五つ葉のクローバーの超主観的考察

~恋愛マンガの名作「めぞん一刻」を皮切りにラブコメ漫画の気になった点を超わがままに考察しています!~

カッコウの許嫁の感想と考察(50話)~変わらない関係なんてないんだよ~

f:id:kitchan42:20210210152608j:plain

カッコウの許嫁 50羽目より

凪に「俺の事 好きなの?」と問われたことからひろを問い詰める幸。凪への好意を否定し約束が違うと話す幸だったが、ひろに「違った?」「ずっと変わらない関係なんてないんだよ」と言われ言葉に窮してしまう。一方、屋外ジャグジーを満喫中の凪はエリカが入ってきたことに大慌て。「ずっとこんな毎日が続けばいいのにね」と話すエリカだったが、凪が真っ裸だったことに驚き赤面してしまう。夜を迎えベッドが2-2の造りであることをエリカに告げられ部屋割りで揉める4人。そんな中ひろからクジ引きの提案があって・・

 

【感想と考察】
「俺の事 好きなの?」と凪に問われ、幸が赤面するところで終わっていた前回。今回はその続き・・幸とひろの一触即発の様相から描かれました。 

ひろの前に立ち「どういうことですか?」と問う幸。前回の描写を見ると凪の頭で回想しただけか!?と思っていましたが、その時は「急に何!?」と聞き、今回は「なんでお兄にそんなこと言ったんですか?」と問うているところを見ると、直後に凪からひろとの話を聞いたわけですね。

f:id:kitchan42:20210210152657j:plain

カッコウの許嫁 50羽目より

「ちょっとした話の流れで・・」と誤魔化すひろに「アタシのこと勝手に決めつけないでください」と気色ばむ幸。ただ直後に「違った?」とけしかけているのでひろとしては思っていたような展開だったのでしょう。初めて会った時から幸は敵対心むき出しだったわけで、幸の兄への想いにひろが気づいていても不思議はないですからね。つまり幸を煽るのが目的だった。その問いを否定した幸は次のように問い詰めます。

「だいたい約束と違いますよね?」

『約束』をしたのは直後の回想を見る限り37話でのこと。この時ひろは自分にも許嫁がいることをカミングアウトし「海野君は気になるかな?」と話したわけですが、実はその後に「だから海野君のことは"ライバル”としか見てないよ」と言った模様。幸はこの言葉を『約束』と捉え、ひろを信用することにしたという事なのでしょうか!?

ただ直後の言葉を見るともう一歩踏み込んで話をしたようにも思えます。例えば許嫁である実姉とお兄の関係を邪魔しないように・・とかでしょうか!?
そんな幸の「でも今は違いますよね?」の問いにひろが返した言葉は・・

「ずっと変わらない関係なんてないんだよ」

気持ちが変わったとも取れるこの言葉・・ひろの凪に対する気持ちがどのような変遷を経てきたのかはわからないですが、この時点ですでに凪に惹かれていたのは確かでしょう。あれだけ何度も意味深な言葉を投げかけているわけですしね。ただその後に大きく気持ちが変わったとしてもおかしくない。それは別荘で見た写真で何かに気づいたからなのか?それとも幸にも可能性があるならば自分にも勝機があるとの判断からなのか?

「幸ちゃんだってそう思うでしょ?」と確認しているところを見ると、ひろが今回したかったのはこの言葉を伝えることだったのかもしれませんね。もっと言えば自分をライバルと再認識させることが目的だった・・

ひろの言葉にエリカ父の「凪くんと結婚する覚悟があったりするのかな?」発言を思い出す幸。これを見る限り人形劇でのひろの気づきはこの事だったのだろうと思うし、妹という難しい立場の幸が自分の気持ちと正直に向き合うための手助けをひろはしたかったのだろうと解釈しています。

f:id:kitchan42:20210210152743j:plain

カッコウの許嫁 37羽目・50羽目より

ただこのやり取りを見てちと疑問に思ったのは幸の回想のある部分。37話時では「私ね・・許嫁がいるんだよ」と言ったのは「でも海野君は気になるかな」の前だったのに対し、今話ではその言葉の後になり、『ライバルとしか見てない』の理由付けとして使われています。これは作者が考えを変えての事なのか?それとも幸の記憶違いなのか?・・少々気になりました。

 

そんな二人のやり取りをよそに凪は真っ裸で屋外ジャグジーを満喫していました。エリカが入ってきたことに大慌てする凪と凪の裸を見て赤面するエリカはお決まりの構図ですね。そして葛藤する凪にエリカが口にしたのはこの言葉・・

「ずっとこんな毎日が続けばいいのにね」

ひろの「変わらない関係なんてないんだよ」とはあまりにも対照的なこの言葉・・直前の「こういうの憧れだった」「ずっと一人で友達もいなかった」「こんな日が来るなんて思わなかった」と同じく、凪との会話ではよく出てくるニュアンスの言葉です。凪と一緒に過ごす時間は余程大切に思えるものなのでしょうね。ただ「ずっと一人・・」という言葉を見るとまたも「兄はどうしたのか?」と思ってしまいますね。

