五つ葉のクローバーの超主観的考察

~恋愛マンガの名作「めぞん一刻」を皮切りにラブコメ漫画の気になった点を超わがままに考察しています!~

カッコウの許嫁の感想と考察(25話)~妹なのは変わらないけど~

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カッコウの許嫁 25羽目より

好物である海野家特製カレーを作るも部屋から出てこない幸。そんな状況に凪が何かしたのではと疑ったエリカはセクシー教師に扮装し理由を問い詰める。ぶつかった拍子に唇が触れたことを”ぶつかったようなもの”と話す凪に対し「幸ちゃんはもう子供じゃない」と諭すエリカ。エリカの言葉に幸が「妹だけど妹じゃなくなっている」と気付いた凪は幸に謝りに向かい、妹としてだけでなくひとりの女性として見ることを宣言する。

 

【感想と考察】
前回は停電での暗闇の中、防災キットを探しに玄関にやってきた凪と実家から戻ってきていた幸とが誤ってキスをしてしまうという展開でしたが、今回はその時の凪の言葉に不満を持った幸が部屋に閉じこもる・・という状況から始まりました。

幸が好きな海野家特製のカレー、それも海老とホタテが入るDX版を作った凪ですが、この時点では幸が機嫌を損ねていることに気付いていない模様。エリカも幸も服が変わっているのでキスした当日の事ではなさそうです。

幸が部屋から出てこないことを知り、「何かしたでしょ!?」「絶対何かあったはずよ」と凪を疑うエリカ。この時点ではまだ二人の間に何があったのか知らないようです。
心当たりがないと話すなか「強いて言えば・・」と何かを思い出したような凪とキスシーンを挟んで「凪くん イカレてるわ」と話すエリカの描写・・何か繋がらないので一瞬読み飛ばしたのかと思いましたが、この間にキスの事を話したという事なのでしょうね。

イカレている」とまで言われた凪ですが、その後も「兄妹だぞ」「ぶつかったようなものだろ」と何もわかっていない様子。そんな様子を見てか、それともただの趣味なのか・・セクシー教師に扮装して登場したエリカは「あなたは間違っている」と凪の考えを否定しこう告げました。

「幸ちゃんはもう"子供"じゃないってこと!」
「幸ちゃんは中学3年生・・来年結婚できるんですからね・・?」

実妹のお兄への想いを聞いているエリカ・・23話では「あの2人が結婚した方がいいんじゃない」と話すなど二人はお似合いと思っているようでしたが、ここでは「”ひとりの女性"として見てあげて!」ではなく、「もう"子供"じゃない」と切り出しています。

幸と凪は兄妹であり、その凪はひろの事が好き・・そんな現状なので今すぐ二人が結ばれるよう応援するわけにはいきません。”来年には結婚できる”という点を取り上げたのは自分の境遇もあってのことだと思いますが、その根底にあるのは「妹との時間を大切にして欲しい」という姉の想いであり、だからこそこの言葉を選んだように感じます。

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カッコウの許嫁 25羽目より

それでも妹だからとガキ扱いする凪・・そんな凪にエリカが話した例えは・・

「じゃあ凪くんは今でも幸ちゃんとお風呂に入るのカナー?」
「でも昨日・・それと同じことをしたのよ!!」

いつまでも子供のままの"妹”ではないことを凪に納得させるのにこの表現はとても有効だった模様。前回の考察で凪の反応はエリカ父によく似ていると述べましたが、「珍しくわかりやすい」と理解を示したところを見ると全く同じというわけではないですね。少なくもエリカ父よりは人間味のある性格だとは感じます。 

一方のエリカ・・今回もそうですがお嬢様らしからぬ相手を気遣った言葉が多いように感じます。もともとの血がなせる部分が大きいのでしょうが、父への不満もあって海野家の家族の姿に憧れを持つ彼女・・そんな彼女だからこそ的を得た思いやりのある対応ができているとも感じます。

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カッコウの許嫁 25羽目より

エリカの言葉に「幸はもうとっくに妹だけど妹じゃなくなっていたんだな」と思った凪は皿洗いをしながら幸と言う存在の位置づけを考えます。あいつは生まれた時から一緒にいる妹として子供やガキという扱いをしていたのだから大きな考えの変化です。

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カッコウの許嫁 25羽目より

「幸が妹っていうのももうただの肩書にすぎない」「血の繋がりがあるのはエリカで俺は生まれた時からいる赤の他人」と感傷的になるなか、凪はあることに気付き「幸が許嫁であるエリカの妹ってことは・・」とある事実が頭をかすめます。

その事は口にしないまま「いや・・」と否定し「とにかく幸に謝らないとな」と部屋に向かう凪。そこで扉越しに交わしたのは軽率に扱い傷つけてしまったことへの謝罪と幸との関係を見直す言葉でした。

子供扱いするのをやめるというのはエリカから直接言われたことなので当然ですが、凪はその先にある真意までちゃんと気付いていたようでこう宣言します。

「妹なのは変わらないけど幸のことはひとりの女性としてちゃんと見ようと思う・・!!」

この発言を見る限り、「幸が許嫁であるエリカの妹ってことは・・」に続く言葉は”幸も結婚可能な存在”と言うことだったのでしょう。ただ自分はひろの事が好きなのであって幸に恋愛感情があるわけではない・・わざわざ「妹なのは変わらないけど・・」と念押ししたのは自分への好意に気付いたからではなく、妹扱いすることに変わりはないということ。恐らくこれからは子ども扱いせず、幸を一女性として気持ちを汲み取る努力をしたいという決意表明だったのでしょうね。それでも幸にとって最高に嬉しい言葉・・扉越しに照れていた表情はとても良かったです。

 

最後は部屋を訪れたエリカと並んで眠る幸でしたが、嬉しさは隠しきれなかったようで素振りをすることで高揚する気持ちを抑えていました。そんな様子を見て何も聞かないエリカは本当にお姉ちゃんしてますね~本当にいい姉妹です。

最後のコマの寝言はどちらの事なのか気になりますが、とりあえず次回はひろと放課後デートとのこと。デートから格闘技挑戦となる展開のようで全く想像できませんが、とりあえず今回で幸編は終わった模様。幸に対する凪の意識が変わったことでエリカ、ひろ、幸がスタートラインに並び四角関係が出来上がった感じがします。今後の展開が一層楽しみになりました。

 

※本記事にて掲載されている画像は「カッコウの許嫁/吉河美希週刊少年マガジン」より引用しております。