五つ葉のクローバーの超主観的考察

~恋愛マンガの名作「めぞん一刻」を皮切りにラブコメ漫画の気になった点を超わがままに考察しています!~

カッコウの許嫁の感想と考察(65話)~私がいないと全然ダメね!~

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カッコウの許嫁 65羽目より

エリカとひろの母親が自分の悪口で盛り上がるのを横で聞かされる凪。反論の余地なしの状況に小さくなるばかりの凪だったが、そんな中、凪と許嫁関係であると知ったエリカの経験談に話が及ぶ。自分がしていた事は逃げてるだけで抵抗ではなかったからと「ひろちゃんとお母さんも向き合って欲しい」と語るエリカ・・その言葉に二人は和解をする。帰り道・・咄嗟にエリカを頼ろうとしたと自分の無力感に落ち込む凪。そんな凪にエリカは「凪くんは私がいないと全然ダメね!」と笑顔でダメ押しして・・

 

【感想と考察】
ひろと母、そしてエリカと凪が自宅の座卓を囲むところで終わっていたので、ひろの許嫁など今回は色々と真実が明らかになるのかな~と思いきや、中身は凪への悪口とエリカの経験談、そして親子向き合ってきちんと話をして欲しいというエリカからひろへのお願いでした。

ひろの許嫁が登場して来なかったのは想定通りでしたが、連れ戻された経緯が何もわからないままだったのは意外。エリカとの買い物中に連れ戻された事、その車にひろ母も乗っていた事、家に戻ったひろが制服姿で母たちと境内を歩いていた事、ひろが人前で涙を流していた事などもあって、何かのイベントがあり急遽連れ戻されたのかと思いましたがすべてわからずじまい。

エリカが凪と全く違う解決策(和解)を図ったのは、ひろ母と事前に話をしたから?と思ったのですが、そこも不明でした。「ひろの運命を変えることになる・・それでも行くの?」とは言ったものの、あくまで決意を確認しただけなので、後に冷静になり駆け落ちでは何も解決できないと思ったという事なのでしょうね・・今回のエリカの言葉で言えば凪の行為は『逃げる』と同意と感じたのでしょう。

13話で警戒する素振りを見せていたひろ母が凪とどのように話すのかも注目していたのですが話す機会はまるでなし。単に大事な跡継ぎで許嫁もいる一人娘に変なムシが寄って来ている・・と思っての反応だったということでしょうか?エリカと凪が許嫁関係と聞き一安心の様相でしたが、この様子だと凪がひろに好意を持ち、ひろもその気持ちを嬉しく思っていることを知らないのでしょうね。結局、ひろの家出と許嫁に関する推測はすべてハズレでした・・(涙)

 

エリカの凪の悪口から始まった会話は効果絶大で、ひろ母の警戒心を解くことにまんまと成功!!最初に自分が凪の許嫁と話しているので、経験談から「ひろと母がきちんと向き合って話すべき!!」までの流れを考えてエリカは話していたと言えます。アホっぽいところも見せるエリカですが、揉め事の際に大岡裁きをするのはいつも彼女!!家族という繋がりをとても大事にしているからこそ、このような言葉が出てくるのでしょうね。

「ひろちゃんとお母さんも向き合って欲しい」という言葉を聞いたひろは母との和解に至り、自分が『逃げてただけ』と気付いたようでした。エリカを抱きしめ「いてくれてよかった・・ありがとう」と口にしたシーンは本当に親友になったと実感できるものでしたね。

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カッコウの許嫁 65羽目より

ただエリカが語った凪との経験談や心境を聞いてひろはどう感じたのでしょう!?エリカの話は本当ではあるのですが、かなり当初から凪に心を開いていたように思います。今回悪口として語った「慎重で心配性の石頭」も「無駄な行動力」も「それが凄い迷惑」もすべて受け入れて、日頃からそんな凪と一緒に居ることを『楽しい』と語っているわけですしね。

すんなり受け入れられたのは、凪が兄"宗助"の実弟でそっくりという部分も関係しているのでしょうが、ひろはそのことを知らされぬまま二人の楽しげで気の合う様子を何度となく見せられているわけで、このやりとりに一層2人の信頼の強さを感じ取ったのではと思いました。

 

2人での帰り道・・「好きな人と駆け落ちみたいなことしたのに許嫁に助けられて親御さんに謝らせるなんてダサすぎる・・」と落ち込む凪。そんな凪にエリカが口にした言葉は・・

