五つ葉のクローバーの超主観的考察

~恋愛マンガの名作「めぞん一刻」を皮切りにラブコメ漫画の気になった点を超わがままに考察しています!~

めぞん一刻を読み返して(14巻)

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めぞん一刻 144話 及び 150話より

■■ 第141話 しあわせ曲線
下着を取りに一刻館に帰った五代は三鷹が明日菜を妊娠させたことを知る。一方、三鷹は響子に別れを告げ明日菜との結婚を決める。しかし、結納の日に妊娠は犬のことだとわかった三鷹は五代に会いに行き・・・

【解説及び感想】
「あなたは・・? しあわせになれそうですか?」の問いに「そうですね・・がんばらなくちゃ」と答える響子さんとその言葉に複雑な表情になる三鷹さん。もっといっぱい話したいことがあったのに何も言えなくなってしまいました。この問いに対して普通の返答なんですが、別れを告げに来た自分、心を開いてもらえなかった自分、五代に負けた自分にとって、響子さんのこの「がんばらなくちゃ」という言葉は「五代とともに次に進んでいこう」とする決意の言葉に聞こえました。つらかったでしょう。でもこういうもんですよね、別れは。

響子さんは結納の日に洗濯物を干しながら「さよなら三鷹さん・・本当に・さよなら」と思います。一時的ではあったのですが、自分の寂しさを支えてくれた三鷹さんの幸せを願って・・・

三鷹さん、最後の最後まで響子さんとの恋路を犬に邪魔されました。犬恐怖症を克服したばかりにこんなことになって・・・でも次に待っている幸せにつながりました。

 

■■ 第142話 ワンモア・ピリオド
五代に会いに来た三鷹は納得がいかないものの「自分はもう音無さんを支えられないから・・」と響子のことを五代に託す。その夜、実家で明日菜の手料理を食べる三鷹であったが、明日菜にアルバムにあったテニス大会準優勝時の写真の顔と今の顔が同じだと言われたことに・・・

【解説及び感想】
本当は顔も見たくないのに、響子さんのことを思い五代に会いに来た三鷹さん。「ぼくはもう音無さんを支えられないから」という言葉で五代に託しました。そう、三鷹さんは支えてきたんですよね。響子さんの寂しい気持ちを・・「これからは響子さんの寂しさを支えるためには五代くんがしっかりするしかないんだよ」そう聞こえます。

明日菜さんの手料理をいただきながら「とにかく笑うしかない」と思う三鷹さん。一番心に突き刺さるシーンです。しかしそう思って笑う顔と中3のテニスジュニア大会準優勝時の写真の笑う顔が同じに見えると告げる明日菜さん。

三鷹さんは気づきました。自分が明日菜さんの気持ちを考えない行動ばかりしていたと。当初、響子さんとの関係を進展させるためにこの見合いを利用しようとしたのですから・・

でもそんな自分をずっと見てくれて、元気づけようともしてくれる・・・これで三鷹さん吹っ切れました。

明日菜さん、本当に三鷹さんのことが好きなんですね。好きだからこそ三鷹さんの顔から想いがまだ響子さんに残っている、うまく整理できていないことを感じ取れたのです。

本当に明日菜さんはつかみきれないところ満載ですが、一途で優しい心の持ち主です。

※ 同時に響子さんに対しても気持ちを考えない行動ばかりしていたと思ったかもしれません。

 

■■ 第143話 戸惑いロマンス
響子を五代に会いに行かせようとする住人たち。そこに銀行員からプロポーズされたことで一刻館を訪れたこずえと会い、響子は一緒に五代に会いにいくことに。ふたりが一緒に来たことに驚いた五代。相談したいことがあると語るこずえは五代と近くの喫茶店へ行くことに。残された響子はひとり帰ろうとするがその途中、五代とこずえがキスするところを見てしまい・・

【解説及び感想】
電車の中で「でも、たまには会ってるんでしょ」との問いに「ええ、でも最近はなかなか・・」と答えたこずえちゃんに対し「たまに会ってたのか・・・」と思う響子さん。五代くんに会っても笑顔さえありません。相当「たまに会っていた」ことが気になったようです。

