五つ葉のクローバーの超主観的考察

~恋愛マンガの名作「めぞん一刻」を皮切りにラブコメ漫画の気になった点を超わがままに考察しています!~

五等分の花嫁の感想と考察(114話①)~風太郎の想いは四葉以上に強く深く!!~

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114話 最後の祭りが風太郎の場合②より

前話の保健室のシーンから始まると思いきや、いきなり四葉の回想ダイジェスト・・これは四葉が来るのを待つ間、風太郎の頭をよぎったシーンなのでしょうね。

四葉は大方の予想どおり「嘘です!こんなことありえません」「私じゃなくてみんなの方が・・」とあくまで逃げの姿勢。「今はお前に聞いてるんだ お前の気持ちを・・教えてくれ」という言葉に最後は逃げ出してしまいました。風太郎は緊張の面持ちでしたが、「お前に会いに来たんだ 四葉」「ここでお前と食うと決めてた」などカッコいいセリフの連発でしたね。

風太郎の言葉を遮り「ごめんなさい」と言われたことに結構ショックは受けた模様ですが、五月にも助言されていたので四葉の反応はある程度想定済み。普通なら立ち直れないレベルの速攻お断りでしたがどうにか大丈夫でした(笑)

追いかけっこの顛末は縁石につまずきコケた風太郎に四葉が心配して駆け寄るというややコメディ要素を入れた描写でしたが、「お前がいなければ俺はとっくにつまずいていた」「俺は弱い人間だからこの先何度もつまずき続けるだろう」と「つまずく」の掛詞で説得。最後は21話「おまじない」の再現なのでしょうか・・風太郎の言葉に四葉は思いが溢れ、心にもない「嫌い」を言おうとするも言えずに「好きです」と綴ったのはとても良かった。

告白の言葉は特に名言とは思いませんが、愚直なまでに今の思いを言葉にしていった感じで心に響きました。ミステリー調の物語なので言葉も描写も球種でいえば変化球、ムービング系が多かったのですが、今回はど真ん中ストレートを投げ込んだ感じ・・ラブコメの見どころをきちんと押さえてくれました。

ただ見て思ったのは、風太郎の四葉への想いが予想以上に深かったという事・・四葉風太郎への想いが相当深いことは分かっていましたが、好きでたまらないといった感情をひしひしと感じました。

「俺は弱い人間だからこの先何度もつまづき続けるだろう」

「勝手な願いなんだが その時には四葉、隣にお前がいてくれると嬉しいんだ」

「安心すんだよ お前は俺の支えであり俺はお前の支えでありたい」

「だから・・・嫌いならそれでいい」

「お前の気持ちを聞かせてくれ」

もうこれ、告白じゃなくプロポーズですからね。他の姉妹がかなうわけがない。これを見ると五つ子による風太郎の花嫁レースではなく二人の恋の物語だったのですね。これまで考察してきたのがバカみたいと思えるほどラブラブでした(笑)

 

保健室に居なかった理由が明らかに

「結構待ったぞ」と言う風太郎・・「なんでここにいなかったんだよ」という問いに四葉は「だって私のところに来るなんて微塵も・・」と返しました。結構待ったという事は、後夜祭終了のアナウンス後も長いこと外に居て、もうそろそろいいかなと戻った感じでしょうか!?

当日の昼にあたる108話「最後の祭りが四葉の場合②」で涙しつつ過去と決別しましたが、初日を描いた107話「最後の祭りが四葉の場合」では「でももし・・私を選んでくれたら」と思っていたのだから「微塵にも思わなかった」というのは間違いなく嘘・・きちんと向き合えず怖くなり逃げていたのは間違いないですね。

巷では逃げた先は例のブランコがある公園との話もありましたが、ブランコはまだまだ後のお楽しみなのでしょう。風太郎、体力はあまり上がっていなかった模様です。

 

6年前のことや謎とされる部分には一切触れずじまい

逃げる四葉を説き伏せるのに6年前の事も触れるのかと思いきや、全く触れませんでした。それどころか回想ダイジェストには花嫁に直結する”結びの伝説”や”鐘キス”に関連することも描かれていません。113話「最後の祭りが風太郎の場合」で姉妹の見分けについて話題になった際もそうですが、意図して重要なところは外して描いている感じです。

高校2年の秋に出会って以降、今の四葉を好きになったというところを強調した形ですが、そもそもこの場面で「おまえが京都の子だから好きになった」みたいなこと言うはずもなし。告白なのだから今の気持ちを前面に出すのは当たり前です。

108話「最後の祭りが四葉の場合②」では「昔のことより大切なのは今だろ」と言いましたが、これは四葉が”過去の出会いと約束”に囚われてしまっていると風太郎が気づいたからこそ意味があった言葉・・四葉の枷を解くためにも風太郎は今の気持ちを言葉にして「今の四葉が好きなんだ」とするしかないわけです。

そして何より高校2年の秋から積み重ねた思いだけで四葉を選んだのなら一花に「誰も選ばない」なんて言うわけがないのです。

風太郎は過去の気持ちを蔑ろにしたわけではありません。作中、何度も四葉に京都の子の面影を重ねているのだから四葉を選ぶ決断に関係なかったはずもなし。そもそも風太郎から見れば同じ四葉なのだから過去とか今とか区別しても意味がないわけです。学園祭編だけでも京都の子=四葉と判断できる場面が最低3度あったのだから気付いていないというのはもう野暮でしょう。確証を得たからこそ「誰も選ばない」を翻したとさえ思います。

今回、四葉が思いのほかあっさりと陥落したから過去に触れるまでもなかった感じですが、告白の言葉は6年前に交わした「必要ある人間」という約束そのもの・・間違いなく風太郎は四葉に6年前と今の2度恋したのだと思います。竹林さんの登場意義は”過去があったからこそ今が大事”みたいなことであり、決して”過去と決別する”ことじゃありませんしね。展開上の都合もあって6年前のことや鐘キスなどに触れずに終わらせたというのが実際のところ・・風太郎の心情や本音を含め、今後過去編や回想で色々明らかになるのでしょう。

 

"からあげ"がいい仕事していました

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114話 最後の祭りが風太郎の場合②より

手に持ったビニル袋に入っていたのは、予想通り四葉からもらった無料券を使ってのからあげでした。「からあげをここで一緒に食べよう」と考えていたのは、お疲れ会のためというよりお互いの緊張を解くためという意味合いもあったのですね。からあげを渡しそれを四葉が頬張るシーンは風太郎なりに考えた結果というのが伝わってきてとても微笑ましく思いました。

ところでブロマイドはどうなったのでしょうね・・完全閉店間際だったからもう品切れだったのでしょうか!?それとも風太郎の生徒手帳に収まったのかな・・

 

 ※本記事にて掲載されている画像は「五等分の花嫁/春場ねぎ/週刊少年マガジン」より引用しております。