警備上の理由で学校の行事も不参加だったと話した14話を見る限り、凪と会うまでは厳しく育てられ友達と出かけるなんてこともなかったのだろうと思います。ただ凪と許嫁関係になって以降はほぼ自由にさせている印象があり、エリカ父の中でエリカの位置づけが変わった様子が伺えます。やっぱり凪を天野家の後継者とするための画策なのでしょうかね・・

 

最後はベッドが2-2とのことで部屋割りをすることになった4人。幸にリビングで寝ればと言われた凪は蜘蛛がいることを理由に「寝ずに過ごす」と言い切りますが、そんな中、ひろから提案されたのはクジ引きによる部屋割りでした。

凪は誰と同じ部屋になるのでしょうね?ひろと同じ部屋となればドキドキすること間違いなし。ただその組み合わせだと幸が何か再提案しそうだし、ひろはそんな展開も織り込み済みで幸の心情を探るいい機会と捉えそうですね。許嫁という理由でエリカ&凪が同じ部屋になっても話すことがなさそうだし、やっぱりお互いに意識している兄&妹が同じ部屋になるのが一番展開的には面白そう・・次回が楽しみです。

 

※本記事にて掲載されている画像は「カッコウの許嫁/吉河美希週刊少年マガジン」より引用しております。 

 

カッコウの許嫁の感想と考察(49話)~今度やったら呪うからね・・・?~

f:id:kitchan42:20210203175409j:plain

カッコウの許嫁 49羽目より

エリカと同居していることがひろにバレてしまった凪はエリカ、幸、ひろと海の別荘へ。微妙に自分を避けるひろの様子に懺悔の旅行になってしまったと後悔する凪はエリカの助けを断りひとりでひろの元に向かう。事の顛末を聞き嫌味を投げかけるひろと終始謝る凪・・そんな凪の髪をひろは傷付いたことを理由に数本引き抜き「今度やったら呪うからね?」と笑顔で告げる。ひろの言葉に二人の絆の深さを感じとる凪・・そんな中、「海野君に恋してるみたい」と幸の印象を語ったひろを思い出した凪は「俺のこと好きなの?」と幸に確認して・・

 

【感想と考察】
前話でエリカと同居していることがひろにバレてしまった凪ですが、今話では予定どおりに海の別荘に着いた4人の様子が描かれました。今回はさすがにシオンの参加とはならなかったみたいですね。 

水着に着替えたひろをチラ見し眼福状態の凪。スクール水着姿の幸を見るとエリカが買うか貸してあげるかすればいいのに!?と思ってしまいましたが、これは一部のファンへのサービスなのでしょうね。 

幸は凪のチラ見をチェックすべく駆け寄ったのかと思いきや、凪から話がある旨を聞いていた模様。聞きたい事は当然、なんでひろに同居していることを言ったのか?ということですが、そんな凪の問いに「言ったっけ?」と返す幸。内緒にしている旨を幸にも伝えていたのだから、聡い幸がこうなることに気づかないわけはなし。明らかに確信犯です。 

f:id:kitchan42:20210203175502j:plain

カッコウの許嫁 49羽目より

ただ家に呼んだ理由として話したのは『勉強を教えてもらうため』というものでした。ひろに家庭教師として家に来てもらえばお兄も会えるから嬉しいでしょ!?と話す幸。凪から教わることを拒否しての依頼ですが、当然、凪とひろが会う機会を増やすためではなし。36話で描かれた『やると決めたら完遂する』幸ですが、今回は兄の助けを受けずにやり遂げたいという気持ちが強いのかもしれませんね。妹ではなくひとりの女性として・・
そしてひろに頼む一番の理由はひろの事を知りお兄との進捗を探るためでしょう。現時点ではひろやエリカに後れを取っていますが、エリカ父やひろとのホットラインを持つことは幸にとって大きな意義があるわけです。

ひろに微妙に避けられていることに落胆する凪でしたが、エリカからの助け船を断りひとりで謝りに行くことを決意します。「そもそもパパのせい・・」と話すエリカに「それなら俺の親でもあるだろ!」と返すわけですが、この言葉は責任感が強く家族を大事にする凪の口癖。こういうやりとりが徐々にエリカの気持ちに刻まれていっているのだろうな~と感じます。

ひろを呼び出し事の顛末と弁解をする凪。浮気がバレて嫁にひたすら懺悔している旦那のようですが、「同居を決して好んでいた訳では・・」という言葉を口にしてすぐに取り消し、「楽しいから同居してたんでしょ・・?」というひろの問いに「はい」と答えていました。

その間に浮かんだのは31話でエリカから運命という言葉を聞いての自分と24話で「毎日がすごく楽しい」と話したエリカの顔。2週間のお試し同居が終わった7話でも一緒に居ることが楽しかったと凪は言っていたわけで、エリカと過ごす日々は凪にとって楽しく、その気持ちに嘘はないという気持ちが心の奥にあるのかもですね。

そんな凪に対し、ひろは次々と追い込む言葉を投げかけますが、最後は34話の「秘密はナシだよ?」に対する答えを持ち出して『そのくらい傷ついたんだよ』と語りました。これが正直な気持ちなのでしょうが、ここまでのひろを見る限り、余程のことがない限り許す前提でいたように見えるし、どちらかというと凪の反応を観察することに主眼を置いていた感じを受けます。エリカと凪の相性の良さや距離感は同居していると知る前から感じていたわけですからね。シャンプーの匂いも同じとまで言うぐらいですし・・

