は五月なりに言葉を選んだ告白」と書きました。キスについては大半の人がしていないと思うだろうと見ていましたが、「君だって私の理想なんだよ」が好意を示す告白ではないかと考察するサイトが全く見当たらなかったのにはビックリしました。

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今話を見ても「なぜ五月が教室で待つ必要があるのか」との意見が多く出ており、五月に好意があるように見えないことがこの意見に顕著に反映しているようです

ただよくよく見るとそうとも言えない言葉が今話でもあります。例えばこの言葉・・

「上杉君」

「今日の全てが終わる頃」

「私たちは各々の部屋で待っています」

「各々の想いを抱えたまま・・」

「あなたを待っています」

この言葉を見る限り前話で考察した通りの印象・・他の姉妹と同等の立ち位置で臨もうとしているように思えます。誰かを選ぶという恋愛事の中で「各々の想いを抱え」と心の中で呟いているのだから五月もすでに好意を持っていると思います。

ただここで気になるのは99話「日の出祭 初日」で風太郎に対し「羨ましい」という言葉を使ったこと・・これについては別記事で「京都の子である四葉が選ばれ運命的な再会をした二人が結ばれる」という思いから使ったのではと考察しました。

ただその後の話では無堂に苦言を呈され逃げるように教室に来たことが判明。「教師を目指すことが本当に自分の夢なのか」と未だ迷っている・・そんな自分と問題を解決した風太郎を比べ「羨ましい」と思った・・そういう解釈もできるかと思います。

自分と比較しての「羨ましい」だったなら問題はないですが、四葉が選ばれると思っての「羨ましい」だったなら、風太郎への想いと四葉への後ろめたさとの板挟みになりそう。五月編を経て発言時と今回では人格が違うかもしれませんが、姉妹に対する想いは変わらないはずなのでその点だけが気がかりでしょうか。

 

四葉
運命の場所として選んだのは保健室の模様・・107話「最後の祭りが四葉の場合①」では生徒が騒いでいる校庭にいる様子が描かれていました。このことから風太郎は四葉キャンプファイヤーで踊る、107話の描写は風太郎を見送る様子では?などの見解がなされていましたが、そもそも選んだ場所は違ったようです。

ただ保健室にしろ、校庭にしろ四葉が姉妹の中で特別な場所にいるのは確か・・それを見て感じたのは、校庭にいたのはキャンプファイヤーで一緒に踊ったからなどではなく風太郎を避け逃げていたからではということ。予定していた場所にいないのだからどうしてもそのように勘繰ってしまいます。

四葉は108話「最後の祭りが四葉の場合②」で過去との決別をしましたが、それはその日の昼のこと・・見た目は吹っ切れているように見えますがそんな簡単に心の整理ができるはずもありません。これだけ拗らせていたのだから・・

また「最後」という言葉を連発して過去との決別=風太郎の決別と思い込もうとしている風にも感じました。自分の中だけで決別を図ろうとする姿を見ると、風太郎ときちんと向き合い、他の姉妹と同等の立ち位置で臨もうとしているようには私には見えません。

なので未だ「自分が選ばれちゃいけない」という思いから風太郎の結論を聞かないようにした可能性も十分あります。「私達が普通の姉妹だったら違ったのかな?」という言葉を見るとそんな思いが詰まっている感じがします。ライバルは過去に迷惑をかけた五つ子の姉妹ですから・・

友達のために身を引き、逃げたり避けたりする描写は恋愛ものでは王道・・何気に学園祭編で二乃、三玖が四葉の想いに気付いたようなやりとりがありました。四葉包囲網ができつつある状況であることを考えると逃げている可能性が高いと思っています。

 

最終ページの順番通りに会っていくのなら、四葉より先に五月に会う形になります。読者には京都の子=四葉、零奈=五月と明かされているものの風太郎には未だ明かされていないことから考えるに五月の口から関連する何かが語られ、それを聞いたうえで四葉に会う形になりそう・・物語も佳境なのでさすがに色々な伏線回収がありそうです。

 

・・Add!・・

今のところキャンプファイヤーで生徒が踊っている描写はないのですが、例えダンスがあったとしても一緒に踊ることが意味を持つとは思えないのが正直なところ。後夜祭終了のアナウンスがある中、みなそれぞれの場所で待っているのだから、委員の仕事で一緒にいたことはあっても先に誰かと踊ったという事はないでしょう。

それにその手の話は「結びの伝説」編で描かれているのだから二番煎じでしかありません。32話「結びの伝説2000日目」を見ると新婦入場の場面にモノローグ調で伝説が書かれており、鐘キス以上に大事なことだとわかります。ねぎ先生は過去と重ねる描写が多いのは確かですが、個人的にはこう思っています。

 

 

 ※本記事にて掲載されている画像は「五等分の花嫁/春場ねぎ/週刊少年マガジン」より引用しております。