こずえちゃんの登場は第101話「大安仏滅」以来、約1年半ぶりで当然、響子さんはこの間会ってもいません。五代との仲はこの間大きく進展していますが、五代がこずえちゃんとどうなっているのかかなり気になっていたのでしょう。「たまに会っていたのか・・」という言葉にその気持ちが凝縮されているようです。

キャバレーの先輩から「あいつ見てると(あんたのために)無理してあがいているみたい」・・「帰るんだし・・やさしくしてやんなよね」と言われてしまった響子さん。五代のために良かれとやっていたことが五代を追い込んでいると見られて響子さん相当ショックだったでしょう。まっ、それより五代とこずえちゃんのキスを見てしまった方がショックは大きいでしょうが・・

三鷹さんとの関係も清算され、五代との結婚に向けて進もうとしている響子さんにとって、第83話「なんでもありません」にあるようにこずえちゃんと早く別れて欲しいと思っています。五代の公認の恋人は未だこずえちゃんです。響子さんの性格からこれが一番気になっていたし、そこが五代を完全に信用しきれていない点でした。

八神の場合は五代が気のあるそぶりを見せなかったし、一刻館での出来事ばかりだったので五代に対してヤキモチを妬くことはありませんでした。しかしこずえちゃんの場合は、外で会うことがほとんどで家にもお呼ばれしていましたので好きな感情を抱いて以降、こずえちゃんに対し相当な感情がないわけはありません。

五代が大学を卒業して以来、こずえちゃんを見ないことから「もしかして別れたのかも・・?」との思いもあったのかもしれません。それが自分の知らない間にこずえちゃんと会っていたとわかり、さらにキスしているところを見たのだから相当なショックを受けたことでしょう。

※ 「ええ、でも最近はなかなか・・」と答えたこずえちゃん。このとき五代がキャバレー勤務を始めて約半年です。保育園のバイトのときと違い銀行員のこずえちゃんとは時間が合わなくなっていたんでしょうか。

 

■■ 第144話 わかってください
五代とこずえのキスを目撃し機嫌が悪い響子。試験が終わり一刻館に戻った五代は響子の冷たい態度にキスを目撃されたのではと気づく。翌日こずえからプロポーズされていると聞いた五代は本心を話そうとするが、こずえは五代が自分にプロポーズする意思があると思い込んでしまう。誤解されたことに悩みながら一刻館に戻る五代に響子は・・・

【解説及び感想】
「ケンカになりませんわ、あなたに心当たりがないのなら・・」響子さん相当怒っています。こずえちゃんからの電話をつなぐときの響子さんの怒りのオーラは変身するのかと思うほどです(笑)

第127話「草葉の陰から」で結婚したい気持ちを伝え、気持ちが通じ合ったはずの五代が自分の知らない間にこずえちゃんと会っていたうえにキスしているところを見せられ怒りが収まらないですね。

五代の言葉に自分にプロポーズしてくれる意思があると思ったこずえちゃん。この言葉ではみなそう思いますよね。五代くん初めに「別れてくれ」とか「もう付き合えない」とか言葉入れないと・・

帰ってきた五代が何も言おうとしないことに響子さん、早々と堪忍袋の緒が切れてしまいました。

※ こずえちゃんの「五代さんにキスしてもらっちゃったから」発言。こずえちゃんは何故こんなことを言ったのでしょう。こずえちゃんだから・・というのもありますが、その前後の言葉「本当はね、ちょっとぐらついてたんだ。OKしちゃおうかな・・」「不安だったんだもん・・プロポーズしてくれる気あったなんて思わなかったんだもん」から見ると五代がいるからとプロポーズを断るためにこのように思いたかったんでしょう。五代が自分を愛してくれている証明として・・

 

■■ 第145話 大逆転
なぜこずえとキスしたのかと問い詰めるも五代の話に耳を貸さない響子。しかしこずえの単純な手に引っかかったとわかった響子は不意打ちで五代にキスをする。仲直りできたふたりだったが、その夜、プロポーズを断れなかったと五代のもとを訪れたこずえの「せっかく五代さんがプロポーズしてくれたのに」と言う言葉に怒った響子は・・

【解説及び感想】
「ぼくの話・・最後までちゃんと、聞いていただけますか」と聞く五代。五代くんはまだ「今、弁解したって聞いてくれない」とこれまでの響子さんから思ったのでしょうね。