「そんなことないわよ 凪くんは強いっしょ!」
「私だったら恥ずかしすぎて 死んでるもん」

一見追い打ちをかけるような言葉ですが、これは自分にはできない事をやってのける凪を評価しての言葉だったのでしょうね。

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カッコウの許嫁 65羽目より

凪はこの言葉に自分が無力であることを痛感したと話し、困った時にとっさにエリカを頼っていたとカミングアウトしていました。該当するのは所持金が千円しかなかったという場面・・お金の問題だったのでエリカを頼ろうとする事に何も不思議はないわけですが、この凪の物言いはエリカに何度も救われていたからこその言葉!!完全に無意識と話していましたが、凪にとってはとても頼もしい存在なのでしょうね。そんな凪を見透かすようにエリカが口にした言葉は・・

「そういうことよ」
「凪くんは私がいないと全然ダメね!」

反論したくなる言葉を敢えてかけることで元気づけるなんて、エリカの巧みな言葉選びに感動すら覚えます。実際はエリカも凪の言葉に勇気づけられているわけで、二人の相性は本当に抜群なんだな~と感じます。

 

そんな二人を他所に、自宅で起こっていたのはエリカパパの突然の訪問でした。幸が応対していましたが、もう一人女の子が同居していたと話す中で凪の好意の相手はひろであることを話した模様。その事実を知ったエリカパパが呟いた言葉は・・

「だが・・そうなると考えものだね」

つまり許嫁のエリカや妹の幸以外を凪が選ぶことは望ましくないということ。これまでの経緯を見る限り、エリカパパは跡継ぎとして凪がどうしても欲しいように感じるのでこう考えるのは何らおかしくはない。

ただこのやり取りを見て思ったのは、凪に好きな相手がいる事をエリカパパは本当に知らなかったのかという事。凪はその事を隠してはいないわけで、ひろの情報を色々と収集されていてもおかしくはないですからね。ひろの写る写真を見てエリカパパはどう思ったのか・・天野家と瀬川家の関係や宗助の許嫁の可能性についてはまだまだ可能性が残りそうです。

 

次号予告文には「凪の初恋相手が登場!四角関係に爆弾投下だ!」の文字。とうとうあのゴスロリ服の彼女"あい"が登場しそうです。ひろの同居は今回解消されたので、顔を合わせるのは凪、幸、エリカの3人でしょうか!?

一度写真を見ているエリカなので凪の幼なじみの登場にも難なく対応するのでしょうが、問題はあいが凪に対しどういう想いを抱いているのかという事。凪の回想では「告白のおへんじは次に会った時でいいかな?」となっているので、何らかの返事をすることにはなるのでしょう。果たしてそれは恋愛面でのことなのか?凪の記憶はあてにならないところがあるので何か勘違いが混じっているような気がしますね。新キャラの登場によりエリカの気持ちに変化が生まれるのか・・次回も楽しみです!!

 

※本記事にて掲載されている画像は「カッコウの許嫁/吉河美希週刊少年マガジン」より引用しております。 

 

カッコウの許嫁の感想と考察(64話)~”あの時"のこと覚えてる?~

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カッコウの許嫁 64羽目より

ひろの手を取り駆け落ちを図った凪だったが、所持金が千円しかなくとりあえず腹ごしらえをすることに。「もしかしたら海野君がまた助けに来てくれるんじゃないかって思ってたんだ」という言葉を発端にひろがイメチェンを図った時のことを語りだす二人。1位にこだわるのは「許嫁を振り払うため」と共に「誰も寄せ付けないため」と聞き落ち込む凪だったが、それでも凪はやって来てくれた・・とひろは話し「あの日からすでに私の運命変わってたのかもね」と告げる。そんな中、突如現れたエリカに二人はひろの家に連れ帰られて・・

 

【感想と考察】
凪とひろとの高校での出会いが描かれた前回でしたが、今回は手を取り駆け落ちを図る二人の様子がメインに描かれていました。後継ぎとして生まれたひろの苦悩を感じるものでしたが、最後はエリカが許嫁として凪に謝らせるという思いもかけない展開でした。

二人がまず向かったのはバス停でしたが、所持金が二人で千円しかなくハンバーガーで腹ごしらえすることに・・お約束の間接キスで一人盛り上がる凪ですが、そんな中ひろが口にしたのは「もしかしたら海野君がまた助けに来てくれるんじゃないかって思ってたんだ」という言葉。『また』という言葉に凪への信頼が伺えますが、ちょくちょくこのような言葉を口にするひろなので真意は測りかねるところ。