そんなわけでちと釘を刺すだけと思いきや・・ひろは凪の髪を数本引き抜いた挙句、意味ありげにこう告げました・・

「今度やったら 呪うからね・・?」

顔に髪の毛を当て笑顔で『呪う』と口にするひろ・・・いやいやいや怖すぎでしょ!?凪の髪を埋め込んで藁人形でも作るのか!?と思っちゃいますよね。

望まない後継ぎという立場から凪に頼りたいと思うのはわからなくもないですが、固執するヤンデレ感満載の言葉を使ったのだからただそれだけではないと勘ぐってしまいます。 

14話で「私の運命 変えて見せてよ」と言ったこともあって、凪が自分を奪って家を出ることを期待しているように読んでしまいがちですが、あれだけ神社の年中行事を手伝っている姿を見ると家を蔑ろにしようとしているとは思えない。目黒明神と神社本庁との関りはわかりませんが、配偶者が後継ぎとして宮司となり、自分は支える立場になると考えるのが一般的でしょう。

凪を好意の相手とだけ見ているようには思えない部分も多々あるわけで、それは同じような境遇からくるものなのか?それとも凪が天野家の血をひく者だからなのか?まだ語られていないひろの夢や42~43話で登場した天野家の写真が今後関係してくるのかもしれませんね。 

 

そんなひろとのやりとりを聞かされ、ドン引きのエリカと絆の深さを強調する凪。天然ながらの『いきすぎた冗談!?』として理解し、凪への思いがそうさせたと話すエリカですが、そんな二人の発言に幸は「ライバルとしてしか見られてない・・」と一刀両断。この様子を見る限り、ひろと真に打ち解けているとは思えないですね。凪を想うが故の言葉ですが、何か幸だけが感じ取っている部分があるのかもしれません。

そんな幸の発言に凪はひろとのやりとりを思い出すわけですが、その中身はひろが幸のことについて話すものでした。ひろが口にしたのは・・

「なんだか海野君に"恋”してるみたいだから」

「海野君にとって幸ちゃんはどんな妹なの?」と聞き、「幸さんてちょっと変わった子だよね」と話した挙句のこの言葉・・一見44話で人形劇をした際に思った事がこの発言につながったようにも思えますが、凪と幸が結婚可能なことと幸が凪に好意を持っていることとは別物。幸に家に呼ばれたことを不思議に思い、エリカと凪が帰ってくるまでの間に何か感じるものがあったと考えるべきでしょうね。今回の凪との会話を見ると、幸の話をすることがひろの目的だったようにさえ思えます。

f:id:kitchan42:20210203175644j:plain

カッコウの許嫁 49羽目より

幸を意識せざるを得ない言葉をエリカ父に続きひろにも投げかけられた凪。46話では幸自身に「アタシが結婚してって言ったらしてくれるの?」とまで言われた凪ですが、幸の自分に向ける好意には未だに気づいていなかったようで、「おまえ・・俺のこと好きなの?」と聞いてしまいました。最近のラブコメ主人公としてはポジティブシンキングで、ひろの言葉には想像を膨らませ一喜一憂する凪ですが、幸への対応は敢えて妹としか考えないようにしている感じ。46話で幸の問いに言葉に窮したことが大きく影響しているようです。

凪の問いに大テレしてしまった幸ですが、予告文によると次回は幸とひろが一触即発となる模様。そんな大ごとになるとは思いませんが、お互いに探り合いになるのは確かでしょうね。4人の関係性に変化が現れるのか・・次回も楽しみです。

 

※本記事にて掲載されている画像は「カッコウの許嫁/吉河美希週刊少年マガジン」より引用しております。 

 

カッコウの許嫁の感想と考察(48話)~私と凪くんだけの秘密じゃん~

f:id:kitchan42:20210127151242j:plain

カッコウの許嫁 48羽目より

ひろの言葉を検証すべく海の別荘へ行こう!と提案するエリカと買い出しに向かう凪。無事に買い物も終わってのバスでの帰り道・・「未だに同じ所に帰ることに違和感」と語り、一緒に住んでいることはばれないようにしないと・・」と話すエリカに同調する凪だったが、ひろに隠す理由としてふと零した「私と凪くんだけの秘密じゃん」という言葉に凪は引っ掛かりを覚える。受験勉強をするために留守番した幸を驚かそうと海着に着替え部屋の扉を開ける二人・・ただそこにはすでに二人が同居していることを知ったひろが居て・・

 

【感想と考察】
ひろに告白めいたことを言われたと凪から聞いたエリカがひろの言葉を検証しに行こうと二人に提案するところで終わっていた前回ですが、今話では検証方法として海の別荘に行くことがエリカから提案されました。46話の最後に描かれていた夏物=海水浴グッズがつながったわけです。

受験勉強を理由に留守番を申し出た幸を残し買い出しに向かう二人でしたが、エリカは海遊びに必要な物資に詳しい凪を見て意外に思った模様。その後はいつものように凪の思い出話となり、凪の家族をうらやましく思うエリカですが、ちと違和感があったのは、エリカの「海に行ってもいつも一人・・」という言葉。

