五つ葉のクローバーの超主観的考察

~恋愛マンガの名作「めぞん一刻」を皮切りにラブコメ漫画の気になった点を超わがままに考察しています!~

五等分の花嫁の感想と考察(108話①)~風太郎の過去を象徴する二人の共演結果は~

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108話 最後の祭りが四葉の場合②より

107話「最後の祭りが四葉の場合①」では四葉を探していた風な言葉を残した竹林さん。今話では四葉風太郎の思い出の子だと断定し、なぜ風太郎にそのことを言わないのかと問い詰める大役を果たしました。風太郎から見れば好きだった子と自分を変えてくれた子が遭遇し会話するという過去を象徴する二人の共演でした。

 

名探偵"竹林" 颯爽と登場!!

100話「日の出祭 二日目」で二乃と五月に接触した後はパンケーキを食べて終わったのかと思いきや、6年前京都で逸れた子がいたかを確認し、そのうえで四葉接触を図った模様。二乃と五月は竹林さんの問いに”同じ顔で大きなリボンつけた子"とでも言って説明したのでしょうか!?「逸れた子がいた」だけじゃない気がしますね。

それにしてもまじまじと顔を見つめた挙句”四つ子は見たことあるんですけどね”から切り出すなんてまるで刑事や名探偵のようですね。つまり87話「私と姉妹①」で描かれた京都駅で頭をぶつけた時のことをちゃんと覚えていたわけです。

確かに四つ子も珍しいですが一瞬のことなのによく覚えていたな!風太郎の豹変に思うことがありその理由を竹林さんの方から聞いたのか!?と思いきや、風太郎から写真で嫌と言うほど見せられていたからとのこと。

なるほど・・写真の子が四つ子と同じ顔ならば「ぶつかった子らは四つ子ではなく五つ子」「その五つ子の中に風太郎を変えた子がいる」と頭脳明晰な竹林さんなら容易にわかるはず。ぶつかったときのことも関連付けして記憶したわけですね。

それにしても風太郎、その子との出会いに相当浮かれていた模様。102話「最後の祭りが一花の場合②」で一花に”俗っぽい”と言われていましたがその通り!!竹林さんはうんざりしたかもですが何か微笑ましくもあります。

今話では「同じ学校にいるとは思わなかったけど・・」と話していましたが、いつ誰に"五つ子姉妹が風太郎と同じ学校にいる"と聞いたのかは未だ不明・・事前に聞いて来たのか、この場で風太郎から聞いたのかもわかりませんが、風太郎を変えた子に会ってみたかった”という思いは間違いないようです。

 

竹林さんと会話する四葉の心境は

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108話 最後の祭りが四葉の場合②より

初対面でここまでズバリ言われた四葉はどう感じたのでしょう・・ぱっと見「わたしは何でも知っている・・」風の追い込み方ですからね~将来は女検事でしょうか(笑)

本人はただ風太郎を変えた子に会ってみたかっただけなのでしょうが、四葉から見たら恐怖の対象でしかなかったように思います。「さすが上杉さんの先生ですね」「あなたにお会いできてよかった」と返したものの、「それだけですか」には言葉が出なかったんでしょうね。病院を抜け出そうとする際の独り言を見てもこの言葉が倒れるきっかけになったと思われます。

風太郎を変えた子が同じ学校にいると知っているのは可能性を含め風太郎、勇也、らいは、マルオ、竹林さん、もしかしたら真田くんもでしょうか!?ただ四葉から見ると写真の話も聞かされたことだし風太郎が竹林さんに話したと思うのが普通でしょうね。

竹林さんが自分を見つけてやってきたことに「上杉さんはすでに気付いている」と思った・・だからこそ最後「約束を守れなくてごめんね」と言うことができたのでしょう・・

 

竹林さんが「それだけですか」と言った意味

竹林さんはどんな気持ちでこの言葉を言ったのでしょうか!?傍から見れば素敵な再会なのに「言わないでください」と言われればなぜと思うのは当然。同じ学校にいるのに何も語り合えないわけですからね。その理由が「がっかりされたくない」で「上杉さんはずっと正しく努力してきた」「私は無駄なことに執着した意味のない五年間」などと言われれば尚更です。落第したことで姉妹に迷惑をかけたことに負い目を感じていることも、そのことで自分が風太郎の思い出の子であると言えなくなっていることも竹林さんは知りませんから普通なら理解できなくて当然。ただ彼女はその後にこうも言っていました。

