カッコウの許嫁の感想と考察（43話）～だからね あの日・・・～
エリカに見せられた写真により『届けたい人』が自分の実兄であることを知る凪。インスタを頑張っているのは今は”いなかったこと”になっている兄に私のことを見つけてもらうため・・と話すエリカに凪は「探すんだ！！」と協力を申し出る。エリカとの出会いからを振り返り、自分にだけなれなれしい態度をとるのは”許嫁”だからではなく”兄の代用品”だから？とモヤモヤした凪は意を決してエリカ父のもとを訪ねることに・・
【感想と考察】
『届けたい人』について問う凪に対しエリカが提示したのはある一枚の写真でした。前話でエリカ父が"爆弾"と称した写真と同じものだろうと思いますが、エリカやその両親と一緒に写っていたのは幼い頃の凪・・ではなく、エリカの兄で凪の実兄にあたる男の子でした。
これまでの経緯や言動から凪の実兄の存在は何となく想像できたので、予想どおりではあるのですが、個人的にはもう少し歳が離れていると思っていました。凪と出会い一瞬兄と思うもののすぐさま別人と判断しているところを見ると、高校の制服を着るような年齢ではないということなのでしょうね。大学生ぐらいというところでしょうか！？そして今回気になった点は兄の存在を説明する際に使ったこの言葉・・
「お兄ちゃんは”いなかったこと”になっているから」
今は兄が"いない"扱いになっているとなると一体どこに行ったのか！？幼い頃は一緒に過ごしていたわけで、現在エリカが高２と考えると、自分の夢を叶えるために親の意に反した生き方をしているということなのでしょうか！？"いない”扱いとなっているのだから海外留学のような類とも思えませんしね。この物語は写真が重要なテーマ・・と考えるとカメラマンなどを目指して海外に渡っているのかなと個人的には推測しています。
他に考えられるのは、すでに死去しているということでしょうか！？見せた写真が幼い頃のものであること、インスタをあれだけアップしているにもかかわらずエリカに何もコンタクトがないことから考えると可能性はゼロではない。その場合、両親はエリカに嘘を伝えていることになりますが、出会ってすぐに兄じゃないと判別したところを見るとただ現実から目をそらしているとも考えられる・・普段のエリカを見る限りその可能性は低いように感じますが、状況からは死去の可能性もあるように思えます。
エリカ父のこれまでの動向や言動を見ると、凪に固執している様子がうかがえます。その理由はひろが神社の跡取りであることから見ても、会社の後継ぎというところなのでしょうが、エリカの『届けたい人』が判明しても『取り違え子』の真相は全く想像できません。
兄は実の両親の元にいた事を考えると、兄を後継ぎとして予定していたが、何らかの理由で叶わなくなり、急遽、凪を取り戻そうとしている・・そういう風な構図なのですが、エリカ父の言動からは意図して取り違えたようにも見え意味が分かりません。
ただ骨肉の争いになるとは思えないので、後継ぎではなくエリカのために凪に固執しているという見方が正しいのかもしれませんね。この辺りは次話で少し見えてくるのかもしれません。
エリカに凪の実兄にあたる義兄がいたという事から過去の話を振り返るといくらか見えてくることがあります。
兄と凪がそっくりだとすると、エリカは凪に兄の面影を重ねていたのでは？と見て取れます。だからこそ幸の気持ちがわかるし、「結婚する気はない」と言ってひろとの進展を応援する・・「好きじゃない！！まだ！！」と言ったわけもわかりますね。扱いが違うと嫉妬めいた態度をするのも同じ理由だと感じます。
一方、歩道橋で初めて会った時は「お兄ちゃんが来たのかと思った」と話していましたが、その後のデートでは兄を重ねているようには見えませんでした。態度や言動を見る限り、あくまで初見で「兄にそっくりな人だな！」という印象だったのでしょうね。この時は自分に『許嫁』がいることは聞いていたけど、『取り違え子』であることは知らされていなかったようですしね。
ただ惹かれるのはわかるとしても初対面で兄にそっくりな人を恋人に仕立てようとするエリカの気持ちはどうだったのでしょう。兄とそっくりだからこそ父も信じてくれるとでも思ったのでしょうか！？なんとなくですがしっくりこない感じがします。
さて今回登場した写真ですが、前話で登場したものと同じとした場合、ひろはエリカの隣にいる男の子を見て不思議に思ったということなのでしょうね。双方の両親とも面識がないひろがおかしいと思えるのは、エリカの横にいる男の子は凪ではないとわかった場合。外見の違いはわずかな髪形の違いだけのようで、凪を事をよく見ている証拠とも言えそうです。
ちなみに今回、凪の実兄の存在が明らかになったことで、ひろの許嫁は凪の実兄！？という可能性も一部で取り沙汰されていました。ただそこまで相関関係があるとちょっと複雑すぎるし、親同士が決める『許嫁』の片方が『いない存在』となっているというのはあり得ないでしょう。もしそうだとしたら、エリカもひろも凪の実兄にしばられているということになり面白いですが、可能性は限りなく低いと思います。
兄に私のことを見つけてもらうためにインスタを頑張っていると話すも「どうせ見つかるわけないのに・・」と零すエリカ。そんなエリカを見て「探すんだ！！」と協力を申し出た凪ですが、その後はモヤモヤ感に包まれることとなりました。エリカとの出会いからこれまでを振り返り、自分にだけになれなれしい態度をとるのは『許嫁』だからではなく『兄貴の代用品』だったからという思考に至ったところを見ると、腹が立つというより嫉妬心から悔しいといった感じ。結果、エリカ父のもとへ足を運ぶことと相成りました。
次号予告文には「エリカ＆幸の”お兄ちゃんあるある”にほっこり」とあるので２か所での出来事が描かれそう。ただサブタイトルは「君は気付いているんだよね？」なのでエリカの知らない新しい事実が出てくる可能性もありますね。果たして二人は何を語るのか！？次回も楽しみです！！
