カッコウの許嫁の感想と考察（33話）～この夏は一生忘れない！！～
両親や幸の勧めによりエリカと二人で祭りを回ることになった凪。「お祭りって初めて！」「幸ちゃんの分まで楽しむ」と張り切るエリカのお嬢様ぶりに振り回される凪だったが、いつもと違う夏と語るエリカに「今の方が楽しい！」「この夏は一生忘れないと思う！」と告げられる。理由を問いかけようとする凪の言葉をかき消す大花火・・そんな中、仕事が終わり二人を探してやって来たひろに「２人ってどういう関係なの？」と問いかけられ・・
【感想と考察】
エリカからも幸を"妹"と紹介され、ひろが困惑した表情を見せるところで終わった前回。今回はその続きから始まるのか思いきや、凪とエリカが二人で祭りを回る様子がメインに描かれました。とうとう「許嫁」や「同居」のことがひろにバレるのか！？と期待したわけですが、肩透かしを食らう形となりました。
二人が祭りを回る様子はエリカのお嬢様ぶりを描いたものばかりなので特に思うことはなかったのですが、時折登場するエリカ親衛隊から逃げた先の歩道橋でエリカはこう口にします。
「この夏は一生忘れないと思う・・！！」
「ググったこと 全部経験しちゃったし・・」「まさに夏ってカンジ」という言葉を見ると庶民的な夏の過ごし方を経験したことがとても楽しかったという感じ。ただかなり大げさな表現ではありますね。来年はこんな過ごし方はできないということなのでしょうか！？
いつもの夏に比べたらだいぶショボいのでは？と凪に問われ、毎年夏は海外で過ごしていたとセレブぶりを披露するも、続いた言葉は・・
「でもね 今の方が楽しい・・！」
24話の停電時にも「私は毎日がすごく楽しいから」と凪と出会ってからのことを評しましたが、今回も同様な言葉・・読者から見ても凪と気が合っているのは明らかなエリカなので楽しいと思うこと自体に違和感はないのですが、何回も言われると色々と勘繰ってしまいます。そんなに実家に居るのが楽しくなかったのかと・・
その理由はこれまでのエリカの言葉を見る限り、エリカ父とそりが合わないからなのでしょう。そのエリカ父は凪に固執している印象があるので、エリカに対する接し方がドライで愛情を感じない部分が多々あるのかもですね。
27話ではひろに見せるような笑顔を自分見せないことにエリカは怒っていましたが、大事な人の愛情が自分に向けられないことが怖いといったことが無意識にあるのかもしれません。凪はなんだかんだ言っても向き合って対応してくれますからね！！
一方、凪は「今の方が楽しい・・！」と聞いてその理由を問いかけようとしていました。大花火の音にかき消された形になりましたが、「それって つまり・・」という言葉を見ると27話で「俺の事が好きなのでは？」と感じた事を引きずっているよう。凪の方はかなり意識している感じです。
そんな二人の祭りを演出したのは凪の両親と幸でした。両親の勧めもあって幸は遠慮した形だったのでしょうが、花火を見上げた幸が「お兄とエリカちゃんも観てるのかな・・」に続いて思った言葉は・・
「私じゃ ダメなのかな・・」
前回は友達相手にブラコンぶりを発揮し冷やかされていた幸ですが、この言葉はあまりにも本気な言葉。凪に「ひとりの女性としてちゃんと見ようと思う」と言われた幸ですが、血の繋がりはなくとも『妹』には変わりがないわけで、この言葉にはとても胸が詰まりました。
さて仕事を終えて二人を探してやってきたひろ。「一緒に花火を観よう！」との誘いを「待って！先に聞きたいことがあるの・・」と遮り、口にしたのは二人とも幸を”妹”と紹介したことに対しての問い・・
「２人って どういう関係なの・・？」
この問いに対する答えも今回描かれると思っていたのですが、実際はそこまで至りませんでした。今話は単行本の巻末を意識しての内容だったと思いますが、前回の終わり方を見ると計算間違いでもしていてちょっと話を伸ばしたのか？という感じさえ受けますね。
前回からの続きならばエリカ＆幸に対しての問いでしたが、今回その対象がエリカ＆凪に変わりました。前回、ひろに敵対心がある幸がそばに居るなら「二人は許嫁で同居している」と口にしてもおかしくはないと考察しましたが、エリカ＆凪ならお互いに察して「許嫁」も「同居」も言わずに済ませられる可能性はあります。
ただどちらも"妹"と紹介したのだから、まずは凪とエリカは兄妹（姉弟）と思うのが普通。姓が違うことに何か複雑な事情がある？と勘繰るでしょう。”ひろの疑問も大爆発！？と書かれた次号予告を見ると事情を察しそれ以上は全く聞かないということはないような気がします。誤魔化すとしたら「妹分的な・・」で白状するとしたら「許嫁」まででしょうかね！？
