五つ葉のクローバーの超主観的考察

~恋愛マンガの名作「めぞん一刻」を皮切りにラブコメ漫画の気になった点を超わがままに考察しています!~

カッコウの許嫁の感想と考察(64話)~”あの時"のこと覚えてる?~

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カッコウの許嫁 64羽目より

ひろの手を取り駆け落ちを図った凪だったが、所持金が千円しかなくとりあえず腹ごしらえをすることに。「もしかしたら海野君がまた助けに来てくれるんじゃないかって思ってたんだ」という言葉を発端にひろがイメチェンを図った時のことを語りだす二人。1位にこだわるのは「許嫁を振り払うため」と共に「誰も寄せ付けないため」と聞き落ち込む凪だったが、それでも凪はやって来てくれた・・とひろは話し「あの日からすでに私の運命変わってたのかもね」と告げる。そんな中、突如現れたエリカに二人はひろの家に連れ帰られて・・

 

【感想と考察】
凪とひろとの高校での出会いが描かれた前回でしたが、今回は手を取り駆け落ちを図る二人の様子がメインに描かれていました。後継ぎとして生まれたひろの苦悩を感じるものでしたが、最後はエリカが許嫁として凪に謝らせるという思いもかけない展開でした。

二人がまず向かったのはバス停でしたが、所持金が二人で千円しかなくハンバーガーで腹ごしらえすることに・・お約束の間接キスで一人盛り上がる凪ですが、そんな中ひろが口にしたのは「もしかしたら海野君がまた助けに来てくれるんじゃないかって思ってたんだ」という言葉。『また』という言葉に凪への信頼が伺えますが、ちょくちょくこのような言葉を口にするひろなので真意は測りかねるところ。

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カッコウの許嫁 64羽目より

ただこの言葉をきっかけにひろがイメチェンを図った時に話が及びます。二人がまず交わした言葉は・・

「瀬川さんは”あの時”のこと覚えてる?」
「うん 覚えてるよ」
「じゃあ あの時変わったのはやっぱり俺のせい?」

前話でわざわざ過去の出会いを描いた理由は、この会話をさせるためだったんですね。そしてここからはひろの1位にこだわる理由と考えが語られました。理由は次の二つ・・

① 許嫁を振り払うため

② 許嫁がいる自分に誰も寄せ付けないため

「許嫁がいることが気に食わない」と話していましたが、①の前提にあるのは「許嫁の力を借りずとも神社は私の手で守ってみせる」という考え。女性神職として自ら奉職しようとしているということでしょうか!!その事を親にわからせるために1位にこだわっていたわけですね。

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カッコウの許嫁 64羽目より

そんな時に凪が現れ、②の考えに至ったようですが、ただその理由は自分の邪魔をする目障りな存在・・などというものではなく「いずれお別れが来る」「そんなの辛すぎる」というものでした。①は難しいと感じていたのでしょうね。

凪みたいな人が寄って来ないようにするために勉強だけでなく、おしゃれも運動も人付き合いも全部1位を取ろうと考えた・・というのだから恐るべし!!凪が降参とあきらめの言葉を口にしたことが許せなかったのかはわかりませんが、ひろに進化を促す触媒となったのは間違いないようです。

ただ「二度と話しかけないで!!」という言葉を凪にかけたのに、人付き合いでも1位を目指すというのは矛盾を感じるところ。結果、計らずも人が寄ってくるようになって学校が楽しくなった・・と話していたので、この時はそこまで考えが至っていなかったのでしょうね。

ただこれだけ聡いひろなら凪がきっかけをくれた事に早々に気づけたはず。凪の宣戦布告を聞いた際の反応やその後の行動を見ると、かなり凪の事を意識し見定めようとしていたように思えます。凪が関わって来た事を嬉しく思ったのは間違いないし、そんな気持ちになったからこそ、運命を託すような意味深な言葉を投げかけ続けた・・「あの日からすでに私の運命は変わっていたのかも」発言はずっと思っていた気持ちの照れ隠しなのだと感じます。

 

そんな二人の前に突如現れたエリカ!”青春警察”と称しての登場は如何にもエリカらしいですね。ただそのエリカは「いいから2人とも カモーン!」とひろの実家”目黒明神"に二人を連れ帰っていました。

これを見る限り、エリカとひろ母が何らかの話し合いをした上で連れ戻した感じ。62話の考察でひろの所在は事前に把握していたと書きましたが、ひろ母側からエリカにコンタクトを取ったという事なのでしょうね・・エリカ父が絡んでいる可能性もありますがね。

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カッコウの許嫁 64羽目より

応接間ではひろ、ひろ母と共に凪とエリカが並んで座卓を囲んでいました。凪の頭を下げさせエリカが口にしたのは・・

「私がこの人の許嫁です」
「この度はうちの許嫁が大変失礼致しました!!」

よく呑み込めない事態・・エリカはどのようにして事態の収拾を図ろうとしているのでしょう!?凪の許嫁は自分と名乗ることで凪との関係をどうしたいのか・・解消しようと考えているのか?それとも継続したいと考えているのか?

ただわかるのは凪が何か失礼なことをしてしまったという事。その事はひろの手を引いて逃げたという事以外にないわけですが、その行動の何が失礼だったのか!?

許嫁に会いたくないひろを連れ出しただけなら、エリカがひろ母の話を聞き入れて連れ戻そうとするはずもなし。一旦引き留めたものの、最後は凪の背中を押したわけですからね。許嫁として凪に頭を下げさせる必要もないでしょう。考えられるのは想像していたようなイベントではなかったという事。

許嫁との顔合わせをドタキャンする事も相手に失礼ですが、連れ戻した当日、それも直後に顔合わせなんて普通はあり得ない事。そう考えると改めて時間を取って行えるものではないのかもしれませんね。やっぱり法事・法要みたいなものだったのか・・

 

次号予告は「皆で駆け落ち反省会!」なので、座卓を囲んでの会話になりそうですね。反省会なので許嫁が登場する事もないのでしょう。ひろ父の存在が未だ見えてきませんが、おそらくこの4人の会話になるのでしょうね。個人的にはエリカ父の登場も期待したいところですが!!

茶をいただく母をみつめるひろを見ると、凪が連れ出す前以上の情報は知らない様子。先に述べたように誤解も入り混じっているようなので、明らかになる事がたくさんありそうですが、一番に気になる許嫁の正体については微妙なところ。

これまでの登場人物に居るのなら宗助の可能性が最も高いと思いますが、その宗助はエリカによると行方不明な存在。エリカ父は存在を否定しているわけで存命なのかさえわからないのが実情ですからね。ただひろの家出のきっかけとなったのは「明日許嫁が会いに来る」と聞いたからなので、すでに亡くなっているとは考えにくいのは確か・・エリカが態度を変えたのを見るとひろの許嫁に関して何か知った可能性がありますが、読者に明らかになるのはまだまだ時期尚早な気がします。

13話では警戒するような態度をとっていたひろ母が、凪にどう対応するのかも見もの。今話で述べられたひろの考えに母がどう反応するのかも興味があるところ・・何気に次回は見どころ一杯の予感です。

 

※本記事にて掲載されている画像は「カッコウの許嫁/吉河美希週刊少年マガジン」より引用しております。