43話では兄の存在が明らかになり、44話では兄とのエピソードが描かれていたのですが、浜辺を散歩するだけの幼いエリカを見る限り、兄との海での思い出はなかった模様。この事でわかるのは少なくとも最近ではなく幼い頃に離れ離れになったということ・・一つの仮説として以前の考察に書いた『父の意向に反して家を出た』というのはない感じですね。兄の存在は家族の姿に憧れるエリカの空想や願望なのかも!?とも思ってしまいます。

 

バスでの帰り道、隣同士に座る二人が話したのは、未だに同じ家に帰る時に違和感があるというもの・・いまさら何言っているんだ!?という感じですが、その後の「一緒に住んでることはひろちゃんにはバレないようにしないと・・」を見る限り、凪の気持ちを思って切り出した言葉だった模様。ただ次いで出てきたのは自分の気持ちも含んでのこの言葉・・

「私と凪くんだけの秘密じゃん」

「私と凪くんの秘密・・」ではなくわざわざ『だけ』と言ったのは気になるところ。凪を取り巻く当事者と言えば幸も居るわけですしね。『秘密』という言葉からも今の関係性を楽しんでいる感じを受けるので、あえて強調したかっただけでしょうか!?それとも気付いていない凪への気持ちがそうさせたのでしょうか!?

f:id:kitchan42:20210127151328j:plain

カッコウの許嫁 48羽目より

そんな会話をした二人は買い出しの成果を見せるべく海着に着替え、留守番していた幸を驚かそうとしますが、そこに居合わせたのはなんとひろでした。幸の勉強を見てやっている感じですが、ひろは幸が呼んだとのこと。そのひろは当然ともいえる確認の言葉を凪に投げかけます。

「海野君とエリカちゃんて 一緒に住んでたんだね!」

バスでの会話が一瞬にして無になるこの言葉・・ひろは一度エリカの家に来たことがあるわけで、そこに凪の妹”幸”から呼ばれているのだからもう言い逃れはできませんね。

f:id:kitchan42:20210127151408j:plain

カッコウの許嫁 48羽目より

そしてひろはおかしいと思った理由として衝撃の事実を口にします。

「2人っていつも同じシャンプーのにおいしてたし?」

完全にアウト・・セレブであるエリカと同じシャンプーのにおいが凪からしたら、おかしいと気付かれても仕方なし!!これが後付けではなく本当だとしたらかなり前から疑われていたことになります。凪の過去帳がエリカの家に置いてあったなど、許嫁関係と知る前から同居を疑うような出来事は度々あったわけですからね。 

そうなるとひろは同居を疑ったうえで凪に意味深な言葉をかけ続けていたことになります。確信したのは幸に呼ばれて家に来た時かもですが、疑いを持つ中で「もう秘密はナシだよ?」と袖を摘まんで言ったと思うとひろ・・ちょっと怖いですね。

 

ポリポリとお菓子を食べ悪びれない様子を見せる幸。これを見る限り幸がひろを呼んだのは二人が同居していることを知らしめるためだったのは明らか。直前に凪から聞いた『告白』の件を詳しく聞きたいだけなら連絡手段を使って確認すればいいことですしね。

そこまでして同居していることをひろに知らせたかった理由は何か・・ひとつは凪の事を軽蔑させるためでしょうか!?ひろは凪が好意を示す相手で許嫁の実姉を脅かす存在・・幸にとってもライバルなのだから凪争奪戦から離脱させようとしても不思議ではありませんね。

もうひとつは4人の関係や距離感を今のまま維持したいがため・・『告白』と聞いて幸は気が気じゃなかったはずですからね。ちなみに今回のやりとりで気になったのは幸とひろの関係。先般の勉強合宿は風邪をひいて参加できなかった幸なので、作中久しぶりの対面になるのですが、呼んだとなると連絡先を交換していたという事。となると思い出すのは37話での学校案内・・険悪なムードだったのに凪が駆け付けると二人の関係は急速に良化していました。この時に連絡先交換をしたのだろうと思いますが、その前に何か仲良しとなるべく言葉が交わされたのは間違いないところ。

この時点のひろは凪とエリカが許嫁であることは知っていましたが、幸が凪と結婚可能な存在であるとまで考えが及んでいないようでした。となるとこの時に兄への気持ちを幸が伝えたとは考えにくいわけで、許嫁が居ると知ったひろと仲良くなる言葉として考えられるのは、ひろの気持ちを認め応援するといった類の事でしょうか!?幸としてはひろと凪の関係を探る意味合いもあって連絡先の交換をした・・そう考えると44話の人形劇でひろが気付いたのは、あの時交わした言葉は幸の本心ではないという事なのかもしれませんね。そう考えると凪が悩んでるのではと思い、サイクリングに連れ出して元気づけたことにも合点がいきます。

 

次号の予告文には『違う意味でのドキドキの海へ』との文字。ひろと凪の関係がぎくしゃくするのか!?それとも関係が深まる出来事となるのか!?そしてシオンの登場がまたまたあるのか!?次回も目が離せません!! 

