五つ葉のクローバーの超主観的考察

~恋愛マンガの名作「めぞん一刻」を皮切りにラブコメ漫画の気になった点を超わがままに考察しています!~

めぞん一刻を読み返して(3巻)

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めぞん一刻 23話より

■■ 第22話 あなたのソバで
時は年末。一の瀬さん、四谷さんは帰省。大晦日を管理人室で過ごす予定であった朱美さんは「五代も来れば」と誘うも急遽スキーへ。響子と五代ふたりきりで過ごすことになった大晦日。絶好の機会も間が悪い五代は手を出せず。でもおかげで一緒に二年参りに行くことに。

【解説及び感想】
五代くんとふたりきりになることを怖がる響子さん。そう一刻館に来た当初、五代くんはドサクサにキスを迫ったりしてましたしね。でも一番怖いのはそういう関係になってしまうこと・・・

一方、まだまだ積極的に響子さんに迫ろうとしている五代くん。間が悪くて手さえ握れませんでしたが・・

※ 急遽、年越しを五代とふたりきりで過ごすことになったことに怯え「惣一郎さん、どうか私をお守りください」と祈る響子さん。これまでも第4話「暁に鐘は鳴る」第5話「春遠からじ」第9話「アルコール・ラブコール」第12話「行きがけの駄犬」で惣一郎さんに謝ったりしていたのですが、今話以降そのような言動がなくなります。五代を信用するようになったのでしょうか?

 

■■ 第23話 帰らざる彼
五代が帰省からなかなか帰ってこないことに響子は徐々にイライラ。初めは「これも親孝行・・」と言っていたのが「・・どーのこーの言ったってまだ子供ですもの」へ。親から強制送還された五代の顔を見て見せられない顔になっていたことが原因とわかり、響子さんに久しぶりの笑顔が戻る。

【解説及び感想】
テニススクールでも帰ってこない五代が気になる響子さん。三鷹さんとのお茶も早々に切り上げた理由が「出迎えてあげないとかわいそうだから・・」理由が必要ですからね。

2階の廊下をモップ掃除する際に、5号室のドアを寂しげな表情で叩く響子さんが印象的です。理由はわからないけど寂しいんですよね。

※ 管理人に就任して以来、五代と関わることが多かった響子さんですからいないと寂しいようです。住人たちも寂しがるぐらいですから・・いないと寂しい気持ちになるのだから単に「好きと言ってくれた人」ではなく「気になってしまう人」になっているんです。

 

■■ 第30話 混乱ダブルス

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めぞん一刻 30話より

響子と五代がペアを組み、三鷹・一の瀬ペアとテニスをすることに。三鷹が「あなたと生涯ペアを組みたい」とプロポーズしたのに響子の「ペアを組んでプロのテニスプレイヤーになんて・・とてもなれませんわ」との返事に一同ボー然。 

【解説及び感想】
五代くんと一の瀬さんの会話から、響子さんに何かあったと気づく三鷹さん。「球スジの微妙な乱れが心迷いをもの語っています」というハッタリはさすがです(笑)

「あなたと生涯ペアを組みたい」とプロポーズした三鷹さんに対し、「ペアを組んでプロのテニスプレイヤーになんて・・とてもなれませんわ」と返事する響子さんもさすがです(笑)ニブいところがある響子さんですが、本気で言ったのかはぐらかしたのかどうなんでしょう?

※ いつものコメディと思って読んでしまいますが、実はかなり重要なことがあります。

五代さんは私の(惣一郎を想う)気持ちを理解してくれる人」と響子さんが思ったことです。

響子さんの惣一郎さんを想う気持ちは結婚一週間前(第160話 桜の下で)まで続きます。このとき響子さんは「惣一郎さんを忘れることはできない」「忘れたら本当に惣一郎さんは死んでしまう」等々思っている人です。

響子さんは第26話「家族の焦燥」~第29話「私は負けない」で実家(一部音無の義父)との再婚話で疲れきっていました。再婚話ばかり言われ「絶対再婚なんてしない」と考えるところを、五代の一言でときほぐしたのではないでしょうか?

※ それまで、どさくさに紛れてキスを迫ったり何かと触ろうとしたり、未亡人とわかった後でも映画に誘おうとするなど結構、積極的にアプローチしていた五代くんですが、これ以降、誘うのはおろか迫ることは少なくなっていきます。

 

■■ 第31話 三年待って
デート先で三鷹からわかりやすくプロポーズされた響子は銭湯の帰り道、一の瀬さんからの詮索を逃げるように五代と公園へ。「時間がたったらどうなるかわかんないけど、今はね・・・」と話す響子に五代は「あと三年 三年は管理人やっていて欲しい・・・」とお願いする。

【解説及び感想】
出かける前の五代くんとの会話で「デート」という言葉を否定する響子さん。三鷹さんは第20話「影を背負いて」で言ったようにお友達なのでしょうか?

「あなたと生涯ペアを組みたい」よりは「ぼくが飼う犬は惣一郎さんだけです」の方がわかりやすかったのですね(笑)でもプロポーズとわかっても響子さん、結構冷静な対応・・三鷹さんに特別な感情がないようです。公園で「今の私になにを言っても仕方ないのに・・」と話すぐらいだから、まだまだ門前払いというところでしょう。

五代くんの「あと三年 三年は管理人やっていて欲しい・・・」にも響子さんは「三年・・?」とだけ答え、最後の「あと五年待ってください」にもよくわからない様子です。

※ 第9話「アルコール・ラブコール」& 第11話「三鷹、五代!!」以来の五代の告白だった「あと三年 三年は管理人やっていて欲しい・・・」という言葉。「三年・・?」としか答えませんでしたが、今後、響子さんはしっかり覚えています。そして大学を卒業するまで待ってという意味を理解します。覚えているからこそ第73話「がんばってくださいね」で「一年ぐらい待ちますから」につながるのです。

※ 五代から響子さんへ結婚を意識するような言葉を言ったのはこれが初めて。五代本人はまだそこまで考えていなかったのかもしれませんが響子さんは「本気なんだ・・」と思ったのかもしれません。次に五代が結婚を意識するような言葉を言うのは第85話「青田枯れ」です。

 

■■ 第32話 怒りのウィドウ
高校時代の同級生からも再婚を勧められ五代と三鷹との再婚を初めて想像した矢先、一の瀬さんからこずえちゃんがご飯を作りに五代の部屋に来るとの話を聞きイライラ。デートの待ち合わせ場所に行く途中、犬の美容室で女性と抱き合っている三鷹の姿を目にし響子の怒りはおさまらない。

【解説及び感想】
高校時代の同級生の言葉があったとはいえ再婚を想像したことは響子さんにとって大きな前進。

こずえちゃんへのヤキモチ的な感情は、第15話「複雑夜」第16話「桃色電話」でありました。これまでは出先や電話での出来事であり、響子さん、五代くん、こずえちゃんの3人だけが知ることでした。しかし、今回はこずえちゃんが一刻館を訪れ一の瀬さんにからかわれる形で怒りを爆発し、三鷹さんと出かけることを「デート」という表現をして五代にあてつけるなど、これまでと少し事情が違います。

第20話「影を背負いて」では余裕を見せていた響子さんですが、一瞬ではあるものの再婚相手に浮かべた五代がこずえちゃんとイチャイチャしているのだから怒るのは仕方ないところ。

三鷹さんはそんな響子さんだったから確認もせず怒られて・・とんだとばっちりでした。

 

  ※本記事にて掲載されている画像は「めぞん一刻高橋留美子小学館」より引用しております。