カッコウの許嫁の感想と考察(42話)~その人は誰・・・?~
合宿を抜け出してまで幸のもとに駆け付けたことに自問自答する凪。そんな自分を冷やかそうともしないエリカを見て彼女のことを何も知らないと気づいた凪はエリカのいるプールへ向かう。以前話していた”届けたい人"とは誰か「教えてほしい」話す凪・・そんな凪に「覚悟ができたってことでいいんだよね・・?」とエリカは覚悟を問いかける。一方、シオンの協力関係の問いに「考えておく」と答えたひろは、別荘の応接間で見たエリカたちの写真にある疑念を抱き・・
【感想と考察】
楽しみにしていた天体観測を放り出し、幸が入院した病院に駆け付ける凪が描かれた前回でしたが、今回は皆に黙って合宿を抜け出し幸のもとに向かったことに自問自答する・・そんな凪の様子から始まりました。
「その人は誰なの」という予告文から、新たな話になるのだろうと思っていたので個人的にはまさかの展開・・家族だから当たり前で済むところを「違うのか・・?」と自問自答するのだから幸のことをかなり意識しているわけですね~
そんな行動をしたことに悪いと思ったのか、帰ってきたエリカに下手に出る凪。顛末を話せば”シスコン”扱いされると思い警戒するわけですが、エリカから返ってきた言葉は思いもかけないものでした・・
「気がついたら動き出しているような人がいる」
「それって素敵なことだと思うよ・・!」
本当に目がテンになるようなエリカの言葉・・実感がこもっていますね!こんな言葉を口にしたのは大きな意味があるのだと感じます。そのことは後で触れようと思います。
その言葉を聞いたことでエリカのことを何も知らないことに気づく凪・・今さら!?という感じですが、凪が好きなのはひろ・・エリカはあくまで親が決めた許嫁であり、シェアハウスの同居人のような接し方でしたからね。「帰ってきてから様子がおかしい」と凪は感じたようですが、自分が言った言葉にエリカは何か思うことがあったのでしょうか!?
そう思った凪はさっそくエリカのもとに向かい、エリカが以前話した『届けたい人』について「教えてほしいんだ」「その人は誰・・?」と問いかけました。
15話の鎌倉遠足でも一度確認し、「聞いたら運命変わっちゃうかもよ・・?」と言われてしまったわけですが、この時は結局、「自分の好奇心だけで首を突っ込んで受け取る覚悟もないまま進みたくない」「だから俺の覚悟が出来たら教えてほしい・・!」として一時保留としていました。だからこそエリカが返した言葉は・・
「遅いのよ ばか・・・!」
「覚悟ができたってことでいいんだよね・・?」
真剣な表情で語る姿や最後のコマの「動き出した運命の歯車は もう止められない」という文言からは事の重大さを感じます。それは『届けたい人』の正体なのか、それとも『取り違え子』に関する真実なのか・・・
エリカ父のこれまでの言動や行動を考えると『取り違え子』についても単純なものではないことは明白。そのためにはまず『届けたい人』の正体を見極めることが必要なのでしょうね。それさえわかれば『取り違え子』の真実が少し見えてくるのかもしれません。
その「届けたい人」に関連するであろう物が今回ひとつ提示されていました。それは別荘の応接間に置いてあったある写真・・
エリカやエリカ父とともにある人物が写っているわけですが、この人がエリカの『届けたい人』なのでしょうね。関係ない可能性もありますが、この流れならその可能性のほうが高いように思えます。
写真からわかるのは、エリカ父と変わらないほどの背丈、若い感じだがエリカよりはかなり年上・・というところでしょうか!?もしかしたらエリカの左横にもう一人同年代の子がいるのかもしれませんね。
エリカの「届けたい人」についてはこれまでの考察で次の2つの可能性を述べました。
① 凪本人
② 凪の実兄
凪の運命が変わるような存在なので、単なる近所の幼なじみではないことは確か。エリカの家に雇われていただけの人も運命が変わる存在とはなりえないでしょう。
「やっぱり凪くんが撮った写真が一番よく撮れている気がする・・!」「この夏は一生忘れないと思う・・!!」発言や、ひろとデートする様子に嫉妬心を表した姿、そして今話での「遅いのよ ばか・・!」という反応を見ると凪本人の可能性が浮かび上がります。ラブコメ定番の展開ですね。
ただそうなるといくつか腑に落ちない点があります。1話での出会いもそうですが、3話で「有名になればいつか届くかな・・って」「どうしても届けたい人がいるんだ・・!」と語ったエリカを見ると凪本人のことを言っているとは到底思えません。後に教えられたり気付いたりしたのかもしれませんが、その後もひろとの恋路を応援し「凪君と出会って毎日がすごく楽しい」「出会えてよかった」など『出会う』という言葉を使う姿からは以前会ったという感じはしませんしね。
そして何より違和感を覚えるのは、今回、ひろが写真を見て口にした次の言葉・・
「応接間で見つけた写真は何だったんだろう・・?」
注目は「何だったんだろう?」と言った点。もしここに幼い頃の凪が写っていたとしても、二人は許嫁と知っているひろがおかしく思う点はない。『最近知った事実』とは聞きましたが、だからといって『昔会って写真を撮っていたのはおかしい』とはならないでしょう。
こう考えると凪とは違う人物がそこに写っていたとみるのが妥当のように感じます。そしてその人物に凪に似た面影があるとしたら・・ひろが???と思っても不思議ではない気がします。
ひろとのデートを見て嫉妬心を表した際の「好きじゃない まだ!!」を見ても届けたい人が凪本人とは思えないのが正直なところ・・冒頭にエリカが口にした「気がついたら動き出しているような人がいる」「それって素敵なことだと思うよ・・!」という言葉を見ても、エリカにもそのような存在がいたのでは!?と思えます。
幸が初めて二人の住む家に訪れた8話で「私はひとりだから・・」と話していたことからひとりっ子のようにも見えましたが、何らかの理由で今は近くにいなくなっただけで過去に兄がいたとしても何らおかしくはない。①②の両睨みにはなりますが、個人的には凪の実兄であるほうが展開的に面白いかな!?と感じます。
ちなみにひろが目にした写真はエリカ父が意図して置いていた模様。「爆弾を仕掛けておいたんだ」と話していたのは凪に見せたかったという事なのでしょうか!?ひろとも関連があったら個人的には面白いと思いますが、そこまでは考えすぎでしょうね。とりあえず今回、エリカの「届けたい人」を凪が知ろうとしたことはエリカ父の思うツボだったということなのでしょう・・
「俺の覚悟が出来たら教えてほしい!」という凪の言葉をすんなり了承したのに「遅いのよ ばか・・!」と言ったエリカの気持ちをどうとらえるべきか・・次号予告文を見ると「エリカのために凪が学年2位の頭脳をフル回転!!」とあるので何かしらエリカに懸念することがあり凪が手助けするのは確か。重大局面ともいえる内容に次号も目が離せません!!