五つ葉のクローバーの超主観的考察

~恋愛マンガの名作「めぞん一刻」を皮切りにラブコメ漫画の気になった点を超わがままに考察しています!~

彼女、お借りしますの感想と考察~千鶴の恋心を言動と行動から読み取る~(20巻①)

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彼女、お借りします 167話より

上映会は好評のうち終了。監督から小百合婆ちゃんに映画を見せるまでの顛末を聞き、一層和也への思いを高めたことと思いますが、打ち上げに向かうまでの和也との会話では女優を続けることを宣言。和也の問いに答えての発言でしたが、口にした言葉は二人を繋いでいた天国の小百合婆ちゃんにもっと立派になった姿を見せたいとともに、映画作りを通じて和也と過ごした時間を楽しかったと評すもの。前を歩く和也を見つめる千鶴の顔は恋する表情だったように思えます。

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彼女、お借りします 169話より

そんな千鶴はベランダでコーヒー?を飲みながら和也の言葉を思い出し何かを思案中。結果、LINEを使って自分の方から和也を喫茶店に誘っていました。”ベントゥーノ"なので21という数字に何か関連しているのでしょうか!?

髪をアップしたラフな姿の千鶴を見るとレンカノや女優と違ってプライベート感満載。喫茶店に向かう途中、千鶴の頭に浮かんだのは、みにに「師匠は水原さんのこと女として好きなんス!!」と言われた時と”励ましデート”で和也から「俺の理想の彼女はさ・・」と言われた2シーンでした。

共通するのは和也の自分に対する『本当の気持ち』というところであり、ドキドキしている千鶴の姿からはちゃんと和也の気持ちを受け入れているように見えます。みにの「面と向かって好きなんて言えるハズない・・」発言は和也の『理想の彼女』話とリンクしていますからね。

「くっ」と意を決する前の和也の言葉は「できることはやった・・と前を向く彼女が理想」というものであり、千鶴自ら気持ちを伝えようとしてもおかしくはない。

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彼女、お借りします 171話より

ただそこは恋愛下手な千鶴・・その思いをなかなか口にすることはできません。代わりに出てきたのは瑠夏との進捗状況を確認する次の言葉・・

「その・・その後・・順調?」
「そうはいってもあれからまた進展あったわけだし」
「心境の変化とか・・ないのかなって・・」

前回、千鶴が聞いたのは二人きりの撮影旅行から帰るバスの中でした。その時はいい子だと認めるも恋人にすることを否定する和也の言葉に安心したように眠り込みましたが、今回は「やっぱ好きとまでは・・」と気持ちに変化がないことを聞き黙り込んでしまいました。「そっか・・」と言ったっきり言葉が出て来なかった様子を見ると、特に意図したものではなく、会話の糸口として咄嗟にこの言葉を口にしただけなのでしょうね。何から切り出せばいいのか整理できず、一番気になる瑠夏との関係を聞いてみたというところでしょうか!?

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彼女、お借りします 171話より

続いて先日のデートの代金を返そうとする千鶴。これも今回、和也を誘って喫茶店に行くための口実だったのでしょうね。「なんかそう言われるんじゃないかって気はしてた」という言葉からはきちんとシミュレーションしていたように感じますしね。そして和也の言葉に安心した千鶴は次の言葉を口にします。

「まあ今更 強がっても仕方ないよね」
「私ちょっと 弱いかも」

和也を信頼し心を開いている様子がうかがえる言葉・・関係が親友にランクアップしたという感じですね。「99%強くて・・1%弱い」と千鶴を評し、そんな1%の拠り所になれたらとまで考えられた和也・・自分を頼ってきた千鶴の変化を十分受け取ったように思えます。現状打破まであと一歩です!!

 

※ 本記事にて掲載されている画像は「彼女、お借りします/宮島礼吏週刊少年マガジン」より引用しております。