五つ葉のクローバーの超主観的考察

~恋愛マンガの名作「めぞん一刻」を皮切りにラブコメ漫画の気になった点を超わがままに考察しています!~

五等分の花嫁の感想と考察(119話②)~風太郎がブランコ跳びで並び立つことに拘ったのは!?

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119話 五つ星ツアーより

本話で風太郎は「微妙な関係をここで終わらせる!」と決めてデートに臨んだようでした。
"微妙な関係"とは「好き」と言えていない事なのか、それともまだ付き合えていない事なのかはわかりませんが、「今日は俺のプランだ!」と思っているところを見ると「好き」と伝えるにあたり、デートをバッチリ成功させたいと思っていたのでしょうね。

ただリードするつもりだったデートは終始四葉のペースだったように思います。スマホに話に困ったときの話題一覧をメモしている様はとても初々しくて懐かしい感じでした。

 

風太郎が告白の場所をこの公園にしたのは!?

四葉が選ばれたなら告白するのはブランコのある公園だろうと以前から言われていました。今話で風太郎は「お前と来たあの日からこの公園も思い入れのある場所となった」と言っていましたが、それぐらい36~37話「勤労感謝ツアー」編は風太郎にとっても印象的だったわけです。ここを選んだ理由を考えると次のようなことが挙げられます。

① 初めて二人で出かけた際に行った場所だから

四葉が落ち込んだときに乗るブランコがある公園だから

③ 林間学校のお礼をするはずが何もあげられずに終わった場所だから

④ ブランコから跳ぶ四葉の横顔に惹かれた公園だから

この中で注目すべきは②と④でしょうか・・②に関して37話で風太郎はこの公園を「一押し」という言葉で評しましたが、実際はその前に言ったようにつらいときに来ていた場所。それを嬉しい場所、楽しい場所として上書きすべくここを選んだとも考えらます。

④に関しては作中、何度も四葉の笑顔に凝視したり照れたりしていたので、この笑顔を見た瞬間に好意めいた気持ちが沸いたとしてもおかしくはないですね。

告白する場所を公園にしたのは「あの時四葉に感じた想いは間違ってなかった」「今こうなったのはあの日公園に来たおかげ」という思いからだったように感じます。

 

風太郎がブランコ跳びに拘った理由は!?

風太郎はただこの公園に来るだけでなく、ブランコ跳びで立ち並ぶことにより告白を行おうとしていました。37話「勤労感謝ツアー②」で連れてきてもらった日から「思い入れのある場所」になったと話していましたが、その後の77話「女の戦い」では「まだ足りないか」と呟くなどブランコ跳びの練習を重ねている様子でした。

本人的にはどういうつもりで練習していたのか!?読者から見ると今回の描写は「やっぱりね」という感じでしたが、風太郎がいずれ告白しようと練習してきたのかと思うと色々思うところがあります。ただブランコするだけではなく、ブランコ跳びに拘ったのも風太郎なりの理由があってと感じます。その理由を少し考えてみます。

 

四葉とともに歩く覚悟を示すため
113話「最後の祭りが風太郎の場合」で武田や前田を前に「学業以外は不要と切り捨てる必要なんてなかった・・」と自分がしてきたことを否定・・100話「日の出祭 二日目」では「俺は何もない空っぽの人間」と語るなど風太郎は自分を卑下するような言葉を時折吐いていました。「教えてくれたのはあいつらだ」と姉妹に会って変わる必要を感じたと語っていましたが、そう思った一番の理由は好きな人に認めてもらうためであったのは言うまでもないでしょう。

四葉アイによる風太郎は実際よりいい男に映っているような描写がちらほらありましたが、風太郎も皆が思う以上に四葉を評価しているように感じます。「お前の横に立って並べる男になれるよう精進する」という言葉からは目標となるべき存在と見ているように感じられ、「並び立てるような男になるんだ」という覚悟を示したかったと考えられます。

 

四葉に「諦めない」ことを示したかったから

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119話 五つ星ツアーより

図書館で四葉は誰かのサポートをして支えることを「諦めから始めたことでしたが、今ではそれも誇れることだと気付いた」と語っていました。誇れることに気付けたのは108話「最後の祭りが四葉の場合②」で風太郎が話した言葉がきっかけ。「諦めから始まったこと」と言えることからも考え方に大きな変化があったと感じられます。

