五つ葉のクローバーの超主観的考察

~恋愛マンガの名作「めぞん一刻」を皮切りにラブコメ漫画の気になった点を超わがままに考察しています!~

五等分の花嫁の感想と考察(113話②)~風太郎が四葉に惹かれた理由を再検証する~

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107話 最後の祭りが四葉の場合①より

風太郎への好意をひた隠しにしてきた四葉。時折気持ちが駄々洩れする場面はありましたが、姉妹への罪悪感や風太郎への負い目は思った以上に傷が深く、結果「私だけ特別なんて良くない」として他の姉妹を応援する行動をしていました。

そんな四葉だからでしょうか・・風太郎が四葉を選ぶ理由がわからないという意見も多いようです。すでに多くのサイトでこのことに触れているようですが、私の方も再度理由を整理してみたいと思います。

 

四葉に惹かれた理由はこちら!!

99話から続く112話までの間、風太郎の心情はほぼ描かれていません。今後、風太郎の過去編などで描かれると思いますが、今の段階で推測できるは次のとおりです。

①人生を変えた京都の子への感情は初恋だったから
風太郎と京都の子との出会いが根幹となるこの物語・・人生が変わる出会いだった写真に写る子の正体はいつもそばで支えてくれた四葉なのだから無意識でも彼女に惹かれていくのは必然。今話に至るまで四葉が写真の子であることに気付いた描写はありませんが、「最後の祭りが四葉の場合」編を経た結果、確証を得て四葉に会っていると思われます。

43話「七つのさよなら⑤」では京都の子に対する感情は”感謝と憧れ"と二乃に話していましたが、恋愛ものの映画やドラマを好む二乃からしたら恋愛感情そのものの内容だったのでしょう。

風太郎の初恋は竹林さんと思いがちですが、108話「最後の祭りが四葉の場合②」ではツーショット写真をイヤというほど彼女に見せていたのだから竹林さんに対する感情はまだ好意に至っていなかったと思われます。竹林さんの学園祭編での行動や発言を見ると少なくとも彼女は「風太郎は写真の子が好き」と思っていましたしね。本当に初恋の相手は四葉なのでしょう。

 

②家庭教師を始められたのは四葉が味方になってくれたから
五つ子姉妹との今の関係は家庭教師をしたからこそ築けたもの。マルオの意図した陰謀に対し他の姉妹も家庭教師を辞めさせないよう奮闘しましたが、取っ掛かりは四葉が味方になってくれたからこそ・・21話「おまじない」での風太郎の言葉がすべてを物語っています。

95話「分枝の時②」では「(一度辞めた自分を)雇いなおせたのは一花が仕事をしてくれてたおかげ」と一花にも家庭教師絡みでの感謝の意を伝えていましたが、風太郎の中ではそれとは別格だったのでしょう。

 

③学級長に指名されたことでまた自分を変えてくれたから
四葉の推薦でやりたくない学級長になったわけですが、91話「偶然のない夏休み」では武田から「驚くべき変貌・・」「誰がそうしたのか聞くまでもないね」と言われたことに対し認めるような発言をしていました。

今話の武田と前田との会話でも五つ子全員への感謝の意を述べていましたが、クラス内で打ち解け、このような会話ができるのもすべて学級長になったからこそ。最近、四葉に言った言葉をみても風太郎は感謝の気持ちでいっぱいのようです。
武田が「誰が・・」と言ったのは恋愛の意味はなくとも四葉の存在が大きかったことを意識してのものだったと改めて思います。

 

④約束を覚えてくれていたから
108話「最後の祭りが四葉の場合②」において、四葉は「ずっと約束を覚えてくれてありがとう」「私は守れなかったよ・・」と言っていました。何気なく使った「約束」という言葉ですが、これは何度も記事にしているように二人だけが知ること。