 

※本記事にて掲載されている画像は「カッコウの許嫁/吉河美希週刊少年マガジン」より引用しております。

 

 

 

カッコウの許嫁の感想と考察(47話)~"運命変わってる"気がしちゃったよ~

f:id:kitchan42:20210113163628j:plain

カッコウの許嫁 47羽目より

「俺は幸とも結婚できるらしい」とホテル王に言われたことから、エリカも兄と結婚できるってことを告げる凪。そんな中、凪は期末試験成績で1位となりひろに屋上に呼び出される。今回のテストで手応えを感じ、二度と負けることはないから「付き合って下さい」と再告白する凪。そんな凪にひろは『運命変わってる気がした』として「私の許嫁が海野君だったらよかったのに」と話す。告白されたと感じた凪はエリカと幸にその旨を話すが、それを聞いたエリカはひろの言葉を検証しに行こうと言い出して・・

 

【感想と考察】
前話の最後のシーンから海水浴の様子が描かれるのかと思いきや、一学期末の試験結果に関する話がメインでした。前回の予告文には確かに海水浴とは書かれていないので勝手にそう思ってしまったわけですね~やられました。

まず初めに描かれたのは水着姿のエリカの自宅プールでの撮影会。いつものインスタアップ用ですが、「・・で話って何?」とエリカが聞いているところを見ると、凪の方から写真撮影の手伝いを申し出た模様。つまり兄の事でエリカ父に会いに行った件について話がしたかったわけです。

f:id:kitchan42:20210113163723j:plain

カッコウの許嫁 47羽目より

報告したのは「俺は幸とも結婚できるらしい」と言われたことと、そのことにより考えられるもうひとつの事実・・『天野さんも兄と結婚できる』ということでした。

それを聞いて眼を丸くし「聞いていない」と返答するエリカ。振り向くことなく『聞いていない』と返しているので気付いていたとも気付いていないとも両方取れますね。ただこのリアクションを見るとその可能性はないのだろうと感じます。その理由は兄がどこに居るかわからないから?もうこの世にいないから?それともほかの誰かの許嫁だから?

 

場面は一転、一学期末試験の成績が配られたシーンへ・・凪は見事1位へと返り咲いていました。2位となったひろはまたも下駄箱に手紙を忍ばせ、放課後の屋上に凪を呼び出します。6話では10回連続でひろに勝てば付き合って欲しいと宣言した凪ですが、今回は不死鳥のごとく覚醒した・・マラソンで言う『ランナーズハイ』みたいだからもう二度と負けることはない!・・という理屈で「俺と付き合って下さい!!」と再告白。

そんな凪に対し、ひろは改めて付き合うことを否定しますが、その顔には笑みを浮かべており前回とは明らかに違う表情。そしてそのあとに続いた言葉は・・

「今回ばかりは"運命変わってる"気がしちゃったよ」

この言葉を使ったのは14話で凪が「俺がテストで10回勝ったら告白を受理してくれるでいいんだよね?」と確認した時に「私の運命 変えてみせてよ・・!」と返していたから。その言葉通り”変わってる気がした”のだから、凪への気持ちに変化が生まれているのは間違いないのでしょう・・『運命を変えてくれる唯一無二の存在』として。ただその後に続いた言葉は・・

「私の許嫁が海野君だったらよかったのにな」

これを凪は『告白』とポジティブにとらえていましたが、頻繁に思わせぶりなことを言うものの、幸が言うとおり『好き』とは言っていないのは確か。その前に「なんでこんなことになっちゃったのかなぁ・・」と言っているのを見ると、思い通りに事が進まなかったとも見て取れます。それは試験で1位が取れなかったことに対してなのか、それとも思っていた以上に凪に惹かれてしまっているということなのか・・

凪を信頼し競うことを楽しく思っているのは間違いないですが、今の段階では恋人関係になりたいとまでは考えられないのでしょうね。許嫁の存在がそう考える主因だと思いますが、それ以外にも凪と付き合えない理由があるのかもしれません。エリカや幸の存在がそうさせているとも考えられますが、ひろの性格を見る限りそうとも思えない。そうなるとやっぱり天野家と瀬川家の間で何か繋がりがあるのかもしれませんね。

ひろの許嫁が凪の実兄という可能性については、親同士が決める『許嫁』の片方が『いない存在』となっているというのはあり得ないことから可能性は低いと43話の考察で書きましたが、そんな複雑な関係も面白いのは確か。別荘で写真を見て不思議に思ったひろを見ると、エリカの横に写っている凪に似た子と面識があったとしてもおかしくはないですしね。

万が一ひろが許嫁の顔を知らないとしても、ひろの母はさすがに相手の写真を見たことがあるでしょう。そうなると兄にそっくりな凪に初めて会った13話の母の態度はかなり違和感がありますね。

今回ちょっとだけ登場したシオンもひろに許嫁がいる旨の話を聞いても驚かないところを見ると可能性がゼロではない・・ひろの許嫁の正体はまだまだ謎のままのようです。

 

家に帰った凪はエリカと幸にひろとのやりとりを聞いてもらいたかったようで、何度もため息をし「まいったな」と独り言。そんな中、エリカの期末テスト結果は前回より80位も順位を上げているとのことでした。ドベからとしても超進学校で大きく順位を上げたのだからそれなりに勉強をしたのでしょうね。ただ「ランナーズハイ」と凪と同じ言葉を使って得意げに話すのだから二人の気の合い方は特筆もの。凪はスルーしていましたけどね。

