五つ葉のクローバーの超主観的考察

~恋愛マンガの名作「めぞん一刻」を皮切りにラブコメ漫画の気になった点を超わがままに考察しています!~

カッコウの許嫁の感想と考察(50話)~変わらない関係なんてないんだよ~

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カッコウの許嫁 50羽目より

凪に「俺の事 好きなの?」と問われたことからひろを問い詰める幸。凪への好意を否定し約束が違うと話す幸だったが、ひろに「違った?」「ずっと変わらない関係なんてないんだよ」と言われ言葉に窮してしまう。一方、屋外ジャグジーを満喫中の凪はエリカが入ってきたことに大慌て。「ずっとこんな毎日が続けばいいのにね」と話すエリカだったが、凪が真っ裸だったことに驚き赤面してしまう。夜を迎えベッドが2-2の造りであることをエリカに告げられ部屋割りで揉める4人。そんな中ひろからクジ引きの提案があって・・

 

【感想と考察】
「俺の事 好きなの?」と凪に問われ、幸が赤面するところで終わっていた前回。今回はその続き・・幸とひろの一触即発の様相から描かれました。 

ひろの前に立ち「どういうことですか?」と問う幸。前回の描写を見ると凪の頭で回想しただけか!?と思っていましたが、その時は「急に何!?」と聞き、今回は「なんでお兄にそんなこと言ったんですか?」と問うているところを見ると、直後に凪からひろとの話を聞いたわけですね。

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カッコウの許嫁 50羽目より

「ちょっとした話の流れで・・」と誤魔化すひろに「アタシのこと勝手に決めつけないでください」と気色ばむ幸。ただ直後に「違った?」とけしかけているのでひろとしては思っていたような展開だったのでしょう。初めて会った時から幸は敵対心むき出しだったわけで、幸の兄への想いにひろが気づいていても不思議はないですからね。つまり幸を煽るのが目的だった。その問いを否定した幸は次のように問い詰めます。

「だいたい約束と違いますよね?」

『約束』をしたのは直後の回想を見る限り37話でのこと。この時ひろは自分にも許嫁がいることをカミングアウトし「海野君は気になるかな?」と話したわけですが、実はその後に「だから海野君のことは"ライバル”としか見てないよ」と言った模様。幸はこの言葉を『約束』と捉え、ひろを信用することにしたという事なのでしょうか!?

ただ直後の言葉を見るともう一歩踏み込んで話をしたようにも思えます。例えば許嫁である実姉とお兄の関係を邪魔しないように・・とかでしょうか!?
そんな幸の「でも今は違いますよね?」の問いにひろが返した言葉は・・

「ずっと変わらない関係なんてないんだよ」

気持ちが変わったとも取れるこの言葉・・ひろの凪に対する気持ちがどのような変遷を経てきたのかはわからないですが、この時点ですでに凪に惹かれていたのは確かでしょう。あれだけ何度も意味深な言葉を投げかけているわけですしね。ただその後に大きく気持ちが変わったとしてもおかしくない。それは別荘で見た写真で何かに気づいたからなのか?それとも幸にも可能性があるならば自分にも勝機があるとの判断からなのか?

「幸ちゃんだってそう思うでしょ?」と確認しているところを見ると、ひろが今回したかったのはこの言葉を伝えることだったのかもしれませんね。もっと言えば自分をライバルと再認識させることが目的だった・・

ひろの言葉にエリカ父の「凪くんと結婚する覚悟があったりするのかな?」発言を思い出す幸。これを見る限り人形劇でのひろの気づきはこの事だったのだろうと思うし、妹という難しい立場の幸が自分の気持ちと正直に向き合うための手助けをひろはしたかったのだろうと解釈しています。

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カッコウの許嫁 37羽目・50羽目より

ただこのやり取りを見てちと疑問に思ったのは幸の回想のある部分。37話時では「私ね・・許嫁がいるんだよ」と言ったのは「でも海野君は気になるかな」の前だったのに対し、今話ではその言葉の後になり、『ライバルとしか見てない』の理由付けとして使われています。これは作者が考えを変えての事なのか?それとも幸の記憶違いなのか?・・少々気になりました。

 

そんな二人のやり取りをよそに凪は真っ裸で屋外ジャグジーを満喫していました。エリカが入ってきたことに大慌てする凪と凪の裸を見て赤面するエリカはお決まりの構図ですね。そして葛藤する凪にエリカが口にしたのはこの言葉・・

「ずっとこんな毎日が続けばいいのにね」

ひろの「変わらない関係なんてないんだよ」とはあまりにも対照的なこの言葉・・直前の「こういうの憧れだった」「ずっと一人で友達もいなかった」「こんな日が来るなんて思わなかった」と同じく、凪との会話ではよく出てくるニュアンスの言葉です。凪と一緒に過ごす時間は余程大切に思えるものなのでしょうね。ただ「ずっと一人・・」という言葉を見るとまたも「兄はどうしたのか?」と思ってしまいますね。

警備上の理由で学校の行事も不参加だったと話した14話を見る限り、凪と会うまでは厳しく育てられ友達と出かけるなんてこともなかったのだろうと思います。ただ凪と許嫁関係になって以降はほぼ自由にさせている印象があり、エリカ父の中でエリカの位置づけが変わった様子が伺えます。やっぱり凪を天野家の後継者とするための画策なのでしょうかね・・

 

最後はベッドが2-2とのことで部屋割りをすることになった4人。幸にリビングで寝ればと言われた凪は蜘蛛がいることを理由に「寝ずに過ごす」と言い切りますが、そんな中、ひろから提案されたのはクジ引きによる部屋割りでした。

凪は誰と同じ部屋になるのでしょうね?ひろと同じ部屋となればドキドキすること間違いなし。ただその組み合わせだと幸が何か再提案しそうだし、ひろはそんな展開も織り込み済みで幸の心情を探るいい機会と捉えそうですね。許嫁という理由でエリカ&凪が同じ部屋になっても話すことがなさそうだし、やっぱりお互いに意識している兄&妹が同じ部屋になるのが一番展開的には面白そう・・次回が楽しみです。

 

※本記事にて掲載されている画像は「カッコウの許嫁/吉河美希週刊少年マガジン」より引用しております。