五つ葉のクローバーの超主観的考察

~恋愛マンガの名作「めぞん一刻」を皮切りにラブコメ漫画の気になった点を超わがままに考察しています!~

カッコウの許嫁の感想と考察(59話)~どうして一緒に暮らしているんだ・・!!~

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カッコウの許嫁 59羽目より

家事の負担が凪に全部かかっていると知ったひろは朝ごはんを作ることに。その様子を見て凪を責めるエリカと幸・・そんな二人に凪は「ひろに気を遣わせてしまっている!」と話し家事を分担することを決定する。朝食担当となったひろは出汁へのこだわりを主張しかつお節を削ることから始めたため昼になっても朝ごはんが出来ない事態に・・業を煮やした凪は今の俺たちにピッタリと他人丼を作り食卓を囲むが、3人とは他人と再認識したこともあってか「どうして一緒に暮らしているんだ!?」と皆の前で涙を流してしまう。部屋に戻り泣いた理由を考える凪・・そんな凪にエリカは『幸せだったんだと思う』と伝えて・・

 

【感想と考察】
予告文で推測されたとおり、ひろの同居に伴って家事分担を行う様子が描かれた今回。凪の家事能力の高さと同時にひろの家事スキルのレベルを測ることができたエピソードでした。

家事全般を凪がやっていると知り朝ごはんを作ろうとするひろ。幸も同居翌日には朝食を作っていたので定番の気遣いですが、そこでひろが取り出したのはかつお節!?家出してきたような勢いだったのに、ちゃんと削り器まで持参しているところを見ると瀬川家では節を削って出汁に使うのが定番なのでしょうね。結局できずじまいでしたが、できていたら和の朝食だったのでしょう。

ひろがパタパタと朝食の準備をしている様子を見て凪を責めるエリカと幸でしたが、凪は「瀬川さんに気を遣わせてしまっている!!」と家事を分担することを独断で決定!それにしても幸の受験勉強は家事を分担できない理由としてわかりますが、エリカは何回も自分でやろう!と意気込んだのに未だ洗濯もやっていないんですね。洗濯物を凪に任せるなんて、とても年頃の女性とは思えませんが、そこはお嬢様育ち・・感覚が違うのですね。

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カッコウの許嫁 59羽目より

家事分担表が出来ても、朝食ができる気配はなく未だかつお節を削ることにこだわるひろ。「削り節の厚さにムラがあるとエグミが出る」と話す様子からはこだわりを感じるし職人気質が見て取れます。負けず嫌いで何事にも手を抜かないひろの性格がよく出ていると感じますが、見方を変えれば優先順位や段取り決めができないということ。時短を必要とする家事はあまり得意ではないとも言えますね。ただとても凝ったものを作りそうではあります。

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カッコウの許嫁 59羽目より

ドラム式洗濯機を使いこなせない幸にテレビに埃が溜まっていると小姑するエリカ。そんな二人の行動も相まって業を煮やした凪は、残り物を使って『他人丼』を作り皆に振る舞います。ただこの『他人丼』は意味を成すもので単に鶏肉がなかっただけではなかった模様。改めて3人との関係性を再認識し、『他人』と感じたからこその料理でした。そんな凪の想いから綴られた言葉は・・

「なのにどうして一緒に暮らしているんだ・・!!」

「何をいまさら!?」「何ひとりだけ感傷的になっているの!?」という感じですが、3人の行動や価値観が自分と違いすぎて、ついそのように考えてしまったというところでしょうか。ヒロイン3人とも結構サバサバ系・・一方、変なところで繊細なのが男の性・・同居する事で色々アラも見えてくると57話でエリカが言っていましたが、3人の異性と暮らすのだから凪なりに色々思うのは当然の事。エリカ父の謀略により始まったことなので尚さら感じるものがあるのかもしれません。

ただここまで想いが高ぶるとまでは凪自身も思っていなかった模様。部屋(倉庫)に戻り、3人の前で泣いたことを恥じるとともに泣いた理由を考える凪。そんな凪の前に現れたのはエリカでした。庭に水まきしながら凪にかけた言葉は・・

「凪くんはさぁ・・」
「幸せだったんだと思うよ!」

ひろが同居する事となり倉庫に追いやられた57話でも凪の元を訪れたエリカ・・今回水まきしながら声をかけたのも偶然ではなく凪にこの言葉を伝えたかったからなのでしょうね。こういうところはメインヒロインしています。

『幸せ』という言葉を使ったのは、信頼や想いを寄せてくれる3人に囲まれているから・・なのでしょうか!?ただ『他人』という言葉に注目すると幸の事を念頭にエリカは話したように思えます。『幸せ』を名にする妹は血の繋がりがない故に悩みは尽きないが、他人だからこそ可能となる幸せもあるわけで、そんな風に幸の事で想い悩めることを幸せと感じてほしい・・そんなエリカの気持ちを感じました。

ちなみにエリカの言葉を聞いた凪はすっと心が軽くなったようでした。「どうして一緒に暮らしているんだ」と言った真意はわかりませんが、 エリカの言葉がおおむね的を得ていたのは間違いなし。一方でエリカの言葉だったからこそそう思えたとも見て取れます。エリカと同様に一緒に居ることを楽しいと評していた凪・・何気にいつもエリカの言葉に助けられているわけでエリカへの依存度は思いのほか高いようです。

 

最後に・・今回は内容がわかるような次号予告文はありませんでした。ただアニメ化記念のCカラーで巻末話なので何か大きな動きがあるのでは?と期待してしまいますね。動きがあるとしたら瀬川家によるひろの連れ戻しでしょうか!?親と喧嘩して家出しエリカたちの家に居候という状況なのにひろ母が何も動かないのはありえませんからね。今回、凪が涙したのを次回の伏線ととればそういう展開もアリ。そうなるとひろの許嫁の正体も少し見えてくるのかもですね。次回も楽しみです!!

 

 ※本記事にて掲載されている画像は「カッコウの許嫁/吉河美希週刊少年マガジン」より引用しております。