五つ葉のクローバーの超主観的考察

~恋愛マンガの名作「めぞん一刻」を皮切りにラブコメ漫画の気になった点を超わがままに考察しています!~

カッコウの許嫁の感想と考察(49話)~今度やったら呪うからね・・・?~

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カッコウの許嫁 49羽目より

エリカと同居していることがひろにバレてしまった凪はエリカ、幸、ひろと海の別荘へ。微妙に自分を避けるひろの様子に懺悔の旅行になってしまったと後悔する凪はエリカの助けを断りひとりでひろの元に向かう。事の顛末を聞き嫌味を投げかけるひろと終始謝る凪・・そんな凪の髪をひろは傷付いたことを理由に数本引き抜き「今度やったら呪うからね?」と笑顔で告げる。ひろの言葉に二人の絆の深さを感じとる凪・・そんな中、「海野君に恋してるみたい」と幸の印象を語ったひろを思い出した凪は「俺のこと好きなの?」と幸に確認して・・

 

【感想と考察】
前話でエリカと同居していることがひろにバレてしまった凪ですが、今話では予定どおりに海の別荘に着いた4人の様子が描かれました。今回はさすがにシオンの参加とはならなかったみたいですね。 

水着に着替えたひろをチラ見し眼福状態の凪。スクール水着姿の幸を見るとエリカが買うか貸してあげるかすればいいのに!?と思ってしまいましたが、これは一部のファンへのサービスなのでしょうね。 

幸は凪のチラ見をチェックすべく駆け寄ったのかと思いきや、凪から話がある旨を聞いていた模様。聞きたい事は当然、なんでひろに同居していることを言ったのか?ということですが、そんな凪の問いに「言ったっけ?」と返す幸。内緒にしている旨を幸にも伝えていたのだから、聡い幸がこうなることに気づかないわけはなし。明らかに確信犯です。 

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カッコウの許嫁 49羽目より

ただ家に呼んだ理由として話したのは『勉強を教えてもらうため』というものでした。ひろに家庭教師として家に来てもらえばお兄も会えるから嬉しいでしょ!?と話す幸。凪から教わることを拒否しての依頼ですが、当然、凪とひろが会う機会を増やすためではなし。36話で描かれた『やると決めたら完遂する』幸ですが、今回は兄の助けを受けずにやり遂げたいという気持ちが強いのかもしれませんね。妹ではなくひとりの女性として・・
そしてひろに頼む一番の理由はひろの事を知りお兄との進捗を探るためでしょう。現時点ではひろやエリカに後れを取っていますが、エリカ父やひろとのホットラインを持つことは幸にとって大きな意義があるわけです。

ひろに微妙に避けられていることに落胆する凪でしたが、エリカからの助け船を断りひとりで謝りに行くことを決意します。「そもそもパパのせい・・」と話すエリカに「それなら俺の親でもあるだろ!」と返すわけですが、この言葉は責任感が強く家族を大事にする凪の口癖。こういうやりとりが徐々にエリカの気持ちに刻まれていっているのだろうな~と感じます。

ひろを呼び出し事の顛末と弁解をする凪。浮気がバレて嫁にひたすら懺悔している旦那のようですが、「同居を決して好んでいた訳では・・」という言葉を口にしてすぐに取り消し、「楽しいから同居してたんでしょ・・?」というひろの問いに「はい」と答えていました。

その間に浮かんだのは31話でエリカから運命という言葉を聞いての自分と24話で「毎日がすごく楽しい」と話したエリカの顔。2週間のお試し同居が終わった7話でも一緒に居ることが楽しかったと凪は言っていたわけで、エリカと過ごす日々は凪にとって楽しく、その気持ちに嘘はないという気持ちが心の奥にあるのかもですね。

