五つ葉のクローバーの超主観的考察

~恋愛マンガの名作「めぞん一刻」を皮切りにラブコメ漫画の気になった点を超わがままに考察しています!~

カッコウの許嫁の感想と考察(23話)~妹扱いしないでよ~

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カッコウの許嫁 23羽目より

「母の日だから」と母との食事に向かうエリカ。その言葉を聞いた幸は一緒に母の日のプレゼントを決めるべく凪を買い物に誘う。母に相応しいものをなかなか見つけきれない二人だったが、小さい頃の記憶をなぞる中、部屋に飾ってあった二人が描いた母の絵からエプロンにすることを決定。幸の観察眼を褒め「さすが俺の妹!」と頭をなでる凪だったが、その言葉に幸は「妹扱いしないでよ」と一人つぶやく。

 

【感想と考察】
前回は「キミはカッコウの卵って知ってる?」というエリカ父の言葉で終わるなど不穏な雰囲気が漂っていましたが、今回は予告文にあったとおり幸のデートの様子が描かれていました。相手は当然ですが凪・・きっかけは母の日にあげるプレゼントを選ぶためでした。

急にそんなことを言い出した幸に凪は怪訝な様子を見せ理由を問いますが、返ってきたのは「家出して迷惑かけているから」と殊勝な言葉・・目をそらして話す様子から見て、凪と一緒にお出かけしたい気持ちがあり、エリカの言葉は渡りに船だったというところか。

この家に家出して来たのは「お兄ちゃんともうちょっと一緒にいたい」と言う気持ちからなので普通にあり得る行動なわけですが、ちょっと驚いたのは凪に幸と一緒に出掛けた記憶がなかったこと。
17話の回想でさっさと行ってしまう凪を泣きながら追いかける幸の様子が描かれていましたが、あれは日常だったのですね。こんなところは実父であるエリカ父によく似ている気がします。歳が近い妹ならもっと面倒見そうな感じですが、海野家ではそうではなかった・・だからこそ幸はお兄を意識するようになったのかもしれませんね。それにしても受験に向け勉強を教えてもらう話はどこに行ったんでしょうね・・

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カッコウの許嫁 23羽目より

ともあれプレゼントを買うべく街にお出かけした二人ですが、髪型のせいか幸が幼く見えます。そしてその表情は好きな人と一緒にいるからこそ・・男に絡まれたところを凪が声をかけ救った時の顔は乙女そのものでした。凪から見れば買い物ですが、幸からするとデートの気分だったようですね。

そんな幸に対する周りの声を聞き凪が思っていたのは「血が繋がってないからな」ということ。幸は妹としてこれまでどおり接しているわけですが、血の繋がりがないことは十分意識しているわけです。

何をプレゼントするのかと問う凪に対し、「お兄と一緒に決めようと思って・・」「だってお兄の親でもあるでしょ・・?」と恐る恐る話す幸・・その言葉に凪が「そりゃあな」と軽く返したことに幸はとても嬉しそうな表情を示しました。幸は凪との関係に不安を感じているのでしょうね。兄妹としての意識がここでは強く出てきています。

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カッコウの許嫁 23羽目より

奈美恵母の二人のイメージはというと・・花は似合わない、甘いものは嫌い、おしゃれは相応しくない。元ヤンという気質もありますが、二人を育てるために一生懸命働いてきたということなのでしょう。

そんな中二人は、小さい頃の記憶をたどって自分たちが描いた母の絵を思い出し、結果、エプロンをプレゼントすることに決まりました。その記憶の大部分を思い出すとともに、売っている店があったことを覚えていた幸に対し、凪は「いいぞ幸 ナイス観察眼だ!」と褒め「さすが俺の妹・・!」と頭を撫でました。
からしたら思いがけない行動だったのでしょうね。そんな凪の言葉に幸は「何それ!ほんとムカつく」と返しこうつぶやきました・・

「妹扱いしないでよ」

お兄から褒められて妹としては嬉しいはずなのに、お兄へのある気持ちから素直に受け取ることができない。ちょっと前は同じ母を持つことに同意した凪を嬉しく思い、家族&兄妹としての喜びを感じていたよう見えましたが、ここでは一転、妹扱いされたことに不満を漏らす・・複雑な乙女心ですが、特殊な家庭事情を考えるとそう考えるのもやむを得ないところでしょうか・・

母の日のプレゼントは会って渡すのではなくポストに投函。照れ隠しや引き留められないためなのでしょうか!?洋平父の分もあるところを見ると今後の開店祝いも兼ねていたのかもですね。

水回りの故障により一時店を休業し、他のアパートに移り住んでいた海野家ですが、その海野亭はもうすぐ新装開店。水回りの修理だけでここまでする必要はないわけですが、そういえば途中からは老朽化がすごいからとも言っていましたね。エリカも住めるよう家自体が大きく様変わりしているのでは?と個人的には予想していますが果たして・・!?

 

今話の最後は母の日に一緒に食事をするエリカとエリカ母の姿が描かれていました。前回「やるならとことん家出しようぜ」とあったのでエリカは今住む家を出るのかと思いきや、普通にこれまでの家に住んでいる模様・・単にこれまで通り今の家に居続けよう!という意味だったようです。

エリカ母は1話で登場して以降、登場も存在感もなかったわけですが、エリカとの関係は本当に良好な感じ。1話では言葉自体が少なかったのでまったくわかりませんでしたがエリカ父と違って普通の人に見えますね。

エリカの近況が聞けて安心したと話していましたが、実の息子ではあるにしてもエリカを凪と同居させることに反対はしなかったのでしょうか!?二人が結婚すること自体には反対していないのでしょうが、その後も今の家に居ついたまんま帰ってこないのだからもっと心配してもよさそうな気もします。もっとも企んだエリカ父はそのことを了承。そんなエリカ父を「そういう人だから」とエリカ同様に思っている・・だからこそエリカと仲良しなのかもですね。

そして印象的だったのは二人の次の会話・・

「あちらの兄妹はどんな感じなの?」

「あの2人が結婚した方がいいんじゃないかってくらいお似合いだと思うよ」

幸の凪への気持ちを聞き二人のなれ合う様子を日々見ているエリカなのでそう思うのは不思議ではありません。エリカ母は「兄妹の仲」を問うたのでしょうが、結婚まで踏み込んでお似合いと評するところを見ると、「結婚はしたくない」という意思表示にも見えるし、同時に意中の人がいるからとも感じます。凪の運命が変わるかもしれない「届けたい人」とはどんな存在なのか・・気になるとことです。

 

次回は"海野亭"新装開店の話になるのか!?それとも久しぶりにひろの登場となるのか!?はたまたエリカ父の策略が描かれるのか!?個人的には幸に凪が勉強を教えるシーンが見たい気がします。

 

 ※本記事にて掲載されている画像は「カッコウの許嫁/吉河美希週刊少年マガジン」より引用しております。