五つ葉のクローバーの超主観的考察

~恋愛マンガの名作「めぞん一刻」を皮切りにラブコメ漫画の気になった点を超わがままに考察しています!~

彼女、お借りしますの感想と考察~千鶴の恋心を言動と行動から読み取る~(5巻)

瑠夏にラブホに連れ込まれ千鶴との関係を洗いざらい喋らされる話から始まった5巻。和也の彼女として木ノ下家の一族とともに初詣に行くことになったものの、和也のスマホに来た連絡を見てやってきた瑠夏を終始警戒することに・・

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彼女、お借りします 34話より

千鶴に比べ出遅れていることを理解してか、積極的に和婆ちゃんに接触して距離を縮めようとする瑠夏。和也は”千鶴の友達”と誤魔化そうとするも”彼女です"と宣言する彼女に千鶴は大慌て。サラダバーに連れて行き「どういうつもり」と責める千鶴に「レンカノとして越権では!」「私が彼女になって千鶴さんがフェードアウトするのが最善」と正論で反撃する瑠夏。最後は「和也さんの"彼女"でいたいのは・・千鶴さんなんじゃないですか?」とまで言われ、千鶴はぐうの音も出ませんでした。

そりゃそうです。そもそも「おばあちゃんたちが極力悲しまない形でお別れを伝えるには本物の彼女を作るのがベスト」と整理し関係を継続したはず・・なのに先般和也がラブホに連れていかれた日には「節度を持って大人の付き合いをしましょっ」と言って関係を維持しようとし、この日も急遽初詣に連れ出されたことに対し「でもまぁ当然よね "彼女"なんだから」と彼女面していましたしね。

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彼女、お借りします 39話より

バイトの初任給が入った和也は栗林が女性不信にならないようにと千鶴にレンタル彼女をお願い。二人の関係がバレてでも栗林を救いたいとする和也の言葉に千鶴は栗林とデートするわけですが・・

栗林は千鶴がレンタル彼女だと知って以降も、何度となく「和也とだけは本当の恋人って線はナイか?」と疑っていました。その理由は二人のこれまでを見てどうしても「レンカノの距離感」には思えなかったから。そりゃそう・・誰が見てもそう思うのが当然です。
帰り際「無いだろ?客に本気になるなんて・・」と問うた栗林に対し、千鶴が選んだ言葉は・・

「・・うん “好き”・・か」
「・・そう だね・・」
「どうかなっ?」


"本気"ではなく、スカイシップで話題にした”好き”という言葉をわざわざ使った・・ここがポイントのように感じます。

「なんでそこまで?」との思いから栗林はこの問いをしたのですが、直前に思い返していたのはスカイシップで「子供っぽいってことは裏を返せばロマンチストってことですよ」と千鶴が言った場面でした。つまり「それって和也の事では!?」と思ったわけです。

一方、それを聞いた千鶴は今日の件を和也に依頼された時のことを思い浮かべていました。その上で"好き・・か”と語り始めているのだから、ロマンチスト=和也=好きというラインで考えていたのは間違いなし。

そんな千鶴の姿を見て栗林がどう思ったのかは語るまでもありませんね。明らかに脈ありの返答でした。

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彼女、お借りします 40話より

39話での栗林とのやりとりは実は千鶴にとっても大きなことでした。続く話は部屋を訪れた瑠夏を交えてのパンツ騒動だったわけですが、現れた千鶴を追い返そうとする和也の言葉に対し「そのことなら・・もう・・」と意味深な発言をしていました。

もともと瑠夏をお試し彼女にすることを薦めたのは、栗林にレンタル彼女のことを知られないため・・前話でのデートでその必要はなくなったのだからもう瑠夏を仮カノとしなくてもいいはずです。
ただ栗林に知られたくなかったのは木部を経由するなどして和婆ちゃんにバレたくなかったからであり、瑠夏の口から直接和婆ちゃんにバラされる危機を迎えた今となってはもうそのことに意味を成さない・・

恐らく栗林とのデートの後、いろいろ考えたのでしょうね。こんな意味深な言葉を吐いたということは、瑠夏との仮カノ関係を解消して欲しいのでしょう。可能性としてはレンタル彼女を辞めることも考えられますが、表情を見る限りその可能性は低いように思います。

 

そんな千鶴は桜沢墨をレンタルして欲しいと相談をするために夜のベランダに和也を呼び出しました。これまで玄関外で話すことはありましたが、ベランダで話をするのは今回40話が初めて。朝からも顔をのぞかせていたのでその時にベランダで話をすることを思いついたのでしょうか!?

そんなベランダ談議でしたが、何気に「あなたはその後元カノとはどうなの?」と確認していました。何か進展しているのか気になっていたのでしょうか!?

千鶴の問いに対し自分の気持ちがわからないと話す和也でしたが、「一度は幸せにするって心に誓った女性」だから「1クリックで削除するのはチャラい気がする」とも話していました。青臭いロマンチストなセリフですが和也の優しさは千鶴にも伝わった気がしますね~麻美への未練も十二分に感じたでしょうが!!

ただ「付き合うわ・・」の後に「忘れるまで」と言っていたのは気になります。千鶴から見て麻美が振り向く可能性はないと見ているのでしょうか!?それとも忘れて欲しいと思っているのでしょうか!?

 

※本記事にて掲載されている画像は「彼女、お借りします/宮島礼吏週刊少年マガジン」より引用しております。