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カッコウの許嫁 64羽目より

ただこの言葉をきっかけにひろがイメチェンを図った時に話が及びます。二人がまず交わした言葉は・・

「瀬川さんは”あの時”のこと覚えてる?」
「うん 覚えてるよ」
「じゃあ あの時変わったのはやっぱり俺のせい?」

前話でわざわざ過去の出会いを描いた理由は、この会話をさせるためだったんですね。そしてここからはひろの1位にこだわる理由と考えが語られました。理由は次の二つ・・

① 許嫁を振り払うため

② 許嫁がいる自分に誰も寄せ付けないため

「許嫁がいることが気に食わない」と話していましたが、①の前提にあるのは「許嫁の力を借りずとも神社は私の手で守ってみせる」という考え。女性神職として自ら奉職しようとしているということでしょうか!!その事を親にわからせるために1位にこだわっていたわけですね。

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カッコウの許嫁 64羽目より

そんな時に凪が現れ、②の考えに至ったようですが、ただその理由は自分の邪魔をする目障りな存在・・などというものではなく「いずれお別れが来る」「そんなの辛すぎる」というものでした。①は難しいと感じていたのでしょうね。

凪みたいな人が寄って来ないようにするために勉強だけでなく、おしゃれも運動も人付き合いも全部1位を取ろうと考えた・・というのだから恐るべし!!凪が降参とあきらめの言葉を口にしたことが許せなかったのかはわかりませんが、ひろに進化を促す触媒となったのは間違いないようです。

ただ「二度と話しかけないで!!」という言葉を凪にかけたのに、人付き合いでも1位を目指すというのは矛盾を感じるところ。結果、計らずも人が寄ってくるようになって学校が楽しくなった・・と話していたので、この時はそこまで考えが至っていなかったのでしょうね。

ただこれだけ聡いひろなら凪がきっかけをくれた事に早々に気づけたはず。凪の宣戦布告を聞いた際の反応やその後の行動を見ると、かなり凪の事を意識し見定めようとしていたように思えます。凪が関わって来た事を嬉しく思ったのは間違いないし、そんな気持ちになったからこそ、運命を託すような意味深な言葉を投げかけ続けた・・「あの日からすでに私の運命は変わっていたのかも」発言はずっと思っていた気持ちの照れ隠しなのだと感じます。

 

そんな二人の前に突如現れたエリカ!”青春警察”と称しての登場は如何にもエリカらしいですね。ただそのエリカは「いいから2人とも カモーン!」とひろの実家”目黒明神"に二人を連れ帰っていました。

これを見る限り、エリカとひろ母が何らかの話し合いをした上で連れ戻した感じ。62話の考察でひろの所在は事前に把握していたと書きましたが、ひろ母側からエリカにコンタクトを取ったという事なのでしょうね・・エリカ父が絡んでいる可能性もありますがね。

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カッコウの許嫁 64羽目より

応接間ではひろ、ひろ母と共に凪とエリカが並んで座卓を囲んでいました。凪の頭を下げさせエリカが口にしたのは・・

「私がこの人の許嫁です」
「この度はうちの許嫁が大変失礼致しました!!」

よく呑み込めない事態・・エリカはどのようにして事態の収拾を図ろうとしているのでしょう!?凪の許嫁は自分と名乗ることで凪との関係をどうしたいのか・・解消しようと考えているのか?それとも継続したいと考えているのか?

ただわかるのは凪が何か失礼なことをしてしまったという事。その事はひろの手を引いて逃げたという事以外にないわけですが、その行動の何が失礼だったのか!?

許嫁に会いたくないひろを連れ出しただけなら、エリカがひろ母の話を聞き入れて連れ戻そうとするはずもなし。一旦引き留めたものの、最後は凪の背中を押したわけですからね。許嫁として凪に頭を下げさせる必要もないでしょう。考えられるのは想像していたようなイベントではなかったという事。

許嫁との顔合わせをドタキャンする事も相手に失礼ですが、連れ戻した当日、それも直後に顔合わせなんて普通はあり得ない事。そう考えると改めて時間を取って行えるものではないのかもしれませんね。やっぱり法事・法要みたいなものだったのか・・

 

次号予告は「皆で駆け落ち反省会!」なので、座卓を囲んでの会話になりそうですね。反省会なので許嫁が登場する事もないのでしょう。ひろ父の存在が未だ見えてきませんが、おそらくこの4人の会話になるのでしょうね。個人的にはエリカ父の登場も期待したいところですが!!