それに対し「うかがいましょう。私には聞く権利があると思いますから」と答える響子さん。

「聞く権利・・」という言葉。第127話で五代に結婚の意思があることを伝え、三鷹との関係も清算した響子さんにとって「(公認じゃないけど)私は五代の恋人」と対抗意識があるんですね。でもそのあとの五代の言葉には今までどおり耳を貸しませんが・・・

「黙ってされちゃう仲なわけですか」から「あなたもお相手を決めたみたいだし」のやりとりを見ると怒りとともにふたりが今まで以上の関係になっているのではと疑っていたのでしょう。

こずえちゃんの単純な手に引っかかったとわかり、同じ手を使って五代くんにキスをする響子さん。これも独占欲の強さからでしょうか?こずえちゃんが花をあげたら花を、セーターをあげたらかなり後ですがセーターをあげようとしましたが、今回もこずえちゃんと同じ手を使いました。徹底してます(笑)キスしたあと管理人室で「少し、すっきりした・・」とつぶやく姿はやりかえしたような満足感でいっぱいです。

「せっかく五代さんがプロポーズしてくれたのに」という言葉を聞き、五代をひっぱたく響子さん。五代との結婚を待ち焦がれる響子さんにとって一番恐れていたのはこずえちゃんに五代を奪われることです。五代がほかの女にプロポーズする・・・本当なら最悪の事態です。最後はやっぱり話を聞かない響子さん。最後の「そう・・わかったわよ」の響子さんの顔は全編で一番怖い気がします。

 

■■ 第146話 出たとこ勝負
五代がこずえにプロポーズしたと聞き一刻館を出て実家に戻る響子。連れ戻しに来た五代の話も聞かず追い返す響子だったが、その様子に母は響子と五代の関係に気づく。

【解説及び感想】
五代がこずえちゃんにプロポーズするということは、響子さんは振られたということ。相当なショックを受けるはずなのに実家に帰った響子さんの姿や言動はそれを感じません。「あんた、管理人やめるの」との母の問いに「どうしようかなー」ですから・・

「バカにするんじゃないわよ・・キスなんてするんじゃなかった」という言葉でわかるようにこの時は五代がこずえちゃんにプロポーズしたショックより、そんな男に自分からキスしてしまったことへの怒りの方が強かったのでしょう。

すぐに実家に連れ戻しに来た五代を追い返していますが、「ぼくはプロポーズなんかしてません」「あれは彼女の思い違いで・・」の言葉を聞いて少し冷静になり誤解だと確信しています。同時に五代を信じたいという思いも・・

※ 「いつまでのん気にすわってんだよ・・迎えに行って来いってんだよ」と怒った一の瀬さん。すぐに連れ戻しに行かせないとまずいと感じたのです。初日に五代が連れ戻しに行かなかったら響子さんはその後、相当に落ち込んでいたことでしょう。

 

■■ 第147話 いきなり管理人
連れ戻すために五代は毎日響子の実家に通うものの話を聞かない響子。響子の父から、「響子が管理人をやめたがっている」と聞いた音無老人は一刻館を訪れ、新しく五代を管理人代行にする。管理人業務で連れ戻しに行けなくなった五代と五代が来ないことに心配になる響子。そんな響子に音無老人から電話があり・・

【解説及び感想】
実家で連れ戻しに来る五代を待っているものの5日間も話を聞かない響子さん。なぜこんなことしているのか?五代が来ない日に惣一郎(犬)に言った言葉「誠意を見せろってのよ ねぇっ」でわかりますよね。ただ一刻館を出てきた手前、すぐに素直にはなれません。

誠意とは何か?「誤解ならあたしにちゃんと説明して、自分の気持ちを伝えて、そしてこずえちゃんと別れることを約束して」と思っているのです。

五代が誠意を見せてくれれば一刻館に戻ろうと考えていた響子さんですが、父が勝手に音無家に行き自分が「管理人をやめたい」と言っていると話をしたことで誤算が生じてしまいました。

 

■■ 第148話 やましい関係
音無老人の「新しく管理人を雇った」との言葉に動揺し一刻館に向かう響子。その途中茶々丸で朱美に「五代くんを誘惑しようかな」とおどかされた響子だが、新管理人が五代とわかり安心して実家に戻る。そんな中、バイト中の五代は朱美からラブホテルに呼び出され金を持っていくことに。ホテルからでた五代と朱美の前にこずえが通りすがって・・・