結局、凪の話を聞いてひろの言ったことを検証しに行こう!!とぶち上げるエリカ。エリカらしい行動ですが、次回の予告文を見ると”ひろに同居生活バレのピンチ"との文字。34話で「もう秘密はナシだよ?」とのひろの言葉に「もちろん」と約束した凪にとっては大きなピンチ。ひろの前でエリカか幸がいらぬことを口にしてしまい、結果二人の間に距離が出来てしまうのでしょうか!?次回も目が離せません。

 

kitchan42.hatenablog.com

kitchan42.hatenablog.com

 

※本記事にて掲載されている画像は「カッコウの許嫁/吉河美希週刊少年マガジン」より引用しております。 

 

カッコウの許嫁の感想と考察(46話)~アタシが結婚してって言ったら~

f:id:kitchan42:20210106122407j:plain

カッコウの許嫁 46羽目より

エリカ父との会食で凪と結婚する覚悟を問われてしまった幸。帰りが遅いことに苦言する凪を意識しつつも、夕飯担当のエリカが帰ってこないこともあって二人で買い出しと夕飯づくりをする幸だったが、二人でいるのに勉強しろとしか言わない凪につい「アタシが結婚してって言ったらしてくれるの?」と問うてしまう。いきなりの言葉に慌て真面目に答える凪・・そんな凪に幸は「本気にすんなし」と気持ちを誤魔化して・・ 

 

【感想と考察】
エリカ父との会食の様子から始まった今回。総理も利用するような貸し切り個室のある高級店で中学生と会食するエリカ父・・はたから見ると犯罪の匂いすらするわけですが、そんなことを気にする素振りも見せない・・いろいろすごいです(笑)

「今回の創作日本料理も気に入ってもらえてよかったよ」とあるので、22話で「2人のこと また報告してくれるかな?」と約束したとおりに情報交換しているようですね。それも幾度となく・・

f:id:kitchan42:20210106122731j:plain

カッコウの許嫁 46羽目より

そんな中、エリカ父は「君は何も聞いてこないんだね」と問うとともに、44話で凪に話したこの事に触れてきました。

「幸ちゃんには・・」
「凪くんと結婚する覚悟があったりするのかな・・?」

見る限り、幸にこの言葉を問いかけることが目的だったのでしょう。22話の会話で幸が凪を異性として意識しているのはすでに把握済み。今更幸の気持ちを量るのが目的ではないでしょう。恐らく双方に結婚を意識させ、二人の間で話題にするきっかけにしたかったのでしょうね。

幸と凪の結婚は前々回の考察で書いたとおりエリカ父にとっては利点があるわけですが、それはあくまで今の状況においてエリカと比べての事。凪と幸の結婚についてどこまで本気なのか全くわからないですが、凪を手中に収めたい感はアリアリ・・本当に食えないホテル王です。

ちなみに44話でもエリカ父の言葉に凪が答えるシーンはなかったわけですが、今回の幸も同じ描き方でした。当然、ごまかすような言葉を口にし平静を装ったのでしょうが、いろいろと想像してしまいます。

f:id:kitchan42:20210106122816j:plain

カッコウの許嫁 46羽目より

そんな幸は帰りが遅いことに苦言し勉強の進捗を口うるさく聞いてくる凪を意識しまくり。『昨日』という言葉だけで反応してしまい、ついこう聞いてしまいました。

「ホテル王に何か言われた?」
「アタシのこと・・」

本当にエリカ父の思い描くとおりの展開。ただ44話では幸と接触したことを気にした凪ですが、ここでは「なんで?」とだけ返し、問い詰めようとはしませんでした。凪らしいと言えばそれまでですが、この部分はラブコメらしいすれ違いの部分なのでしょうね。幸を必要以上に意識しないようあえて鈍感に徹している部分もあるのかもしれません。

 

夕飯担当のエリカが帰って来ず、スーパーに買い出しに出る幸と凪ですが、そんな二人の会話にいつも出てくるのは両親を思う気持ちに溢れる二人の幼い頃の姿。兄妹としての絆を感じる話ですが、そんな話をすることで幸は兄であることの垣根を設けようとし、凪も帰りが遅いことを心配したり受験勉強の進捗を気に掛けたりすることで兄であろうとしているようにも見えます。

ただ兄としての思いからなのか、それとも異性として意識しているからなのか、凪の言葉に過剰に反応してしまう幸。「せっかく2人でいるんだから・・」と言ってしまう様子からはどちらとも取れるわけですが、デリカシーのない言葉ばかりを言う凪に問うた言葉は・・

「アタシのことなんていつも相手にしてくれないクセに」
「じゃあお兄はアタシが結婚してって言ったら」
「してくれるの?」

つい口にしてしまったのでしょうが、眼はしっかりと凪を見据えているので、改めて凪の気持ちを確認したかったのでしょうね。25話で凪は「幸のことをひとりの女性としてちゃんと見ようと思う」と宣言していますしね。凪に「ホテル王に何か言われた?」と聞いていたところを見ると、エリカ父に問われて凪がどう返したのかが気になっていたのかもしれません。

f:id:kitchan42:20210106122911j:plain

カッコウの許嫁 46羽目より

そんな幸の衝撃発言に凪はエリカ父に言われた言葉を頭に浮かべ、こう返事しました。

「そんなことになったら・・」
「親がなんて言うと思ってるんだよ」

あまりに真面目な返答に吹き出す幸。ただ凪らしい真剣に考えての言葉なので、それを聞いた幸にも十分に気持ちが伝わった気がしますね。エリカがしばしば問いかけたりからかったりするのも凪が真剣に考えてくれるからであり、姉妹共々こういうところに惹かれているんだろうと感じます。

