カッコウの許嫁の感想と考察(44話)~もう気付いているんだよね?~
お兄ちゃんあるある話に盛り上がるエリカと幸。お姉ちゃんになるのが早かったのは妹の気持ちがわかるからだと幸に言われたエリカは、自分も幸と同じような感情を兄に持っていたのかも?と口にする。一方、兄がいないことになっている理由を問うためにエリカ父のもとを訪れた凪だったが、エリカの写真を見せられてはぐらかされた挙句、「妹の幸と結婚すればすべて丸く収まる」と意味深は言葉を投げかけられてしまう。そんな凪のもとにひろから2度目のデートのお誘いが入り・・
【感想と考察】
今話の冒頭に描かれたのは小さい頃の凪の兄とエリカの仲良き姿。これを見る限り、間違いなく凪の兄は存在していた模様。ちょっと意地悪だけど優しい・・凪の兄はそんなキャラだったようですね。
お兄ちゃんあるある話を延々と続けるエリカを見て、自分のお姉ちゃんにいち早くなれたのは『妹のアタシの気持ちがわかるから』だったんだねと幸は指摘するわけですが、その言葉を聞いたエリカが口にしたのは次の言葉・・
「幸ちゃんが凪くんに持ってる感情と」
「同じ感情持ってたのかもね!」
27話で「好きじゃない!!まだ!!」と口にしたエリカなので、無意識に恋愛めいた感情を持っていたと想像するのは難くない。言い換えれば凪に兄を重ねていたからこそ意識せずにいられたとも言えますね。徐々に変わりつつありますが・・
一方、兄がいないことになっている理由を確認すべく、エリカ父のもとを訪れた凪ですが、案の定うまくはぐらかされてしまいます。エリカからさんざん聞かされてきましたが、エリカ父は本当に何を考えているかわからない・・手強すぎですね。
問い詰める際は「家族ならエリカさんが探していることもご存じなんですよね?」と二人の関係を探る様子も見せていました。前話でエリカと約束したからこその行動なので当然ではあるのですが、何気にエリカを思う気持ちに溢れたやり取りに見えました。
そんな中、エリカ父が切り出したのは22話で会った幸の事でした。「君と幸ちゃんは随分仲がいいみたい」と口にした挙句、飛び出したのは少々衝撃的な次の言葉・・
「妹の幸ちゃんと結婚すればすべて丸く収まる・・」
エリカ父としてはこれが正に本題だったのでしょう。事前に「もう気付いているんだよね」と念押ししているのを見ると、そう誘導しようとしているとともに凪の反応を確認しているように見えます。
22話を思い返せば幸のことを色々探っていました。「凪くんとエリカはどう見える?」と問うことにより凪に対する感情を把握し、最後は運転手に「カッコウの卵って知ってる?」と質問。要は幸がエリカ父の計画において重要な役割を果たすわけですね。ではエリカ父の衝撃発言はどういう意味なのか・・・
『エリカと結婚する』と『幸と結婚する』の違いは凪がどちらの籍を選ぶかという部分。エリカと結婚するのなら海野家の長男"海野凪”のままでも表面上問題はありません。取り違え子が発覚した以上、双方の合意等のもとに実親の籍に戻すのが筋ですが、現状の凪は"実親と同等の生活実体がある"海野の両親を親として選ぶ考えですしね。
一方、幸と結婚するならば海野家の兄妹のままでは不都合であり、凪は取り違え子として実親である天野家の籍に入ることを了承せざるを得ない。
ではエリカとの間に許嫁関係を結んでいるにもかかわらず、こんな提案をするのはどういうことなのか・・結婚できる歳になってすぐさま凪との許嫁関係を結んだのは幸と結婚させるためだったのでしょうか!?それとも凪に逃げ場をなくすための包囲網なのか!?
凪と幸が結婚するとなると凪はエリカの義弟となる・・そう考えると兄を探しているエリカの気持ちを考えての事とも考えられますが、もしそうだとしてもエリカ父が兄の存在を否定する必要も意味もわからない。
1話で両家の母が「実の子も育ての子も大切」「二人が結婚すれば二人とも自分の子供になる」とだけ話していたことを考えるとこれはエリカ父だけの考えなのでしょうね。少なくとも海野家の両親が同意することはないような気がします。となると凪を試しているという可能性もありますね。
男女間での取り違えだけでなく、取り違え子が起きた事実に両家が和気藹々と対応している様子にも違和感があるわけで、いまだにわからない事ばかりです。
最後はひろからの2度目のデートのお誘いが来たシーンで終了したわけですが、その前に描かれていたのは、ひろが女児2人が持ってきた動物人形を使って凪とエリカたちの取り違え子シミュレーションをする姿でした。凪がエリカではなく幸と結婚しても成立するのか!?と考えていたところを見ると、何かの気付きがあり、凪に確認したくてデートのお誘いをしたという事なのでしょうね。
次号の予告文には「ひろとの恋路はただひたすらに真っ直ぐ長く・・」とあるのでひろとのデートが描かれるのだろうと思いますが、サブタイトルの「近くて遠いもの」を見ると楽しい話ばかりではない感じ。またまた次が楽しみでなりません。