茶をいただく母をみつめるひろを見ると、凪が連れ出す前以上の情報は知らない様子。先に述べたように誤解も入り混じっているようなので、明らかになる事がたくさんありそうですが、一番に気になる許嫁の正体については微妙なところ。

これまでの登場人物に居るのなら宗助の可能性が最も高いと思いますが、その宗助はエリカによると行方不明な存在。エリカ父は存在を否定しているわけで存命なのかさえわからないのが実情ですからね。ただひろの家出のきっかけとなったのは「明日許嫁が会いに来る」と聞いたからなので、すでに亡くなっているとは考えにくいのは確か・・エリカが態度を変えたのを見るとひろの許嫁に関して何か知った可能性がありますが、読者に明らかになるのはまだまだ時期尚早な気がします。

13話では警戒するような態度をとっていたひろ母が、凪にどう対応するのかも見もの。今話で述べられたひろの考えに母がどう反応するのかも興味があるところ・・何気に次回は見どころ一杯の予感です。

 

※本記事にて掲載されている画像は「カッコウの許嫁/吉河美希週刊少年マガジン」より引用しております。 

 

カッコウの許嫁の感想と考察(63話)~二度と話しかけないで・・・!!~

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カッコウの許嫁 63羽目より

全国高校入試模試で後塵を拝した瀬川ひろと出会った目黒川高校1年時。中間テストも負け「次こそ俺が勝つ」と意気込む凪だったが、期末テストの結果はひろは満点の1位で凪は2位。いつも”ひとり”で話しかけにくいひろを同族と感じ、一層勝ちたい気持ちを強くする凪。迎えた休み明けテスト当日、お腹を下して保健室で寝込んでしまった凪は、同じく高熱で休んでいたひろから1位への執念の言葉を聞いてしまう。勝てるはずがないと思ったことをひろに話す凪・・そんな凪にひろは「二度と話しかけないで!!」と睨むが、この日を境にひろは明るくイメチェンして・・

 

【感想と考察】
ひろの誘拐とかけ落ちはいったん置き、予告どおりに凪とひろの目黒川高校での出会いが描かれた今話。そこに居たのはまるで前作「山田くんと7人の魔女」の”白石うらら"のようなひろの姿。今では学園一の人気者で勉強も運動も完璧なひろですが、1年の夏休み明けまで凪と同じく「ぼっち」だったとは驚きました。驚いた理由は1話の凪の宣戦布告でのやり取りで「えっと 誰でしたっけ?」と答えるひろを見ていたから。

1学期の中間テスト、期末テストとも満点だったようなので、勝つことさえ叶わない”神”のような存在。凪は同族と感じ親近感を持つものの、接触を図ろうとまではしなかったようですが、お腹を下し保健室で寝ていた際に、同じく高熱で休んでいたひろの1位への執念の言葉を聞いたことが接触するきっかけとなった模様。「テストを受けなきゃ 1位は取れない」という言葉に凪はひろの努力と思いの強さを感じ取り「勝てるはずがない」と思ったとのことですが、何かピンときませんね~

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カッコウの許嫁 63羽目より

今を見る限り、凪も同じような努力ができるわけで、ひろの言葉に感化されただけとは思えないのが正直なところ。どちらかというと同族という部分で親近感が沸いていたことが大きな理由だったように思えます。

夏休み明けテスト後、ひろに接触を図った凪は感じたことを率直に話し、あきらめに似た言葉を口にしますが、ひろは「知ってたの?」と口にし、凪の「テストの日 保健室で・・」という言葉を聞いた後に顔を紅潮させていました。そして睨むような眼で口にした言葉は・・

「二度と話しかけないで・・・!!」

恥ずかしそうな顔をした挙句なので、誰にも見せなかった弱い姿を見られ、バラされたくない思いからそのように言ったと見えますが、翌日、髪を切るなどしてイメチェンしてきたひろを見ると本当にそうなのか!?と思ってしまいます。ちょっと1話から見返してみると・・

