五つ葉のクローバーの超主観的考察

~恋愛マンガの名作「めぞん一刻」を皮切りにラブコメ漫画の気になった点を超わがままに考察しています!~

めぞん一刻を読み返して(1~2巻)

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めぞん一刻 10話 及び 14話より

■■ 第9話 アルコール・ラブコール
酔って一刻館の前で「響子さ~ん 好きじゃあああ」と叫び、挙げ句の果てに響子を抱き上げて布団になだれ込んでしまった五代。酔って昨夜のことを覚えていない五代は一刻館住人に裸踊りをしたなどと嘘を教えられ、「本気であんなことする人間だと思ってるんですか!」と響子に弁解するも「冗談で好きと言ったんですか あんまりだわ」と泣かれてしまう。

【解説及び感想】
いきなりの大告白に「本気かしら」「冗談にしては度が過ぎるわよね。」と一晩じゅう考えこんじゃった響子さん。「シラフの時に真剣にやっていただいた方が・・」と言うぐらいですから言われたことを迷惑に思っていないんですね。そのときの表情を見ても五代くんが響子さんにとって恋愛の対象になるのはわかります。ここまでセクハラめいたことを五代くんから受けているのにこのようなリアクションをとるのだから。

「女だな・・だめだわ・・女ってだめだ」という言葉からも未亡人の自分に「好き」と言ってくれたことが嬉しかったのでしょう。「もう、ほかの男なんて見ません。」という言葉からは惣一郎さんのことを一生想っていきたいと考えていたのに、気持ちが揺れ動いてしまったという戸惑いが感じられます。

※ 響子さんは女子高卒で20歳になってすぐ惣一郎さんと結婚したようですから、恋愛経験や「好きだ」と言われたことも少なかったように思われます。一刻館の管理人になって以来、なにかと五代くんを世話する機会も多く、そのことで住人にからかわれていましたので親近感を感じていたのでしょう。第5話「春遠からじ」で「ダメな弟持った気分よ」と思う場面がありますから、ひとりっ子の響子さんにとって放っとけない弟ができたような親近感だったのかもしれません。

また夫と早々に死に別れてしまい傷心が完全に癒えないまま一刻館に来た響子さんですから五代の世話をやくことで寂しさを紛らせていたところがあったようにも思えます。この告白で五代のことが好きになったというより、嬉しいながらも戸惑ってしまったというところでしょうか。

 

■■ 第10話 金網は越えられない
冗談で「好き」と言われたと思い込み気持ちが晴れない響子。でも近所の奥さんの誘いでテニススクールに通うことに。そこにはいい男のコーチが。五代は恋敵三鷹の登場に気が気でない。

【解説及び感想】
近所の奥さんに「素直に喜べば」と言われ、「あたし、死んだ夫に操をたててるんですっ!」と答える響子さん。前話の「もう、ほかの男なんて見ません。」を引きずっています。

 

■■ 第11話 三鷹、五代!!
三鷹の出現により気が気でない五代は四谷さんとテニススクールへ。一の瀬さんの策略で三鷹ともども茶々丸へ行った五代は響子にシラフで好きと告白。負けずに三鷹も好意を示し・・。

【解説及び感想】
一の瀬さん、わざと五代くんにもう1回「好き」と言わせて、次の酒の肴が欲しかったんでしょうね。でもおかげで気持ちが伝わりました。

「私が忘れたら惣一郎さんは、本当に死んでしまう・・」は三鷹さんではないですがまだまだ立ち直るには時間がかかると感じる重い言葉です。でも三鷹さんからも好意を示されて響子さんどう思ったのでしょう。結構淡々としています。五代くんから「好き」とシラフで言われたことの方が頭を占めているのでしょうか?

※ 次話「行きがけの駄犬」では、郁子ちゃんが英語で92点取ったとお礼をしに来るのですが、極めて自然な振る舞いをしています。「好きと言われ嬉しかったけど、あたしは惣一郎さんが好きなのだから気にしない。管理人としてこれまでのとおり接していこう・・」とでも心の整理をしたのでしょうか。あくまでも「好きと言ってくれた人」ということで・・

 

■■ 第14話 メモリアル・クッキング
郁子ちゃんの夏休みの宿題を見てもらったお礼に手料理を振舞おうとする響子。でも惣一郎さんを思い出してしまい・・・

【解説及び感想】
五代くんが郁子ちゃんに高校時代のファーストキスの話をしているところを聞き、ムッとする響子さん。そんなことぐらいで・・恋愛に潔癖なんでしょうか?

