五つ葉のクローバーの超主観的考察

~恋愛マンガの名作「めぞん一刻」を皮切りにラブコメ漫画の気になった点を超わがままに考察しています!~

めぞん一刻を考察して①~響子さんは三鷹さんのことが好きだったのか?~

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めぞん一刻 101話 及び 103話より

実際のところ響子さんには「好き」という気持ちは全くなかったと思っています。それは三鷹さんとふたりで話している時の態度や考えている内容、言葉が教えてくれます。

三鷹さんが響子さんに好意を示した「三鷹、五代!」やプロポーズした「三年待って」を見ても五代くんとの間に見られるような感情を出すことなく淡々としているのです。三鷹さんに感情を出した話に「あれがいい」がありますが、あくまで五代とこずえちゃんのことで怒っていた響子さんだから犬の美容室で抱き合うような三鷹さんの姿に勘違いし「男なんて・・」と怒ったケースであり、あとは「カモナマイハウス」でちょっとムッとしたのみです。

「犬が好きPart1」でプロポーズの返事を求められ響子さんは悩んでいるような顔を見せますが、「もしもNOだったら・・・もう二度とあなたの前にあらわれません」という言葉に会えなくなるのは困るからどうしようと考えているだけです。「犬が好きPart2」で三鷹さんの事は「好き・・だけど・・」と独白する場面がありますが、恋愛感情での「好き」なら響子さんは頭の中でも言いませんし、そのあとの言葉からも結婚のことなんて考えられないことがわかります。

その後、明日菜さんの言葉に「言われてみればいい人よね」と思う始末で、そこまで結婚のことどころか三鷹さん本人のことさえ考えてもいません。

五代が朝帰りで相談に乗ってもらえず怒った後に「結婚してやる」という言葉があるから三鷹さんのプロポーズを受ける気があった、だから好きだったと思う人もいるかもしれません。確かに前後の言葉だけで見るとそのように思えますが、「とっても好きだよ」で三鷹さんからの電話で怒って帰ったんじゃないとわかりホッとするときの「結論が伸びただけなんだからホッとするのも変だけど・・」という言葉でプロポーズを受けるわけではなかったことはわかります。(詳しくはめぞん一刻を読み返して 10巻を参照

また「閉じられた扉」で5号室の扉越しにふたりは会話するのですが全くかみ合いませんでした。五代が「じゃ三鷹さんと結婚するつもりはないんですか・・?」「そんな言い方されたんじゃ・・三鷹さんだって気の毒ですよ」とまで言っても何のことかわからない。響子さんは単に抱き合っている姿を見られたことの弁解をしようとしていただけで自分が三鷹のプロポーズを受ける素振りさえしていないと思っていたからわからなかったのです。(詳しくはめぞん一刻を読み返して 11巻を参照

じゃ何で「結婚してやる」と言ったのか。響子さんは怒った時、このようにひどい言葉や嫌味なきつい言葉をよく使います。

「なによ、あの色ガキ!」(16話 桃色電話)

「これから三鷹さんとデートなんです」(32話 怒りのウィドウ)

「あいにく三鷹さんの遊び相手になるほど暇じゃありませんの」(33話 あれがいい)

「あいにく2号も3号もふさがっておりますっ」(42話 明るい5号室)

「五代さんにばっかりかまっている暇はないんですっ」(72話 愛のリハビリテーション

「あんのガキ~」(92話 ロング・グッドバイ

「ケンカになりませんわ、あなたに心当たりがないのなら」(144話 わかってください)

「あなたもお相手を決めたみたいだし」(145話 大逆転)

「あんたなんか・・朱美さんのヒモになればいいのよ!」(150話 好きだから・・)

結局、この時も怒りから五代の一番聞きたくない言葉として「結婚してやる」と言っているだけなのです。

その後も「二人の旅立ち」で三鷹さんからの暑中見舞いをみて「こっちにも・・(あきらめられたのかな)」という言葉を使うぐらいですので、「複雑夜」や「影を背負いて」で本人が言ったように「単なるお友達」だったのでしょう。「朝まで眠れない」で「残酷です」と言わしめるぐらい響子さんは三鷹さんに対し「好き」という感情も態度も出していなかったのです。

ではなぜ好きでもない三鷹さんと響子さんは付き合っていたのかは次の「響子さんは面倒くさい、イヤな女?」で述べます。

 

※本記事にて掲載されている画像は「めぞん一刻高橋留美子小学館」より引用しております。