(4話)
休み明けテスト1位の凪を、法事で学校を休み試験を受けられなかったという理由があるにもかかわらず屋上に呼び出し「あなたには 絶対負けない」と宣言。

(6話)
実力テストでは凪に敗北・・凪を屋上に呼び出して1位を取りたい理由を聞くとともに、「勝つのは自分」「許嫁がいる」ことを告げ、「誰ともお付き合いはできない」と宣言。

(9話)
凪の事を調べたとしてHRまで一緒に図書室で勉強。「これからも一緒に朝活できるかな・・?」と凪を誘う。

(13話)
凪とエリカを自宅の神社に誘い、後継ぎであることを認識させるとともに「海野君なら背負ってくれそう」と話す。

ひろが凪という存在を認識したのは凪が接触してきたこの時で間違いなし。他人に初めて興味を持った瞬間ともいえるでしょう。その後、高2になり宣戦布告をしてきた事がきっかけで凪の事を見定め始めたように見えます。ただ宣戦布告時のひろを見て思うのは、凪を避けようとしていた感じではないという事。どちらかというと凪が動くのを待っていたようにも思えます。

家出したひろを連れ戻しに来たという段階でこの過去話を挟む理由を考えると、「二度と話しかけないで・・!!」と言ったのは、凪が降参しあきらめの言葉を口にしたことが許せなかったからであり、翌日、リセットしたかのようにイメチェンしてきたのは更に進化する自分を凪に見せつけたかったから・・のような気がします。

もうひとつ考えられるのは、凪と接触した日に親から許嫁の存在を知らされたという可能性。接触を図って来た凪を試し助けを乞うた結果、好意を持つようになったという流れなので、運命を変えるためにイメチェンしたとしてもおかしくはない。パートナーだけは自分で選びたいという気持ちもあって、モテる自分に変わることにより異性に撒き餌していたのかもしれません。

 

凪の独白によると、ひろを好きになったのはイメチェンした姿を見たこの瞬間だったとの事。「だったと思う」という不確定な言い方ですが、要は凪も後ろ向きではなく前向きな印象を受けたという事・・後ろ向きな姿を見て好意を抱くなんてありえませんからね。「ひろが好き!」と公言しているものの、実際は憧れの感情に近いものを感じる凪なので一層そう思います。

 

ひろに勝ちたいとこれまで以上に勉強に勤しむ凪に幸は不満げな言葉と態度を示していました。この頃の部屋はまだ襖で仕切られているので、後に幸が暴れるなどして破ったという事でしょうか!?凪の”お兄"呼びもこの時が初めてだった模様で多感な時期に入っての呼び方の変化だったんですね。幸なりに気持ちの自制を図るためのものなのかもしれません。 

 

次号予告文には「駆け落ちの行方は・・・!」との文字・・62話の続きが描かれそうですね。個人的には凪の勘違いや思い込みがあると見ており駆け落ちには至らないと思っていますが、今回の過去話が話の展開に大きく影響してくるのかは興味があるところ。次号も楽しみです!!

 

※本記事にて掲載されている画像は「カッコウの許嫁/吉河美希週刊少年マガジン」より引用しております。 

 

カッコウの許嫁の感想と考察(62話)~運命とは自ら切り開くものだ!!!~

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カッコウの許嫁 62羽目より

エリカの話からひろの誘拐は親によるものとわかり一安心する二人。そんな中、ひろの「許嫁に会うから逃げてきた・・」発言を幸が思い出したことにより、凪はひろを救うべく実家の”目黒明神”に向かう。家の前に至りおじけづく凪だったが、母らとともに歩くひろの涙を目にし「運命とは自ら切り開くもの・・」とひろの手を取って・・

 

【感想と考察】
ひろの誘拐は想像どおり、親の仕業でした。買い物途中に3人の男性に車に乗せられ、その車に母親も同乗している・・3人の男はSPらしき2人と秘書らしき1人・・大きな神社ともなるとこのような人がいるわけですね。

ただこの状況からわかるのは、ひろの所在は事前に把握していたという事。買い物途中のひろを見つけたまたま確保した・・なら母親が同乗しているわけありませんからね。何かひろの参加が必須なイベントがあるということなのでしょう。

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カッコウの許嫁 62羽目より

エリカの話を聞いてひと安心するも、ひろの「許嫁に会うから逃げてきた・・」発言を幸が思い出した事により、許嫁との顔合わせする時が来たのでは!?と懸念する3人。凪はそうはさせないとひろの元へ向かおうとするわけですが、エリカはそんな凪を引き留め、こんな言葉を口にします。

