彼女、お借りしますの感想と考察~千鶴の恋心を言動と行動から読み取る~(11巻)
合同誕生会場で待つ和也にLINE電話し、和婆ちゃんに取り次いだ続きから描かれた11巻。祖母の容態を説明し「行けそうにない」と話すも瑠夏が来ていると知った千鶴は祖母の病床で独り言・・自分でも何であんなことを言ったんだろうと思うほど無意識での発言でした。
この時まず頭に浮かんだのは先ほどの和也との電話・・「やっぱ来なくていいよ・・」と言われ「そう・・?でも・・」と答えているので何か疎外感を覚えたのかもですね。次に瑠夏の「今日で和也君は正真正銘私のものにしてみせます」発言を思い出しているので「和也を取られるのは嫌だ!」という事なのでしょう。
そしてもうひとつ頭に浮かんだのは48話の和也の「君がいいっ!・・君がっ!!」発言。この言葉はレンタル彼女の”水原千鶴”にではなく”一ノ瀬ちづる”に向けられたものでは!?と思ったようでした。願望も込めて・・恐らくこの言葉により「負けたくない!!」と言う気持ちが無意識に沸いてきた・・だからあんなことを言ってしまったのだと思います。
①「やっぱ来なくていいよ・・・」→ なんとも思われていないのかもしれない
②「私のものにしてみせます!!」→ でも和也さんを取られるのは嫌
③「君がいいっ!・・君がっ!!」→ 私だって好き 負けたくない
和也の実家に着くや否やさすがの対応力を見せ、瑠夏のアドバンテージを一瞬で消滅させますが、そのことが瑠夏の気持ちに火をつけ和也の唇を奪う行為へと発展してしまいました。
「るかちゃんを追い込んでしまった」と思った和也は和婆ちゃんが爺さんからもらった婚約指輪を千鶴に渡そうとしたこともあって「千鶴と別れた」と切り出そうとしますが、小百合婆ちゃんが倒れたとの連絡が入りお流れ・・
慌てて二人は病院に向かうわけですが、小百合婆ちゃんから「千鶴にあんなに行きたそうにされたら・・」と言われ大慌て。祖母同盟の二人をくっつけようとする陰謀は未だ作戦続行中のようです。
千鶴から容体が良くないことを聞かされた和也は本当のことを小百合婆ちゃんに話そうとするのですが、そんな和也を千鶴は「私・・別れるって言いたくない」と止めていました。
「おばあちゃんがあなたを気に入っている」など色々な理由を付けていましたが、納得がいかない和也に告げた最後の言葉は・・
「もうただの"嘘"じゃないの」
後ろを向いて発したこの言葉はお婆ちゃんのためだけなのでしょうか・・とてもそうとは思えませんね。今はレンタル彼女という嘘の”彼女”でも千鶴が和也の本当の"彼女”を望むのならば・・今の二人の関係は理想の姿。ただの”嘘”ではないわけです。
ここに来る前に和也は「別れた」と切り出そうとしていましたが、もし最後まで言っていたなら・・千鶴の気持ちはないがしろにされたままエンドを迎えることにもなったわけです。千鶴のこの雰囲気なら瑠夏が和也とキスしたと知ったらとても素ではいられなかったでしょうね。そんな感じに見えました。
結局、最後は和婆ちゃんに押し切られて婚約指輪を受けてしまいました。瑠夏が知らない中で渡されたこの指輪は今後意味を成すのでしょうか・・