「(年上の子にあこがれるのは)どの年頃も同じようなもんですよ」と五代に言われ動揺する響子さん。心の中で整理したつもりでも、ふとしたことで心の奥底に沈めた(頭の片隅に追いやった)感情が出てきた一瞬です。

※ 一の瀬さんが歌っていた歌詞から「ジェラシーなんて、まさか」と思う響子さん。些細なことで初めて五代くんに嫉妬感を感じました。五代くんに好意を感じているというより「好きと言ってくれた人」として意識しているようです。

 

■■ 第15話 複雑夜
映画に誘おうとした響子は三鷹とコンサートに。仕方なく五代は友達を誘おうとするがバイト先で一緒だったこずえと偶然出会い、一緒に映画に行くことに。しかしその途中、三鷹と響子に遭遇。こずえと腕を組んで歩く五代の姿にガールフレンドと思った響子は・・

【解説及び感想】
「私をからかったんだわ」「女心をもてあそんで・・許せない」と思う響子さん。三鷹さんと食事中も思い出しムカムカ。恋敵こずえちゃんの登場に前話で感じた嫉妬感のような気持ちから怒りが爆発しました。

一方、三鷹さんから今日付き合ってくれた訳を聞かれ「管理人の仕事を離れたお友達・・息抜きできる」と答える響子さん。第11話「三鷹、五代!!」で好意を示されたのはわかっているはずなのに「お友達」発言。あまり恋愛対象になるタイプではないのでしょうか?「あなたも恋人いるんでしょう?」と言ってしまう響子さんを見ると「男なんてみんな・・・」という気持ちにもなっていたようです。

こずえちゃんの「うれしい・・コンタクトにした甲斐があったなー」発言。こずえちゃんも好意があって近づいたようです。響子さんと遭遇した際、五代と腕を組んだのは女の感から・・!?

※ 嫉妬感ではなく「好きだって言ったくせにガールフレンドがいる」ことへの怒りが強いようです。恋愛に潔癖なところや独占欲が感じられます。「好きと言ってくれた人」ぐらいで心の整理をしていたのが、こずえちゃんの登場で五代くんが「気になってしまう人」になるきっかけでした。

※ 管理人就任1周年で食事に誘ったことはありましたが、五代くんが響子さんをデートに誘おうとするのは初めてでした。

 

■■ 第16話 桃色電話
大学で人形劇クラブに入った五代。女性クラブ員からの電話でからかわれるわ、こずえからも電話がかかるわで怒り心頭の響子は公衆ピンク電話を一刻館に設置することに。機嫌がなおらない響子に対し、五代はピンク電話から電話し、わけを聞いた響子はにっこり。

【解説及び感想】
「なによ、あの色ガキ!」と編み物一式をドアに投げつける響子さん。前話のこずえちゃんとのこともあり、気持ちを引きずっていたんでしょう。「なんて女性関係にだらしない軽い男なの」という嫌悪感や怒りが言わせた言葉でしょうか?喫茶店で五代がこずえちゃんの涙をふいてあげていたと聞き、りんごの実まで剥いてしまうところもムカッとしていますので怒りなのです。

話を聞かない響子さんに設置されたばかりのピンク電話を使って誤解を解こうとする五代くん。響子さんにとって思いがけない方法だったんでしょうね。話を聞き最後は誠実な人なんだと思い直しました。今後、数ある危機でもこのピンク電話を使えば良かったのではと思うのは私だけ・・?

※ 一度怒ると長引き、話を聞かなくなる響子さんの始まりです。

 

■■ 第20話 影を背負いて
雨宿り中、傘をさしかけてくれたこずえのスカートを惣一郎(犬)が汚したことからスカートが乾くまでと管理人室で恋愛談義する響子とこずえ。響子から惣一郎さんとの思い出を聞いたこずえは五代に話すが・・

【解説及び感想】
こずえちゃんも響子さんもお互いの顔を覚えていたんですね・・。五代のスケジュールを聞かれ、細かく答えてしまう響子さん。気になっているから?できるだけ時間を避けて顔を合わせないため?でも最後の傘に入れるシーンを見れば気になっているんですよね。でもこずえちゃんが忘れていった傘を五代に預けるシーンでは努めて平静。まだ感情を抑えることができるし何よりこずえちゃんとお話したばかりですしね。でも五代が初恋の人に似ているというのは気になったのでは。

こずえちゃんから三鷹さんのことを彼氏と表現されて「ああ、三鷹さん?あの人はただのお友達」と平静に答える響子さん。ここでもお友達なのです。

 

  ※本記事にて掲載されている画像は「めぞん一刻高橋留美子小学館」より引用しております。