「ひろちゃんの運命を変えることになる」
「それでも行くの・・?」

凪の覚悟を確認する言葉・・凪のひろへの好意はもちろんの事、幸の想いも知っているエリカなのでこういう行動をとることに違和感はなし。ただそうさせたのは心の奥底にある自分の気持も影響しているのでしょう。凪との許嫁も解消になりかねないわけでこの時エリカの心は大きく揺れていたのかもしれません。

 

目黒明神の門の前に立ち、おじけづいた様子を見せる凪。勢いで来たことを少々後悔するわけですが、誠意をもって頼めばひろの許嫁の考え直してくれる・・と切り替えるところは凪らしいポジティブシンキングですね。

やっと見つけたひろは母親の後ろを男性1人と巫女2人と共に境内を歩いていました。凪の声に振り向いたひろの眼に涙が浮かんでいるのを見た凪は「俺は運命から逃げない」と前言を撤回。「運命は自分で切り開くものだ!!」とひろの手を引いて連れ去ろうとしていました。

映画のような終わり方で凪の行動に拍手!!・・と言いたいところですが、ここまでの展開や描写を見るとどうしても凪の思い込み、勘違いだと感じてしまいます。「運命を変える」「運命から逃れてみせる」「俺は運命から逃れない」「運命とは自ら切り開くもの」と『運命』を多用していることからもそう思えます。

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カッコウの許嫁 62羽目より

ひろの「今までありがとう」からは、「連れ戻されるときは結婚する時・・」との覚悟を持っていたように感じます。許嫁との顔合わせと考えエリカは『もう会えない』なんてことは・・と危惧していましたが、直前の「急でごめんね」と素直に車に乗り込む姿を見ると、単に家出による同居は解消といった感じにも見て取れます。果たしてひろをさらって行った理由は許嫁との顔合わせがあるからなのか?その他可能性がある理由をあげてみると・・

① 目黒明神の年中行事(祭事)があるため

② 許嫁との顔合わせ会があるため

③ 葬儀や法事・法要(霊祭・式年祭)があるため

キーとなるのはひろの制服姿と涙。ひろは跡継ぎではあるもののまだアルバイト的な立場・・①だとしたら制服姿で参加するなんてことはありえないでしょう。②の場合、顔合わせ会場は神社内ということ。この場合、制服姿はあり得ますが、巫女たちと歩いて顔合わせ会場へ向かうのはかなり違和感があるし、許嫁と会うのに人前で涙を浮かべるなんてひろの性格を考えるとありえないでしょう。

制服姿で涙を浮かべるひろ、神社内のどこかへ母親を先頭に巫女2人らと向かっている様子を見ると、③の瀬川家または親類の霊祭や式年祭(仏事でいう法事・法要)があるからが一番自然に思えます。結構涙を浮かべているようなので不幸があったという事なのか??57話以降の話を見る限り、ひろが家出してから1週間ほどは経っているので、その間に事態が急変したという事も考えられますが、それならもっと早くひろを連れ帰ろうとするでしょう。ここは葬儀より霊祭・式年祭と考える方がベターと感じます。

ただ最終ページに「海野君 私の運命変えて見せてよ」というひろの言葉があるので否応にも許嫁の存在が気になるところ・・③の場合、居宅に神職を呼び執り行われる形となり、ひろの許嫁が参列することも想定可能。②でも③でも許嫁と顔合わせする事にはなってきそうです。なお許嫁については前回も考察しているので割愛します。

 

ひろの手を取り駆け落ち!!という終わり方でその後の行方が気になるわけですが、次号予告には「その前に凪&ひろの出会いの話!」の文字。このタイミングで出会いを描くのは何故なのでしょう??

