五つ葉のクローバーの超主観的考察

~恋愛マンガの名作「めぞん一刻」を皮切りにラブコメ漫画の気になった点を超わがままに考察しています!~

五等分の花嫁の感想と考察(雑感)~「ねーよ」は恋愛対象外という意味だったのか!?~

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72話 学級長の噂より

72話「学級長の噂」での「ねーよ」から風太郎は四葉を恋愛対象と見ていないと解釈している方もいるようです。主に68話「スクランブルエッグ⑧」の鐘キス時から花嫁となる姉妹の誰かを特別に思い始めたのだから、その後「ねーよ」と言われた四葉は恋愛対象外という考え方のようですね。

確かにここだけを読むとそう思えるのは否定しません。ただその言葉の前後や当話以降の風太郎の様子を見るとおのずと答えが見えてくると思います。

 

鐘キス時の風太郎のモノローグを見返すと

68話の風太郎のモノローグを見直すと「あの日 きっとあの日からだ」「彼女を特別に感じたのは あの瞬間から」となっています。これを見る限り、あくまでも”今から思い返せば”という後付け的な言い回しです。つまりこの瞬間から特別に感じただけで恋に落ちたわけではないのです。

72話での「ねーよ」の直後に顔を背けて言った「特定の誰かがいるってわけじゃなくてだな・・」は恋心かはわからないものの特別に感じた存在がいるという風太郎の気持ちが垣間見えた部分だと感じます。だからこそ91話「偶然のない夏休み」での”高校生のための恋愛ガイド”購入に至ったと思います。

 

噂に対する二人の気持ちはすれ違い・・

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72話 学級長の噂より

「ねーよ」発言に至ったのは風太郎の恋愛観が変わった発言があったから・・四葉は「上杉君の方は満更でもないかもよ」とクラスメイトに言われたこともあってその言葉に反応し、やや冗談気味に「まさか ついに誰かを好きに・・」「ま まさか本当に私のことを」と聞いています。要は日頃隠している恋愛感情が溢れ出ている状態です。

一方、風太郎は四葉が気にしているのは自分たちが付き合っていると言う噂があるからと知り、「あり得ないだろ」と答えています。要は「ほっとけばいい」程度の気持ちで冷めている状態です。

四葉の様子や言動から風太郎がこの状況をどう理解するかを想像すると・・四葉の恋心を知らないなら、”そんな噂を流され四葉は迷惑している”と理解するのが普通でしょう。

おまけに風太郎自身が恋するという気持ちに理解が及んでいない状態・・もし四葉に対し何か気持ちの芽生えがあったとしても「まさか私のことを(好き)・・」に対し「そうだな」とは答えないでしょう。否定の言葉になるのはやむを得ないわけです。

 

四葉の"本心を隠す嘘"を見破れない風太

クラスメイトへの冷やかしに対し「ないよ」「ありえません」と日頃の丁寧な口調から変わっているのを見るとへこんだのは間違いないのでしょうが、「ねーよ」の直後は元のテンションに戻り、「私は味方です」「全力で応援します」と発言をしています。

この時の四葉の発言は明らかに本心ではなく嘘・・人を騙そうとする嘘は下手でも自分の本心を隠す嘘は得意なわけですが、風太郎は学園祭編に至っても”四葉は演技や嘘が下手"と思い込んでいるので気づかなかったのでしょうね。少し冗談気味に「まさか私のことを(好き)・・」と言ったのは、本心を隠しつつも期待心を持った照れ隠しだったのでしょうが、風太郎は気持ちを汲み切れずただの冗談と捉えた・・だからこそ「ねーよ」と言う言葉を選んだとも言えますね。

 

そもそも風太郎のこの言葉をもって四葉を恋愛対象外とするなら、71話「アドバンテージ」で「俺はお前のことは・・」と言われた二乃や86話「シスターズウォー エキシビションマッチ」で「ああ 知ってるぞ」「・・ だが」と言われた三玖はそれ以上に花嫁の可能性がないことになってしまいます。五つ子全員がヒロインでミステリー要素重視のこの物語でそれはあり得ないでしょう。91話「偶然のない夏休み」で姉妹を大切な存在と再認識し、四葉に対してのみ見せる様子があるのだから、この言葉を風太郎の本心と捉え恋愛対象外とするのは間違いだと思います。

 

※本記事にて掲載されている画像は「五等分の花嫁/春場ねぎ/週刊少年マガジン」より引用しております。