【解説及び感想】
茶々丸で「五代くんとこずえちゃんの決着かい?」と聞かれ「・・・」の響子さん。帰ってくるにはこずえちゃんと別れるしかないと住人も五代くんもわかっているのです。

素直じゃない響子さんに「あたし五代くんと寝ちゃおうーかなー」と挑発する朱美さん。よく響子さんの性格をわかっています。まさか五代くんにラブホテルまで金を持って来させることになろうとまではさすがの朱美さんも考えていなかったでしょうが・・

ラブホテルからでた五代と朱美の前を通りすがったこずえちゃん。プロポーズをしてくれたと思い、「あたしがついていないと五代さん」と言った直後にこんな場面を目撃じゃかわいそうすぎます。

 

■■ 第149話 ラブホテル事情
朱美とラブホテルから出てきた姿を見られたことでこずえと別れた形となった五代。このことを聞いた一の瀬さんは響子の実家に行き、こずえと別れたから帰ってくるよう説得する。戻ることを決めた響子だったが一刻館への帰り道にこずえと会い、五代が朱美とラブホテルから出てきたと聞かされて・・

【解説及び感想】
一の瀬さんからこずえちゃんと別れたと聞き、「どうして、また・・」「プロポーズしてたんでしょ、・・それなのに」と問う響子さん。

「どうして、また」と聞いたのは、どうやって別れたのかを知りたかった。その後の「五代さん、私のことこずえさんに話したのかしら・・」と思うシーンでわかります。

「プロポーズしてたんでしょ・・・それなのに」はまだ五代からちゃんと話を聞いていないことから確認したい気持ちとこの時の仕草からは、ろくに話も聞かず自分が家出なんて子供のようなことをしていたことへの照れ隠しで言ったのでしょう。

こずえちゃんの「五代さん、好きな人いたんですね」「あたし今までなんにも知らなくて・・」という言葉に「やっぱり五代さん、あたしのことを言ったんだ」と思う響子さん。別れる際に自分のことを出して欲しくはなかったのですね。五代を奪ったと思われたくなかったから・・

でもこずえちゃんから「あたし見たんです。ふたり(五代と朱美)がラブホテルから出てきたところ」と聞いて固まる響子さん。朱美さんから挑発されたことが現実になって・・・・?

※ 響子さんは五代を奪った(略奪愛)と思われるのはかなり嫌だったと思います。一般的にもそうなので生真面目な響子さんにとっては間違いなく嫌だったはずなのです。

 

■■ 第150話 好きだから・・・
こずえの話を朱美に確認するために茶々丸に向かった響子。しかし「本当だよ」と言われた響子は五代の話に耳を貸さず飛び出してしまう。響子を追う五代。電車を降り自分の響子に対する想いをぶつけるも信じてもらえないことに五代は自分が一刻館を出ると告げる。その時響子は・・・

【解説及び感想】
五代の「何もしていない」という言葉に耳に貸さない響子さん。「あたし管理人やめます」と宣言したあげく、五代に対し「あんたなんか・・朱美さんのヒモになればいいのよ!!」と怒りから言っちゃいけないことを言ってしまいました。この屈辱的な言葉に温厚な五代くんもさすがに手を挙げようとしました。

「五代にこずえちゃんがいることにずっと悩んだのに、別れたと思ったら今度は朱美さんと関係を持ったなんて・・」「どうして私だけ見てくれないの・・」こんな気持ちがいろいろ交差し怒りも頂点に達したのでしょう。もう管理人を続ける、いや一刻館にいる自信がなくなってしまいました。

電車の中で朱美さんが言った「ろくに手も握らせない男のことで、泣くわ わめくわ・・」を思い出し「仕方ないじゃない、あたしたち・・確かなものがなにもないんだから。」と独白する響子さん。

そう、お互い好き合っていることはわかっていても、五代は「好きだ」とも「結婚したい」とも言ってくれない、なのにこずえちゃんと付き合っている、自分は付き合うこともできない・・響子さんが言うとおり確かなものがなにもなかったのです。