 

最後、久しぶりに登場したエリカ。夏物とは浮き輪などの海水浴グッズだった模様。現在真冬なわけですが、作画上は今から夏休みなんですね・・高校2年の夏となると楽しめるイベントが目白押し。またシオンの登場もありそうですが、エリカ父の仕掛けが再び発動するのか・・新たな展開が楽しみです。

 

kitchan42.hatenablog.com

 

※本記事にて掲載されている画像は「カッコウの許嫁/吉河美希週刊少年マガジン」より引用しております。 

 

カッコウの許嫁の感想と考察(45話)~早く大人になりたーい!!!~

f:id:kitchan42:20201223113840j:plain

カッコウの許嫁 45羽目より

ひろからデートの誘いがあり、実家のママチャリに乗り待ち合わせ場所に向かう凪。本格的な自転車スタイルで現れたひろに"近くて遠いもの"と謎かけされるとともにサイクリング競争を始めるが、その途中、エリカ父が経営するホテルの前を通りかかり、改めて実父の存在を再認識してしまう。目的地の海に着き謎かけの答えと誘った理由を話したひろは海に向かって「早く大人になりたーい!!」と叫び「いつでも側にいてあげるよ」と凪を元気づけて・・

 

【感想と考察】
予告された通り、ひろと凪のデートが描かれた今話でしたが、デートの中身は予想に反して海へサイクリングに行くというものでした。前話で女児の動物人形を使って凪とエリカの取り違え子シミュレーションをする姿が描かれたこともあって、もっとストレートに幸の立場について触れるのかなと思っていたのですが、誘った理由は悩んでモヤモヤとしているように見えたからスッキリしてもらおうと思って・・とのこと。ひろの言葉をそのまま受け取るわけにはいきませんが、煽り競争することで元気づけようとする姿は凪をよく知ったひろらしいやり方だなと感じました。 

待ち合わせてすぐに「近くて遠いもの」という謎かけ・・答えは『家族』だったようなので悩みの原因は複雑な『家族』事情にあると理解していた様子です。ただここで思ったのは”一体いつモヤモヤと悩んでいるように見えたのか?”という事・・前回の様子を見るとエリカと凪の”許嫁関係”しか頭になかった感じなので、一層そう思わせられます。

ひろと凪が接触したのは兄の存在が明かされる前であり、その時点の凪を見てそう思ったのだから、考えられるのは軽井沢の勉強合宿の一件でしょうか!?皆に何も言わずに幸の入院する病院に向かった事に何か引っかかるものがあった・・「それだけ大切ってこと・・なのかな」と話したものの、幸が『妹だけの存在ではない』事に気づいてしまい、凪もきっと悩んでいると思った・・という事なのでしょうかね。

ただ合宿した別荘で例の写真を見てもいるので、家族の悩み=幸の立場だけではない可能性も十分ありますね。「・・何だったんだろう」と言っていたのに何も問おうとしなかったところを見ると凪に兄がいるとまで理解できているのかも知れません。
そんな中、ひろは凪の「バカヤロー」に次いでこう叫びました・・

「早く大人になりたーい!!!」

「瀬川さんももしかして・・」と言っているので凪もすぐその意味がわかったようですね。強気なひろが日頃凪に頼りたい気持ちを表すのだから、ひろも家族の事情で悩んでいると気づくのは容易なこと。大きな神社の跡取りで許嫁がいることは明かされていますが、それ以上のことは伏せられたまま。ひろの母は凪を警戒しているし学年1位にこだわるひろを快く思っていない様子・・これだけたくさんの趣味ができていることから見ても母との関係がうまくいっていないのは間違いないですしね。最後の「モヤモヤになった時はいつでも側にいてあげるよ」を見る限り、エリカや幸とは違う自分の立ち位置で凪と向かい合おうとしている感じを受けました。

 

一方、凪はというと・・目的地の海に向かう途中、エリカ父が経営するホテルの前を通りかかり、改めて自分の本当の父親は天野社長であることを再認識していました。ただ直後にエリカ父の言葉を思い出し、「あんな人・・」扱いしてその認識を否定しようとする・・凪の心は大揺れですね。エリカ父の揺さぶりがよく効いているようです。

 

次回の予告文を見ると「幸と庶民派お買い物デート」とのこと。ひろに元気づけられたことでエリカ父と戦う意志を固めた凪ですが、このタイミングでの幸とのデート・・エリカ父に「妹の幸ちゃんと結婚すればすべて丸く収まる・・」と言われたことを意識してしまうのでしょうか!?次回も楽しみです。

 

 ※本記事にて掲載されている画像は「カッコウの許嫁/吉河美希週刊少年マガジン」より引用しております。

 