読み返すとひろとの出会いは目黒川学園に入学してから出会い、学年一位を争うライバルとして意識する中で好きになったという感じですが、そこに新たなエッセンスが加わるという事なのか??ただ入学以降に出会ったという前提で話を広げるのはかなりムリがある気がします。凪の昔の記憶については怪しい部分もあるので、もしかしたらもっと幼い頃に出会っていたのかもしれませんね。60話の最後以降登場してこない”あい”ちゃん?や凪の実兄"宗助"も気になるところ・・次号も興味は尽きません。

 

 ※本記事にて掲載されている画像は「カッコウの許嫁/吉河美希週刊少年マガジン」より引用しております。

 

彼女、お借りしますの感想と考察~千鶴の恋心を言動と行動から読み取る~(21巻②)

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彼女、お借りします 180話より

千鶴の恋人観を聞いた和也はすぐに瑠夏に別れを切り出し「嘘を真実にしてしまえばいい」と考えました。玉砕覚悟でその時は真実を皆に話すとまで決心し告白しようとするわけですが、千鶴は言葉を遮るかのようにさっさと部屋に戻ってしまいました。そこで口にした言葉は・・

「・・もうっ 何よ・・今の顔・・!」

和也の勢いに気圧されたこともありますが、告白されると思ったのは間違いないですね。ではもし告白されていたらどうしたのか・・?

言葉を遮ったということはすぐさまとは言えずとも気持ちは受け取る用意があるという事。すぐに応えられないのは『レンタル彼女』の件があるからと一見見えますが、千鶴が一番気にしているのはおそらく瑠夏と和也の事。

瑠夏は仮カノと言えど和也の彼女・・ベタぼれの瑠夏が簡単に和也と別れてくれるとは思っていないでしょう。もし和也が別れを切り出すことだけで了承されたとしても、お試し彼女として進めた手前、瑠夏ときちんと向き合って覚悟を示さなければいけないと千鶴は考えるはず。傍から見れば略奪愛ですからね。千鶴の中でまだ気持ちや考えがまとまっていないこともあり、『まだ聞くわけにはいかない』という感じなのだと思います。

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彼女、お借りします 181話より

瑠夏は千鶴の気持ちも感づいており、千鶴の覚悟の言葉を聞けば問題はない感じ。問題は何を考えているかわからない麻美ですね。

ここに至って電車で麻美と会った事を思い出した千鶴。Cocoのバッグについてあれこれ聞かれたことを思い出し、和也の部屋に自分が部屋にいたことはすでにバレていると推測していました。何故今頃・・という感じですが、おそらく179話で麻美が和婆ちゃんに接近している事を和也から聞いたから。千鶴はその理由を考え、結果、不思議に思っていたバッグの件に行きついたのでしょう。

そのことを伝えるべく和也の部屋に上がり込み、今後は「刮目して相待すべし」と三国志故事成語を持ち出して警戒を約束・・三国志が好きな千鶴らしい言葉のチョイスでした。

それにしても・・「マミさんは気付いている 私たちがまだ会っていることに」後に語った「もっと先を想像してたって変じゃない」の『もっと先』とは何を言っているのでしょうか!?

「事態は思ってるより緊迫・・」という千鶴の言葉からは、2人の関係を和婆ちゃんにバラされることを危惧して・・とみるのが順当ですが、バッグから千鶴もあの時部屋にいたと気付いた?・・という話の流れから見ると少しかみ合わない感じ。本当の恋人関係になったと認識しているのなら、和婆ちゃんにバラす事も何もないわけで矛盾してしまいますからね。恐らく千鶴は和也との関係が"嘘"という事より"レンタル彼女"であった事の方を気にしているのでしょうね。もしかしたら『緊迫』という言葉もレンタル彼女を続けるかの決断が迫っていることを表したのかもしれません。

 

そんな中、麻美は大学構内で千鶴に接触してきました。175話では和也に接触を図っていたので満を持しての行動だったようです。

麻美が一ノ瀬ちづる=水原千鶴と思うきっかけとなったのは、麻美が和也の部屋を訪れた直後・・大学の廊下で和也とすれ違う際に掌をひろげ挨拶したのを見た61話と思いきや、183話を見る限り、海で一緒になった人の名が”一ノ瀬ちづる"と知ったことがきっかけだった模様。

クラファンサイトを見て一ノ瀬ちづるが和也の協力のもと映画製作協力金を集めたことを知ったことが決定打となったようですが、本名で女優活動しているのだからこのサイトに辿り着くのは容易。和也の部屋にあったカバンは千鶴のものと断定し和酒店のフォローをした時には同一人物とわかっていないので、それ以降に講義で名前を聞き注視していたとみていいでしょう。

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彼女、お借りします 183話より

麻美の「流石 女優」という言葉によりまんまとミスドに誘い込こまれた千鶴。そこで麻美に問われたのは女優一ノ瀬ちづるとしての和也との関わりでした。

和也の部屋にあったバッグは千鶴の物と断定し部屋にいたのか?という麻美の問いに小道具として貸したものと説明。忠告以降もお付き合いがあったのに嘘をついてごめんなさいと先に謝ることで、この事は和婆ちゃんとは関係ないとしています。つまり、現時点で麻美の口から和婆ちゃんに真実が伝わることを危惧しているわけです。

