五つ葉のクローバーの超主観的考察

~恋愛マンガの名作「めぞん一刻」を皮切りにラブコメ漫画の気になった点を超わがままに考察しています!~

彼女、お借りしますの感想と考察~千鶴の恋心を言動と行動から読み取る~(21巻①)

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彼女、お借りします 177話より

和也の「ずっと前から 君のこと・・」発言を大いに意識する千鶴。そんな中、海くんからパーティーの誘いがあった千鶴はプロデューサーである和也にも誘いがあったから・・と和也の部屋を訪れます。海くんから和也も招待となると15巻の考察で書いたとおり、海くんの口から「好きじゃない・・」「でも・・好きじゃなくもない」と千鶴が発言した際のやり取りについて触れられるわけです。

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彼女、お借りします 176話より

注目すべきは部屋を訪れた際の千鶴の雰囲気ですね。パーカー姿は見慣れたものですが、横髪すとーんの髪型以上に口調や落とした視線から少し落ち着かない感じを受けました。いつもは千鶴の方が年上かと思わせるような感じで千鶴のペースで優位に話を進めようとする感じが強かったですからね。やっぱりかなり意識している感じです。

代官山のパーティー会場前で待つ和也の前に現れた千鶴はいつものとおり「ども」とあいさつするわけですが、会場では居場所のない様子を見せる和也に気を遣いサポートする様子を見せていました。

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彼女、お借りします 177話より

そんな中、登場した海くんは和也と二人きりでの話を頼まれ千鶴は席を外すわけですが・・そこで海くんの口から飛び出したのは「好きじゃなくもない」でした。その言葉を和也に投げかけるやり方はイメージどおりでしたが、海くんがやるとなんともスマートでしたね。

「好きなんじゃって思うかな」と和也が答えるわけですが、そのやり取りの意味が分からず千鶴に問うところまで海くんは計算していたのでしょうね。

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彼女、お借りします 178話より

和也から「好きじゃなくもない」という言葉を聞かされた千鶴は顔を真っ赤にして大きく動揺していました。さっさと席を外したところを見るとこんなこと言ったのを忘れていたのだろうし、海くんが和也に話すなんてこれっぽっちも思っていなかったのでしょう。

実際、千鶴は和也の言葉によく照れているのですが、目前でこんなに大テレしてしまったのはおそらく初めて・・和也への気持ちを振り絞って言葉にした「好きじゃなくもない」ですが、千鶴にとってある意味「黒歴史」になってしまいましたね。これ以外にも何か話したのでは?と疑心暗鬼になりそうだし、色々と頭をよぎり部屋で悶えてしまう千鶴の姿が目に浮かびます。

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彼女、お借りします 179話より

その後、海くんは千鶴を「ちょっといいかな」と呼び出し、帰ってきた千鶴は浮かない表情を見せていました。なぜ千鶴はこんな表情を見せたのか!?

和也に千鶴の言葉を話したことを謝った等ならこんな表情になるわけはなし。2次会には行かず二人で帰ろうとしたことからは、もう今日は海くんと顔を合わせたくない、和也と海くんを会わせたくないという意志が感じられます。となると考えられるのはこの3つ

① 海くんから再度アプローチされた
138話のやり取りで15巻127話の件は終わったように見えますが、実は和也の「当時の俺は裏での出来事などつゆ知らず」という言葉は完全に回収できていません。この言葉は千鶴が自分に向けた気持ちだと和也は知りませんからね。この回のポイントは海くんと和也がLINEの交換をしたこと!千鶴と和也は何らかの理由で一度距離を置く形となり、その間に再度海くんから真相を聞くことがあるのではと憶測しています。和也を認めていた海くんですが、「君とは仲良くなれそうだ」発言を見る限り、和也の動向次第では全力で千鶴を取りに来る感じに思えます。

② 海くんから仕事のオファーがあった
138話の和也とのやり取りで海くんは和也からクラウドファンディングの話を聞いていました。クラファンのことは話のきっかけとして取り上げたのかもしれませんが、何らかの形で和也と同じように千鶴に女優のオファーをしてきたとしてもおかしくない。

③ 海くんから「好きじゃなくもない」の気持ちを問われた
和也も海くんもこの言葉の意味を「好き」と感じ取ったわけで、そのことを千鶴に伝え今の気持ちを再確認した可能性もあります。

 

ただ和也に理由を話さなかったところを見ると②のような仕事絡みではなく①③のようなやりとりがあったような感じ・・それを解くカギはパーティーを抜け出した後のやり取りにあるような気がします。

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彼女、お借りします 179話より

帰り道、会話に困った和也は千鶴に「水原ってさ・・恋人とか欲しくないのか・・?」と聞くわけですが、千鶴はカレシ=一番傍で支えてくれる人という言葉に反応する形で次のように答えます。

「・・別にいいなとは思うわよ?」
「傍で支えるって意味では一番確か・・」

「恋人の存在を公言している女優も沢山いる」「決まった人がいれば・・楽かなって」と一般論を添えて答えていますが、話す直前の「・・・」を見る限り、和也がこんなことを聞いてきた意味を考えて発言した感じですね。その流れで千鶴はこうつぶやきます。

「多分思う 好きになったら 付き合いたいって・・」
「ずっと 傍にいたいって・・」

171話で千鶴は「今更強がってもしょうがない」「私・・ちょっと弱いかも」と話していましたが、最近は和也に弱い自分を見せ、頼りたい気持ちを表すケースが増えています。「多分」という言葉からは未だ好きになった事がないようにも見えますが・・「女優って仕事には邪魔なのか?」と問われ、和也の胸で泣いた事を思い出し否定しているのだから、和也の事を想定して答えたのは間違いなし。

「レンカノ」を辞める時まで言及しているのだから、千鶴は覚悟を持って現状打破をしようとしているのでしょう。174話に独白した「なんとかしないと・・」ですね。

 

※ 本記事にて掲載されている画像は「彼女、お借りします/宮島礼吏週刊少年マガジン」より引用しております。