カッコウの許嫁の感想と考察(44話)~もう気付いているんだよね?~

f:id:kitchan42:20201209115338j:plain

カッコウの許嫁 44羽目より

お兄ちゃんあるある話に盛り上がるエリカと幸。お姉ちゃんになるのが早かったのは妹の気持ちがわかるからだと幸に言われたエリカは、自分も幸と同じような感情を兄に持っていたのかも?と口にする。一方、兄がいないことになっている理由を問うためにエリカ父のもとを訪れた凪だったが、エリカの写真を見せられてはぐらかされた挙句、「妹の幸と結婚すればすべて丸く収まる」と意味深は言葉を投げかけられてしまう。そんな凪のもとにひろから2度目のデートのお誘いが入り・・

 

【感想と考察】
今話の冒頭に描かれたのは小さい頃の凪の兄とエリカの仲良き姿。これを見る限り、間違いなく凪の兄は存在していた模様。ちょっと意地悪だけど優しい・・凪の兄はそんなキャラだったようですね。 

f:id:kitchan42:20201209115603j:plain

カッコウの許嫁 44羽目より

お兄ちゃんあるある話を延々と続けるエリカを見て、自分のお姉ちゃんにいち早くなれたのは『妹のアタシの気持ちがわかるから』だったんだねと幸は指摘するわけですが、その言葉を聞いたエリカが口にしたのは次の言葉・・

「幸ちゃんが凪くんに持ってる感情と」
「同じ感情持ってたのかもね!」

27話で「好きじゃない!!まだ!!」と口にしたエリカなので、無意識に恋愛めいた感情を持っていたと想像するのは難くない。言い換えれば凪に兄を重ねていたからこそ意識せずにいられたとも言えますね。徐々に変わりつつありますが・・

f:id:kitchan42:20201209115800j:plain

カッコウの許嫁 44羽目より

一方、兄がいないことになっている理由を確認すべく、エリカ父のもとを訪れた凪ですが、案の定うまくはぐらかされてしまいます。エリカからさんざん聞かされてきましたが、エリカ父は本当に何を考えているかわからない・・手強すぎですね。

問い詰める際は「家族ならエリカさんが探していることもご存じなんですよね?」と二人の関係を探る様子も見せていました。前話でエリカと約束したからこその行動なので当然ではあるのですが、何気にエリカを思う気持ちに溢れたやり取りに見えました。

そんな中、エリカ父が切り出したのは22話で会った幸の事でした。「君と幸ちゃんは随分仲がいいみたい」と口にした挙句、飛び出したのは少々衝撃的な次の言葉・・

「妹の幸ちゃんと結婚すればすべて丸く収まる・・」

エリカ父としてはこれが正に本題だったのでしょう。事前に「もう気付いているんだよね」と念押ししているのを見ると、そう誘導しようとしているとともに凪の反応を確認しているように見えます。

22話を思い返せば幸のことを色々探っていました。「凪くんとエリカはどう見える?」と問うことにより凪に対する感情を把握し、最後は運転手に「カッコウの卵って知ってる?」と質問。要は幸がエリカ父の計画において重要な役割を果たすわけですね。ではエリカ父の衝撃発言はどういう意味なのか・・・

『エリカと結婚する』と『幸と結婚する』の違いは凪がどちらの籍を選ぶかという部分。エリカと結婚するのなら海野家の長男"海野凪”のままでも表面上問題はありません。取り違え子が発覚した以上、双方の合意等のもとに実親の籍に戻すのが筋ですが、現状の凪は"実親と同等の生活実体がある"海野の両親を親として選ぶ考えですしね。

一方、幸と結婚するならば海野家の兄妹のままでは不都合であり、凪は取り違え子として実親である天野家の籍に入ることを了承せざるを得ない。

ではエリカとの間に許嫁関係を結んでいるにもかかわらず、こんな提案をするのはどういうことなのか・・結婚できる歳になってすぐさま凪との許嫁関係を結んだのは幸と結婚させるためだったのでしょうか!?それとも凪に逃げ場をなくすための包囲網なのか!?

凪と幸が結婚するとなると凪はエリカの義弟となる・・そう考えると兄を探しているエリカの気持ちを考えての事とも考えられますが、もしそうだとしてもエリカ父が兄の存在を否定する必要も意味もわからない。

1話で両家の母が「実の子も育ての子も大切」「二人が結婚すれば二人とも自分の子供になる」とだけ話していたことを考えるとこれはエリカ父だけの考えなのでしょうね。少なくとも海野家の両親が同意することはないような気がします。となると凪を試しているという可能性もありますね。

男女間での取り違えだけでなく、取り違え子が起きた事実に両家が和気藹々と対応している様子にも違和感があるわけで、いまだにわからない事ばかりです。

 

最後はひろからの2度目のデートのお誘いが来たシーンで終了したわけですが、その前に描かれていたのは、ひろが女児2人が持ってきた動物人形を使って凪とエリカたちの取り違え子シミュレーションをする姿でした。凪がエリカではなく幸と結婚しても成立するのか!?と考えていたところを見ると、何かの気付きがあり、凪に確認したくてデートのお誘いをしたという事なのでしょうね。

次号の予告文には「ひろとの恋路はただひたすらに真っ直ぐ長く・・」とあるのでひろとのデートが描かれるのだろうと思いますが、サブタイトルの「近くて遠いもの」を見ると楽しい話ばかりではない感じ。またまた次が楽しみでなりません。

 

※本記事にて掲載されている画像は「カッコウの許嫁/吉河美希週刊少年マガジン」より引用しております。