カッコウの許嫁の感想と考察（30話）～なかなかうまくいかないねぇ～

f:id:kitchan42:20200902113443j:plain — カッコウの許嫁 30羽目より

学年13位という成績に落ち込むもエリカの言葉に元気を取り戻した凪。改めてひろに宣戦布告すべく学校へ向かうが、エリカの名を出し「気持ちを切り換えようと思って」と話す凪にひろは素っ気ない態度を見せ、手紙を使って放課後の体育館裏に凪を呼び出す。言い訳しつつも改めて宣戦布告する凪・・そんな凪を見たひろは「元気付けるのは私だと思ってたんだけどな・・」と悔しい気持ちを口にする。ひろの言葉に元気をもらった凪は勉強に勤しむが、そんな中、追試の結果次第で実家に帰らなくてはいけないから「勉強を教えて欲しい」とエリカに頼まれてしまう。

【感想と考察】
前回は学年13位という順位に落ち込む凪に対し、エリカは「順位ぐらいで凪の価値は変わらない」と声をかけ叱咤激励していましたが、今回はエリカの言葉により生まれ変わった凪が改めてひろに宣戦布告する様子が描かれました。

朝からシャワーを浴び真っ裸の凪をエリカが見てしまう・・というコテコテの同棲ネタから始まり、朝イチでひろに心境を話すわけですが、その話を聞いたひろは素っ気ない反応を見せ、さっさとその場を去ってしまいました。

ひろに呼び出され向かった放課後の体育館裏・・そこで凪は言い訳を交え期待に応えたいと決意を述べますが、そんな凪を見たひろはがっかりしたことを認めつつ、こう続けました。

「いちばん理解できるのはライバルの私だと思ってた」
「なのに今朝は元気になってたからさ」
「でもエリカちゃんなんだね」

つまり、朝イチで凪が話した「気持ち切り換えようと思って・・天野さんに言われちゃってさ」と言う言葉が引っ掛かり、素っ気ない態度をとったわけです。「おはよう」と声をかけてすぐに「なんか元気そうだね？」と聞いているところを見ると、ひろなりに心配し、元気付けるためにどう接するべきかと考えていたのでしょう。なのにあっさりと元気を取り戻し、その原因はエリカの言葉にあった・・ひろはその役目は自分だと思っていたようでこうつぶやきます。

「海野君を元気付けるのは私だと思ってたんだけどな！！」

自分に好意を示してきた相手が自分の友達の言葉であっさりと立ち直ったのだからひろとしては面白くない話・・二人が仲が良いことは知っていても、同居していることまでは知らないのだから何故？？と思うのが当然ですが、15話ではエリカの方ばかり見ている凪に「そんなにあの２人が気になる？」と声をかけたことがありました。凪自身は気付いていないエリカへの気持ちに薄々気付いているのかもですね。「なかなかうまくいかないねぇ」と言葉にしたのもエリカの存在を意識してのものであり、負けず嫌いなひろの気持ちは着実に凪に向いてきているようです。

それにしても今回のひろの言葉は好きな相手であればとても嬉しく可愛いと思える言葉でした。凪は改めてハートを鷲づかみにされた感じでしょう。ただこの言葉は見方を変えればエリカへの宣戦布告とも取れるもの・・最近仲良い姿が描かれない二人ですが、今後ライバルとして駆け引きするような展開になるのでしょうかね・・

f:id:kitchan42:20200902113900j:plain — カッコウの許嫁 30羽目より

結果的にはひろの言葉を引き出すことができた凪ですが、好きな相手に「天野さんに言われちゃってさ」・・と話したり、ひろに素っ気ない態度を取られエリカに相談したり・・と言動や行動はおかしなところばかり。

凪から相談を受けエリカはからかうような言葉で対応していましたが、ひろとデートしていたことに嫉妬めいた発言をし、結婚相手としても頭に浮かべた相手に相談しているのだから傍から見れば不可解なこと。エリカの気持ちは今のところ一段落したのでしょうが、今後もこのような行動を続けることで新たな火種となっていくのでしょうね。

ただ凪がひろをどう見ているのかといえば・・今回のやり取りを見ても最終ページにあった"憧れの人"というのが適切な感じ。勉強を含めすべてで自分より上の存在であるひろは文字どおり"憧れの存在"であり、その気持ちを恋愛感情と勘違いしている風にも見えます。ひろが求めているものを凪がどこまで理解できているのか・・そこがポイントになってくるのでしょうね。