風太郎は56話「最後の試験が四葉の場合」で四葉が姉妹への罪悪感から色々と諦めていること、そして母の「五人でいること重要」という教えが枷になっていると知りました。81話「シスターズウォー 四回戦」では「姉妹の皆が私より幸せになるのは当然です」といった歪で諦めの思考をやんわりと否定していましたね。

そんな風太郎が四葉を救うには「諦めない気持ち」を見せるしかない。そのひとつの方法がブランコ跳びだったと考えられます。

 

昔京都で四葉とお祈りした願い事だから
ブランコで四葉の横顔に惹かれた際に何かの気付きがあったとなると考えられるのは昔京都で出会った際の出来事。ここは京都の子の面影をを重ねたような描写ではないのですが、36話「勤労感謝ツアー①」では服を楽しそうに選んでいる四葉に京都の子を重ねており、同じ気持ちで見ていたとしてもおかしくない・・

あくまで「京都の子は四葉なのでは?」と思ったからという条件が付きますが、神社で祈った願い事と関連があるのかもしれませんね・・「いつか君の横に並び立つにふさわしい男になれますように」と願ったからこそブランコ跳びという方法で並び立とうとしたと考えられます。

 

いくつか考えられることを書いてみましたが、後にブランコ跳びの練習を始めるほどの動機となると心を揺さぶるような何かがあったと考えるのが普通・・もっと言うとひとつは好意から来るもの、もうひとつは過去との繋がりに限られると思います。

まずは好意ですが、114話「最後の祭りが風太郎の場合②」では初めから協力的でいつも助けてもらったことから四葉を選んだように話していましたが、37話の時点でそんな気持ちになっていたとは到底思えません。

今のような好きを伴う特別な存在となったのは鐘キス以降・・キスまでしてきたのに「誰を好きになったとしても全力で応援する」と言ったり、「三玖とかどうですか?」と薦めたりすることから「いったい自分のことをどう思っているだろう?」と気持ちを計りかねていたように思います。

 

では鐘キス以前はというと「なぜいつも協力的で自分を助けてくれるのだろう」という気持ちが強かったように感じます。もしかしたら6年前の事と関係あるのではとまで疑っていたかもですね。

37話の直前を見ると34話「今日と京都の凶と共」では五月との会話から「五つ子の中にあの子がいるのでは?」と疑い、35話「探偵風太郎と5人の容疑者たち」では「昔俺に会ったことがあるよって人?」と姉妹に問いかけ、36話「勤労感謝ツアー①」では服を選ぶ横顔に京都の子の面影を重ねる・・というように作中でも特に京都の子を意識した時期だったのでその可能性は高いと思います。

ただ五つ子姉妹の中に昔京都で会った子がいると確信できたのは、鐘キス直前に姉妹の祖父から母親の名を聞いてから・・五月が扮する零奈の登場時は「私はもう君に会えないから」と告げられショックを受けているのだから、この時点で五つ子の中にいるとの確証は得られていません。37話時点では「もしかして四葉が京都で会ったあの子ではないのか?」と思う程度だったのだろうと思います。

ただそうだとするとすでに四葉が京都の子だと確証を得ている必要があります。あの時感じた想いが違っていたのならこの公園を選ぶわけありませんからね。

京都の子=四葉と確信できたのはいつかと言えば、108話で眠りこける風太郎に階段上から声をかけた時。「風太郎君」呼びから当初零奈と思ったようですが、「ずっと約束を覚えてくれてありがとう」と京都の子本人しか知らないことに触れたことで確信を得ることができたのだろうと思います。

ちなみにこの時の「私は守れなかったよ・・ごめんね」という言葉から昔京都で交わした約束が枷になり「自分がその子だ」と明かせなかったこともわかりました。その結果、風太郎は「誰も選ばない」を撤回し四葉を選ぶことを決断。その理由を「いつも助けてくれたから」として昔の約束のことを気にさせないようにしたのだと思います。

これらを踏まえると京都の子に関することが動機となってこの公園を選んだと考えるのが妥当なところだと感じます。当然ブランコ跳びに拘ったのも同じでしょう。そうなると昔京都で交わした「約束」が絡んでいるとしてもおかしくはない。

未だ四葉が京都の子だと明確に気付いている様子は描かれず、ブランコに拘った理由にももう触れることはないでしょうが、風太郎は決して過去の思い出を蔑ろにしているわけではないと思います。ブランコ跳びに拘ったのは昔京都で出会った思い出を大事に考えての事だった・・個人的にはそう思っています。

 

 ※本記事にて掲載されている画像は「五等分の花嫁/春場ねぎ/週刊少年マガジン」より引用しております。