五つ葉のクローバーの超主観的考察

~恋愛マンガの名作「めぞん一刻」を皮切りにラブコメ漫画の気になった点を超わがままに考察しています!~

五等分の花嫁の感想と考察(115話③)~四葉に変装して登場した三玖の想いはいかに!?~

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115話 五通りの朝より

115話は「五通りの朝」では風太郎が四葉を選んだ翌日の姉妹の状況が次々と描かれていました。一花の偵察行動はさすがという印象。二乃は少々揉めるかなというのは別記事に書いている理由で想定済み。ただ三玖の行動は全く読めずじまい・・「私 四葉」といい加減な変装をして登場する姿と「なにごと・・」と答える四葉を見てちと苦笑したわけですが・・

 

三玖は姉妹と風太郎の恋模様をどう見ていたか?

86話「シスターズウォーエキシビションマッチ」の「自意識過剰くん」と言う言葉が敗北を決定的にしたように言われますが、これは風太郎とのこれまでの積み重ねがあるからこその発言であり、そのことで風太郎が「なんだこいつ?」なんて思うわけもなし。自分にとっては三玖の成長を感じる言葉として印象に残っています。

またその時の三玖の気持ちは「誰かさんみたいに勝ち目もないのに特攻するほど馬鹿じゃない」という言葉が雄弁に物語っています。積み重ねてきたものは恋愛ではなく友愛でしかないことは本人が一番感じていた・・

そりゃそうです。”人を好きになる”というのは”その人に興味を持つ”と同義・・「友達」と「好きな人」では”その人のことを知りたい"と言う気持ちが格段に違います。
84話「シスターズウォー 七回戦」で言った「私のことも全部知ってほしい」は最も気持ちが詰まった告白でした。なのに風太郎はアプローチに対し反応するばかりで三玖のことを知ろうともしない・・彼女がそう思うのは仕方ないところでした。

とりあえず修学旅行編では四葉の応援を受けていたわけだから、四葉風太郎に好意があると思っているわけもなし。その後の98話「終わり掛ける日常」での水族館デートでは「次はフータローの番ね」と結論を促すような言葉を吐くわけですが、その間に三玖が四葉の好意に気付くような描写は見当たりません。あくまでライバル視しているのは一花という感じで林間学校編以降ずっとそんな感じでした。

105話「最後の祭りが三玖の場合①」では「この恋の成就が不可能だって私は知ってる」と心の中で言葉にしましたが、これは四葉の好意に気付いたからではなく日頃の風太郎の態度や一花には敵わないという気持ちからというのが正直な印象です。

四葉の好意の一端に気付いたのは100話「日の出祭 二日目」の竹林さん登場時で間違いないでしょう。「私の方が上杉さんのことを・・」と言いながら飛び出した四葉の姿に思うことがあるような姿が描かれていました。

四葉のこの言葉を見るとこれだけで強い好意を感じるかと言えばそうでもない。ここ1年、一緒に過ごす時間が長かったのだから、竹林さんの挑発的な発言に"友愛の気持ち"でこんな発言をしてもおかしくないでしょう。ただ三玖はそれだけのように感じなかった・・

 

やっぱり「なんでこんなにフータローに協力的なのだろう」「なんでこんなに応援してくれているのだろう」と三玖は不思議に思っていたぐらいしかありませんね。お人好しと言われていた四葉ですが、三玖は姉妹の中では近しいこともあって四葉の抱える問題と即関連付けできたのかもしれませんね。

 

三玖が四葉の変装をして現れた意味

精神的に壊れたわけではないのは言うまでもありません。四葉の背中を押すため以外ありえないでしょう。本気で「私が選ばれないのなら四葉になり代わってフータローと付き合う作戦」をするならあんな杜撰な変装で「どうかな?」と聞くはずもなし。確かめに来たというのが正しいでしょうか・・

 

① 気持ちの確認と嫉妬心を煽るため
三玖は前田から「相手を独り占めしたいに尽きる」と言う言葉を聞いたこともあってか姉妹の中ではもっともわかりやすく嫉妬する様子が描かれていました。これまで好意を明らかにしてこなかった四葉が選ばれたのだから少なからず嫉妬心があると考えるのが普通。そんな四葉風太郎への想いはどれくらい強いのか・・確かめたいと思うのは当然ですね。見分けられるという観点からは「風太郎は自分を見分けられる」と四葉が信じられるかでしょうか?

とにかく嫉妬心を煽ることで風太郎をどれだけ好きなのか、信じられるのかを計りたい・・そういう気持ちが感じられました。

 

② 姉妹の絆を再認識させるため
112話「最後の祭りが五つ子の場合」では五つ子であることに色々思うことはあっても五つ子で良かったというのが結論。その際の会話を見ると五つ子ならではの共感しあう感じがありました。これを見ると姉妹の絆に訴えて「大丈夫だよ」「私たちを信じられない?」という気持ちが感じられました。

 

五つ子と言う設定上、三玖だけの助力で解決に導くなんてことはないでしょう。一花は過去を語る力を、二乃は叱り励ます力を、五月は味方してきた力を持ち合わせています。では三玖が持つ力はというと"勇気を促す力"でしょうか!?

理由はどうであれ三玖は四葉の応援を受けたことで勇気を出して告白し「景色が違って見える」ほど世界が変わったのだから感謝してもしきれないものがあるだろうと思います。

二乃は叱り役なので恐らく「選ばれたあなたは胸を張ればいい!」「覚悟を決めなさい」という思いでいると思います。三玖は極めて普通ですが・・私たち皆を信じて、勇気を出して、本当の想いを正直に伝えてくれれば分かり合えるから!という思いで背中を押してくれるのだろう・・そう思っています。

 

※本記事にて掲載されている画像は「五等分の花嫁/春場ねぎ/週刊少年マガジン」より引用しております。