五つ葉のクローバーの超主観的考察

~恋愛マンガの名作「めぞん一刻」を皮切りにラブコメ漫画の気になった点を超わがままに考察しています!~

カッコウの許嫁の感想と考察(63話)~二度と話しかけないで・・・!!~

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カッコウの許嫁 63羽目より

全国高校入試模試で後塵を拝した瀬川ひろと出会った目黒川高校1年時。中間テストも負け「次こそ俺が勝つ」と意気込む凪だったが、期末テストの結果はひろは満点の1位で凪は2位。いつも”ひとり”で話しかけにくいひろを同族と感じ、一層勝ちたい気持ちを強くする凪。迎えた休み明けテスト当日、お腹を下して保健室で寝込んでしまった凪は、同じく高熱で休んでいたひろから1位への執念の言葉を聞いてしまう。勝てるはずがないと思ったことをひろに話す凪・・そんな凪にひろは「二度と話しかけないで!!」と睨むが、この日を境にひろは明るくイメチェンして・・

 

【感想と考察】
ひろの誘拐とかけ落ちはいったん置き、予告どおりに凪とひろの目黒川高校での出会いが描かれた今話。そこに居たのはまるで前作「山田くんと7人の魔女」の”白石うらら"のようなひろの姿。今では学園一の人気者で勉強も運動も完璧なひろですが、1年の夏休み明けまで凪と同じく「ぼっち」だったとは驚きました。驚いた理由は1話の凪の宣戦布告でのやり取りで「えっと 誰でしたっけ?」と答えるひろを見ていたから。

1学期の中間テスト、期末テストとも満点だったようなので、勝つことさえ叶わない”神”のような存在。凪は同族と感じ親近感を持つものの、接触を図ろうとまではしなかったようですが、お腹を下し保健室で寝ていた際に、同じく高熱で休んでいたひろの1位への執念の言葉を聞いたことが接触するきっかけとなった模様。「テストを受けなきゃ 1位は取れない」という言葉に凪はひろの努力と思いの強さを感じ取り「勝てるはずがない」と思ったとのことですが、何かピンときませんね~

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カッコウの許嫁 63羽目より

今を見る限り、凪も同じような努力ができるわけで、ひろの言葉に感化されただけとは思えないのが正直なところ。どちらかというと同族という部分で親近感が沸いていたことが大きな理由だったように思えます。

夏休み明けテスト後、ひろに接触を図った凪は感じたことを率直に話し、あきらめに似た言葉を口にしますが、ひろは「知ってたの?」と口にし、凪の「テストの日 保健室で・・」という言葉を聞いた後に顔を紅潮させていました。そして睨むような眼で口にした言葉は・・

「二度と話しかけないで・・・!!」

恥ずかしそうな顔をした挙句なので、誰にも見せなかった弱い姿を見られ、バラされたくない思いからそのように言ったと見えますが、翌日、髪を切るなどしてイメチェンしてきたひろを見ると本当にそうなのか!?と思ってしまいます。ちょっと1話から見返してみると・・

(4話)
休み明けテスト1位の凪を、法事で学校を休み試験を受けられなかったという理由があるにもかかわらず屋上に呼び出し「あなたには 絶対負けない」と宣言。

(6話)
実力テストでは凪に敗北・・凪を屋上に呼び出して1位を取りたい理由を聞くとともに、「勝つのは自分」「許嫁がいる」ことを告げ、「誰ともお付き合いはできない」と宣言。

(9話)
凪の事を調べたとしてHRまで一緒に図書室で勉強。「これからも一緒に朝活できるかな・・?」と凪を誘う。

(13話)
凪とエリカを自宅の神社に誘い、後継ぎであることを認識させるとともに「海野君なら背負ってくれそう」と話す。

ひろが凪という存在を認識したのは凪が接触してきたこの時で間違いなし。他人に初めて興味を持った瞬間ともいえるでしょう。その後、高2になり宣戦布告をしてきた事がきっかけで凪の事を見定め始めたように見えます。ただ宣戦布告時のひろを見て思うのは、凪を避けようとしていた感じではないという事。どちらかというと凪が動くのを待っていたようにも思えます。

家出したひろを連れ戻しに来たという段階でこの過去話を挟む理由を考えると、「二度と話しかけないで・・!!」と言ったのは、凪が降参しあきらめの言葉を口にしたことが許せなかったからであり、翌日、リセットしたかのようにイメチェンしてきたのは更に進化する自分を凪に見せつけたかったから・・のような気がします。

もうひとつ考えられるのは、凪と接触した日に親から許嫁の存在を知らされたという可能性。接触を図って来た凪を試し助けを乞うた結果、好意を持つようになったという流れなので、運命を変えるためにイメチェンしたとしてもおかしくはない。パートナーだけは自分で選びたいという気持ちもあって、モテる自分に変わることにより異性に撒き餌していたのかもしれません。

 

凪の独白によると、ひろを好きになったのはイメチェンした姿を見たこの瞬間だったとの事。「だったと思う」という不確定な言い方ですが、要は凪も後ろ向きではなく前向きな印象を受けたという事・・後ろ向きな姿を見て好意を抱くなんてありえませんからね。「ひろが好き!」と公言しているものの、実際は憧れの感情に近いものを感じる凪なので一層そう思います。

 

ひろに勝ちたいとこれまで以上に勉強に勤しむ凪に幸は不満げな言葉と態度を示していました。この頃の部屋はまだ襖で仕切られているので、後に幸が暴れるなどして破ったという事でしょうか!?凪の”お兄"呼びもこの時が初めてだった模様で多感な時期に入っての呼び方の変化だったんですね。幸なりに気持ちの自制を図るためのものなのかもしれません。 

 

次号予告文には「駆け落ちの行方は・・・!」との文字・・62話の続きが描かれそうですね。個人的には凪の勘違いや思い込みがあると見ており駆け落ちには至らないと思っていますが、今回の過去話が話の展開に大きく影響してくるのかは興味があるところ。次号も楽しみです!!

 

※本記事にて掲載されている画像は「カッコウの許嫁/吉河美希週刊少年マガジン」より引用しております。