「好きです響子さん・・初めて会った時からずっと・・・今も、これからも・・」と言う五代に「今そんなこと言われちゃ、なんかごまかされてるみたいで・・」「それじゃどうしてほかの女の人と!」と反論する響子さん。この2つの言葉に響子さんが願っていたことが凝縮されています。好きだと言って欲しい、私だけを見て欲しいという願いが・・

「あなたしか抱きたくないんです」の言葉に「あたしが・・いやだと言ったら」と問う響子さん。その言葉にショックを受け、去っていこうとする五代を引き止めます。響子さんは五代がなんと言うかを試したのです。五代に「それでもあなたを抱きたい」と言って欲しかったのです。確かなものを作るために・・

※ 五代くんが響子さんに対し「好きだ」と言ったのは第9話「アルコール・ラブコール」&第11話「三鷹、五代!」のみ。それらしきことは言うものの、それ以降ここまで1回もありませんでした。五代から一緒に出かけようということは皆無で手をつないだり握ったりで見ても第63話「しわのあるキューピッド」第80話「仲よき事は」である程度。ほとんどが一刻館の玄関先などで話をするだけの関係でした。響子さんが玄関先でよく掃除していたのは、五代と話したかった、色々なきっかけを作りたかったこともあるのです。

※ 響子さんは惣一郎さんにベタ惚れで結婚したように、もともとは好きになったらまっしぐらの人です。おまけに第71話「雪に二文字」で「スキンシップに弱いのよね」と言っているぐらいですから、好きな人に手もつながせないはずはないのです。

本当は素直になって手をつなぎたい、抱きしめて欲しいと思っていたのに、こずえちゃんという公認の恋人がいるから・・略奪愛と思われたくないから・・自分を抑えきれなくなるから・・響子さんは五代くんと手をつなぐことさえできなかった・・・無理してつっぱって素直になることを許されなかったのです。

 

■■ 第151話 好きなのに・・・
もっと素直になりたいのにきっかけがつかめない響子は五代をホテルに誘う。信じられないものの夢じゃないと響子を抱こうと決心する五代。しかし響子の何気なく言った言葉で五代は惣一郎さんのことで頭がいっぱいになってしまい・・一方こずえは五代がホテル代の立替えに呼び出されただけと知り・・

【解説及び感想】
「なんだか・・意地を張りすぎて疲れちゃった・・もっと素直になりたいけど・・きっかけがつかめないんです。・・だから・・」と話す響子さん。ふたりの間に確かなものを作るために抱かれることを決心しました。「あたしは楽になりたいの・・」という言葉・・今回の騒動に限らず、毎日ずっと、意地を張らざるをえなかったことに疲れきっていたのです。

でも「惣一郎さん(犬)が気になるから・・」と何気なく言ってしまった響子さん。「や、やっぱり・・思い出しちゃったんですか」と尋ねる五代くん。惣一郎さんで頭がいっぱいになってしまいますよね。五代くんもずっと響子さんに「惣一郎の影」を感じ苦しんでいたのだから・・萎えるのは仕方ないところでしょう・・

「五代さん、あたしのこと・・好きですよね・・」と確認し「忘れて欲しかった・・忘れさせて欲しかったのに・・どうして・・」と独白する響子さん。確かなものにできなかった悲しさ無念さが凝縮した言葉です。

※ ふたりの間に確かなものがないことに前話では「無理してつっぱってないで・・体をあわせれば楽になれるかしら」と考え、今話では「なんだか・・意地を張りすぎて疲れちゃった・・」と響子さんは言っています。惣一郎さんへの想いから素直になれかったのなら「無理して・・」「意地を張りすぎて」という言葉はおかしいのです。

※ 五代くんがこずえちゃんと別れたことにより、現実の世界では支障がなくなりました。あとは響子さんの中の惣一郎への想いと五代くんの中の「惣一郎の影」をどうしていくかになります。

「忘れて欲しかった・・忘れさせて欲しかったのに・・どうして・・」という言葉でわかるように響子さんも五代くんがずっと惣一郎さんの影に苦しんでいたのは知っていました。その上で五代くんにそうしてほしいと願っているのです。

 

 ※本記事にて掲載されている画像は「めぞん一刻高橋留美子小学館」より引用しております。