「自分は無意味で必要のない人間だと 同じようなことを言っていた人を知っています」

「そしてその人は今 前を向いて歩き始めています」

「あなたも過去から踏み出せますように」

内容を見るとどうも風太郎のことのよう・・「無意味で必要のない人間」という言葉を使っていますが、34話「今日と京都の凶と共」で「(不要なのは)俺じゃん」と落ち込んだのは腹痛を理由に班から離れた後なので竹林さんが知る由もなし。100話時の発言も「俺は何もない空っぽの人間だ・・」と言葉が違うので、パンケーキ屋台に寄った後にでも風太郎から聞いたのでしょうか!?

相手のことを例に出すことで「あなたはそれでいいのですか!?」と問いかけたのでしょうね。当然、「過去に囚われる必要はないし今から踏み出せばよい」という意味も含まれるのでしょうが・・それだけではない感じ。二乃と五月を挑発した際、姉妹が風太郎へ持つ感情には信頼のみではなく好意が含まれることに気付いただろうと思います。なら四葉の「がっかりされたくない」にも同じ感情があるとわかるのは容易なこと。

100話の最後に竹林さんは「頑張りなよ 風太郎」と言っていました。写真を見せて嬉しそうに話す風太郎を見て竹林さんなりに感じることがあったはず。風太郎の感情も知った上での発言と考えると風太郎を信じてちゃんと向き合ってみれば!」という意味が込められていたのだろうと思っています。

 

竹林さんの言葉は四葉の呪縛を解くに至らず

眠りこけている風太郎に過去との決別を宣言したものの、その後は「だからこれが最後」「最後の思い出作りだもん」と”最後”を連発・・「これで私も前に進める気がする」「うん これで・・私も・・」と自分に言い聞かせている様子からはとても区切りがついたとは思えません。竹林さんの言葉は大いに刺激になったようですが、四葉の呪縛を開放するまでには至らなかったようですね。

四葉は一体何と決別したのでしょう!?泣きじゃくる様子を見るに四葉の中では過去との決別=風太郎との決別のように感じているようにも思えます。風太郎との繋がりは過去だけでなく今現在も大きく存在しており読者目線ではそれがわかるのですが、四葉は目をそらしているので気付かないのでしょうね。今後は風太郎から逃げる、または距離を置こうとするような気がします。

 

竹林さんの出番はまたあるのか!?

今回彼女が学園祭に来た一番の目的は”風太郎に会うこと”・・そう思うのは二乃と五月への挑発に風太郎がどう反応するかを確認していたからですが、その背景には6年前、修学旅行から帰った風太郎が学業に懸命になるあまり、周りの人間関係を切り捨ててきた経緯があったからこそと思っています。一部悪い方向へ変貌してしまった風太郎を心配していた竹林さんはそんな風太郎が今では五つ子姉妹を受け入れ家庭教師までしていることを知り、今の様子を確認したかったのでしょう。そんな世話焼き竹林さんだからやんちゃだった風太郎をここまで変えた子にもずっと興味を持っていたのでしょうね。

ただあまりにガッツリと四葉に絡んできたのにはちょっとビックリ。竹林さんにとって風太郎はどんな存在だったのでしょうね。恋愛感情が大きくあったようには見えなかったので手のかかる弟みたいな存在だったのでしょうか!?今から思うと当初からこの役割を担うべき存在だったのかもですね。

竹林さんの学園祭での登場意義は今話で一段落の感がありますが、100話を見る限り学園祭には夕方までいた模様。回収されていない伏線もあるので五月編や風太郎編、そして風太郎の過去編でも出番がありそうです。

五つ子姉妹全員がヒロインと言う設定はミステリー要素には打ってつけですが、姉妹がゆえに争えないことも多く内容はマンネリになりがち・・部屋でひとり何かを思うシーンや嫉妬、焦燥、悲しみなどといった負の感情の表現も乏しくなりがちなため竹林さんみたいに刺激になる存在は貴重・・個人的にもまた登場して欲しいと思っています。 

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 ※本記事にて掲載されている画像は「五等分の花嫁/春場ねぎ/週刊少年マガジン」より引用しております。