32話「今日と京都の凶と共」で描かれた五月と風太郎の会話を病室前で聞き、「私のことを覚えてくれていた」と四葉は感激していましたが、それは風太郎から見ても同じこと。初恋とも言える人が約束したことを覚えていてくれたのだから嬉しく思わないわけがないでしょう。

 

⑤いつも自分のことを心配し助けてくれるから
四葉はイベントがある毎に「風太郎に楽しんでもらえるように」と頑張っていたわけで、それは風太郎にも伝わっていました。併せて体力のない風太郎を常に気遣い、時にはダメ出しすることも・・107話「最後の祭りが四葉の場合①」の手を広げて「心配してるんです いう事を聞いてくれるまで動きません」は象徴的なシーンでしょう。このようなことをしてくれるのは四葉だけでした。

 

四葉の笑顔に惹かれているから
作中、四葉を凝視し京都の子を重ねるような描写が随所で見られましたが、言うまでもなくそれらはすべてが笑顔・・抱き付いたりキスしたりとスキンシップを図ったことにより異性を意識したわけではなく好意を示す言葉をかけたわけでもない・・単に笑顔に照れて目をそらすのだから他の姉妹より強く意識していたのは確か。

また最近の風太郎は四葉と目を合わせられず、どのような距離感で接すればいいか苦心していたように感じます。異性として意識すると途端に距離を置こうとするのは恋愛では普通のこと。十分にその表現はされていたと思います。

 

風太郎にとって四葉という存在は・・

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107話 最後の祭りが四葉の場合① 及び 108話 最後の祭りが四葉の場合②より

ひと言でいえば過去も現在も自分を変えてくれたのは四葉と思っているわけです。風太郎は最近、ちょくちょく自分を卑下した言葉を吐き、今回も武田や前田に過去の自分への後悔の念を話していましたが、”自分も思うように変われなかった”、”自分も色々なことを間違った”という反省があるわけです。そのようななか、再度自分を変えるきっかけをくれた四葉風太郎にとって「感謝と憧れの存在」であり「必要な人間」なのです。

ただ「感謝」「憧れ」「必要」だけなら「上杉さんは勘違いしているんですよ」と言って四葉は受け入れないでしょう。必要なのはそれを恋愛感情に昇華させ「好きだ」という気持ちを明確に伝えること・・

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79話 シスターズウォーニ回戦より

ここで絡んでくるのが作中に出てきた「初恋」というキーワードなのかも!?と思っています。79話「シスターズウォー ニ回戦」ではらいはの「お兄ちゃんの初恋の人だよね」という言葉に過去最大の動揺を示していましたしね。(らいは!ナイスアシスト!!)
もうひとつは88話「私とある男子①」でお参りした「願い事」でしょうか!?

風太郎が世間一般の高校生と同じなら、積極的にアピールしてくる二乃や三玖にも惹かれたでしょうが、授業が再開されることを喜ぶような異常者で超真面目な風太郎ですから、過去も現在も感謝の念でいっぱいの四葉は別格だったのでしょう。姉妹の中で一歩も二歩もリードした存在で初恋ともいえる相手(運命の人)なのだから、一線に並び誰を選ぶかと問われたら彼女以外を選びようはないわけです。

保健室の前に立つ風太郎の姿は”告白する”といった緊張感がビシビシと感じられました。そのような中、手には無料からあげ券を使って買ったと思われるからあげの袋?・・やっぱり四葉に使うしかないですよね。そうなるとブロマイドはどうなるのでしょう。別記事に書いたとおり四葉を見破れる根拠の小道具に使うのでしょうか!?

作者本人から14巻が最終巻とアナウンスされたので最終話まであと10話もないようです。四葉風太郎の気持ちをすぐさま受け入れるとは思えませんが、今後きちんと向き合えた際には最近見ることがなくなっていた四葉のリボンを風太郎が直すシーンをぜひ見たいなあと思っています。

 

 ※本記事にて掲載されている画像は「五等分の花嫁/春場ねぎ/週刊少年マガジン」より引用しております。