五つ葉のクローバーの超主観的考察

~恋愛マンガの名作「めぞん一刻」を皮切りにラブコメ漫画の気になった点を超わがままに考察しています!~

カッコウの許嫁の感想と考察(24話)~さっきのはなかったことにしてくれ・・・~

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カッコウの許嫁 24羽目より

雷が落ち抱きついてしまったエリカと凪。停電し真っ暗な状況にエリカのスマホライトを使って凪のスマホを取りに向かう二人だったが、双方のスマホともあえなく電池切れ。結局アロマキャンドルを灯すことで二人は落ち着きを取り戻すが、そんな中、エリカは「ここで暮らしている毎日がすごく楽しい」と凪に話す。その後エリカから防災キットの備えがあることを聞かされた凪は玄関のクロークに向かうが、実家から戻って来ていた幸とぶつかり誤ってキスしてしまう。

 

【感想と考察】
前回は母の日を題材に母に会いに行くエリカと母へのプレゼントを買いに出かける凪と幸が描かれていましたが、今回は一転、ラブコメ展開満載の回でした。

幸が荷物を取りに実家に戻り、家には凪とエリカの二人きりという状況から始まった今回。洗濯物をたたむ凪は日常ですが、驚いたのは洗濯しようとしているエリカ。あまり家事をするシーンはなかったエリカですが、徐々にやろうとはしているのでしょうか!?恐らく洗濯物を凪に洗ってもらうのはさすがに気が引けるという所なのでしょうね・・

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カッコウの許嫁 24羽目より

そんな中、雷が落ちて停電し、驚いた二人は抱きついてしまいます。何ともラブコメな展開ですね。その後の態度から見てエリカはあまり暗闇が得意ではない模様。停電=火星人襲来という知識はどこから得たのか知りませんが、これは凪に怖がっていることを悟られないようにするためだったのでしょうか!?

スマホのライトを頼りに二人は凪の部屋に向かおうとするわけですが、”エリカのスマホを凪が持って照らし、エリカは凪の前を歩く"という意味不明な行動をしているところからもエリカがテンパっているのはよくわかります。まあパンチラというサービスシーンも兼ねていたのでしょうが・・

これまで凪に対し友達感や信頼感を強く出していたエリカですが、洗濯の件を含め、凪を男として見ている部分が少しだけ垣間見えたように思います。

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カッコウの許嫁 24羽目より

結局、双方のスマホとも電池切れになり、エリカの持っていたアロマキャンドルを灯して一段落の二人。そんなドタバタ劇に対しエリカは「たまにはこういうのもいい」と語り「貧乏な家のクリスマスみたい!」と表現。その後「ここで暮らしててどうなの?」「私と出会ってからどう?」と凪に問うわけですが、エリカが本当に伝えたかったのは次の言葉・・

「私は毎日がすごく楽しいから!」

天野家の家庭内事情はこれまで色々と描かれてきたわけですが、それと同時にエリカが海野家の家庭の雰囲気に憧れを持っているように見えました。天野家で停電しても何も慌てることはないわけで、だからこそ、このドタバタ劇に家族の絆のようなものを感じ取り、こんな言葉を口にしたと感じます。

もう一つ感じるのは、凪との出会いをとても感謝しているということ。すべてが凪を起点として繋がっていることをエリカはきちんと認識している風に見えます。この感謝の想いが何をきっかけに恋心と発展するのでしょうね・・

そんなドタバタ劇を演出した凪はと言うと・・なんだかんだでエリカを異性として意識しているし、そんなエリカと一緒に居ることを悪くないと思っているよう。これまでも何かと惹かれるシーンが出てきているので今更ではありますが、ひろを好きと公言している手前、エリカを「ひろの友達」&「幸の実の姉」という扱いをせざるを得ない。言うなれば大事な人として扱わなきゃという感じでしょうか・・そんな気持ちが滲み出ている感じがします。

防災キットがあったことをエリカが思い出し、凪は玄関クロークに向かうわけですが、そこで展開されたのは、床が濡れていたことに「雨漏りか?」と慌てる凪と実家への荷物取りから戻って来た幸との不意の壁ドンキスでした。

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カッコウの許嫁 24羽目より

今回はエリカが主役と思って読んでいたわけですが、ここで主役は交替・・エリカと思って焦る凪でしたが、直後に電気がつき相手が幸とわかるとなんともデリカシーのない言葉を口にします。

「アセッたー 天野さんかと思ったわ」

その言葉に幸は「な・・何その言い方!!」と怒りを露わにしますが、凪は幸の自分への想いを知らないのでいつものように妹として扱い、「そういう訳だから無かったことでよろしくな!」と一蹴します。このシーンの凪はエリカ父がオーバーラップしますね・・自分本位で物事を考える部分はやっぱり似ている感じがします。

そんな凪に幸は力なく座り込み「無かったことになんて・・できないよ・・!!」と口にします。暗闇で誤ってしてまったことは十分理解しているでしょうが、好きな兄とキスしたのだから嬉しさで心臓がバクバクするのは当然・・ですがそんな兄にこんな風に言われたらガッカリ感も半端ない。

前回の「妹扱いしないでよ」と独白したシーンと似た感情ではあるのですが、今回はまったく異性として見られていない扱いなので感情的に後を引きそうな感じです。
次号予告に「凪の爆弾発言に幸は・・」とありましたが、また凪が幸の気持ちを逆なでするようなことを言ってしまうのでしょうか!?幸の心情に焦点を当てる回が続いていることは嬉しくもありますが、結ばれることのない恋だからこそ今掘り下げている感を強く感じる今日この頃です。

 

※本記事にて掲載されている画像は「カッコウの許嫁/吉河美希週刊少年マガジン」より引用しております。