そんな凪に対し、ひろは次々と追い込む言葉を投げかけますが、最後は34話の「秘密はナシだよ?」に対する答えを持ち出して『そのくらい傷ついたんだよ』と語りました。これが正直な気持ちなのでしょうが、ここまでのひろを見る限り、余程のことがない限り許す前提でいたように見えるし、どちらかというと凪の反応を観察することに主眼を置いていた感じを受けます。エリカと凪の相性の良さや距離感は同居していると知る前から感じていたわけですからね。シャンプーの匂いも同じとまで言うぐらいですし・・

そんなわけでちと釘を刺すだけと思いきや・・ひろは凪の髪を数本引き抜いた挙句、意味ありげにこう告げました・・

「今度やったら 呪うからね・・?」

顔に髪の毛を当て笑顔で『呪う』と口にするひろ・・・いやいやいや怖すぎでしょ!?凪の髪を埋め込んで藁人形でも作るのか!?と思っちゃいますよね。

望まない後継ぎという立場から凪に頼りたいと思うのはわからなくもないですが、固執するヤンデレ感満載の言葉を使ったのだからただそれだけではないと勘ぐってしまいます。 

14話で「私の運命 変えて見せてよ」と言ったこともあって、凪が自分を奪って家を出ることを期待しているように読んでしまいがちですが、あれだけ神社の年中行事を手伝っている姿を見ると家を蔑ろにしようとしているとは思えない。目黒明神と神社本庁との関りはわかりませんが、配偶者が後継ぎとして宮司となり、自分は支える立場になると考えるのが一般的でしょう。

凪を好意の相手とだけ見ているようには思えない部分も多々あるわけで、それは同じような境遇からくるものなのか?それとも凪が天野家の血をひく者だからなのか?まだ語られていないひろの夢や42~43話で登場した天野家の写真が今後関係してくるのかもしれませんね。 

 

そんなひろとのやりとりを聞かされ、ドン引きのエリカと絆の深さを強調する凪。天然ながらの『いきすぎた冗談!?』として理解し、凪への思いがそうさせたと話すエリカですが、そんな二人の発言に幸は「ライバルとしてしか見られてない・・」と一刀両断。この様子を見る限り、ひろと真に打ち解けているとは思えないですね。凪を想うが故の言葉ですが、何か幸だけが感じ取っている部分があるのかもしれません。

そんな幸の発言に凪はひろとのやりとりを思い出すわけですが、その中身はひろが幸のことについて話すものでした。ひろが口にしたのは・・

「なんだか海野君に"恋”してるみたいだから」

「海野君にとって幸ちゃんはどんな妹なの?」と聞き、「幸さんてちょっと変わった子だよね」と話した挙句のこの言葉・・一見44話で人形劇をした際に思った事がこの発言につながったようにも思えますが、凪と幸が結婚可能なことと幸が凪に好意を持っていることとは別物。幸に家に呼ばれたことを不思議に思い、エリカと凪が帰ってくるまでの間に何か感じるものがあったと考えるべきでしょうね。今回の凪との会話を見ると、幸の話をすることがひろの目的だったようにさえ思えます。

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カッコウの許嫁 49羽目より

幸を意識せざるを得ない言葉をエリカ父に続きひろにも投げかけられた凪。46話では幸自身に「アタシが結婚してって言ったらしてくれるの?」とまで言われた凪ですが、幸の自分に向ける好意には未だに気づいていなかったようで、「おまえ・・俺のこと好きなの?」と聞いてしまいました。最近のラブコメ主人公としてはポジティブシンキングで、ひろの言葉には想像を膨らませ一喜一憂する凪ですが、幸への対応は敢えて妹としか考えないようにしている感じ。46話で幸の問いに言葉に窮したことが大きく影響しているようです。

凪の問いに大テレしてしまった幸ですが、予告文によると次回は幸とひろが一触即発となる模様。そんな大ごとになるとは思いませんが、お互いに探り合いになるのは確かでしょうね。4人の関係性に変化が現れるのか・・次回も楽しみです。

 

※本記事にて掲載されている画像は「カッコウの許嫁/吉河美希週刊少年マガジン」より引用しております。