レンタルデートの結果、和也が自分に好意を持ってくれていることはわかったし、千鶴自身も和也に好意を持っている・・嘘から始まった関係ですが、今や両想いなのだからそこまで危惧する必要はないのになぜこんなにバレる事を怖がっているのか・・
和婆ちゃんが望んでいるのは跡取りという形式的なものではなく和也が健やかで幸せに育つこと・・なので過程は問題ではないのは明らか。正直に話せばその時ばかりのお小言で終わるように思えるのですが・・

その理由は和也の言葉(告白)を避けた理由と同じなのでしょうね。するべき事の整理がついた上で自分の口から和婆ちゃんに真実を話し謝りたいと考えるも未だ考えがまとまらないのが今の状況なのでしょう。和也と向き合い和婆ちゃんに謝りを入れるためには、レンタル彼女を辞めることが必須なわけですが、女優業が軌道に乗らない限り経済的に厳しいですからね。ただどうするべきか考えようとしていた矢先の麻美の接触により、時間的余裕がなくなってしまいました。

そんな千鶴の気持ちを見透かしたように以前とは全く逆の切り口で攻める麻美。以前は和也への好意を疑っていましたが、今回は和也を千鶴のストーカーと位置づけ自分は味方だというスタンスでの話しぶり。千鶴の本音を探るため敢えてそのように仕立てたのでしょうが、これを見る限り二人の関係が面白くなく、ただただ破局させたいように見えます。「何もかも全部終わりにしよ!」とまで言われ、千鶴はどう反応したのか・・・

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彼女、お借りします 184話より

帰って来た千鶴は着替えてすぐにバッティングセンターに直行!麻美の言葉に余程ストレスを感じたのでしょうね。来た球をひたすら打ちつつ考えていたことは・・

「マミさんがバラす気でいるのは間違いない」
「もうマミさんにあの人とヨリを戻す気は(ない)」
「マミさんが未だに黙っているのはなぜ?」
「もう打つ手がない」
「バレちゃう 和おばあさんに」
「バレちゃう 皆に」

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彼女、お借りします 184話より

和也の麻美にかけた言葉を思い出し「ダメ・・やっぱり伝え辛い・・」と考える千鶴。和也は未だ麻美の本性を知らず天使のように思っていますからね~和也の言葉を聞いている千鶴が「麻美の本性を伝えることは避けたい・・」と考えるのは至極当然。他人を悪く言うことで自分が嫌われたくないこともあるでしょうが、それ以上に和也を大事に思う気持ちがあって伝えきれないのだと感じます。

「その時・・私は・・」と決断するような千鶴を見る限り、何かしら英断をする模様。麻美から和婆ちゃんへの着信で終わったので間に合うかは微妙なところですが、おそらく真実を伝えるための電話ではないでしょう。みんなの顔が見れるところでバラさないと旨味がないですしね。和也から向けられた好意を天秤にかけざるを得ない千鶴・・一体どのように取捨選択するのでしょうか!?

 

※ 本記事にて掲載されている画像は「彼女、お借りします/宮島礼吏週刊少年マガジン」より引用しております。 

 

彼女、お借りしますの感想と考察~千鶴の恋心を言動と行動から読み取る~(21巻①)

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彼女、お借りします 177話より

和也の「ずっと前から 君のこと・・」発言を大いに意識する千鶴。そんな中、海くんからパーティーの誘いがあった千鶴はプロデューサーである和也にも誘いがあったから・・と和也の部屋を訪れます。海くんから和也も招待となると15巻の考察で書いたとおり、海くんの口から「好きじゃない・・」「でも・・好きじゃなくもない」と千鶴が発言した際のやり取りについて触れられるわけです。

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彼女、お借りします 176話より

注目すべきは部屋を訪れた際の千鶴の雰囲気ですね。パーカー姿は見慣れたものですが、横髪すとーんの髪型以上に口調や落とした視線から少し落ち着かない感じを受けました。いつもは千鶴の方が年上かと思わせるような感じで千鶴のペースで優位に話を進めようとする感じが強かったですからね。やっぱりかなり意識している感じです。

代官山のパーティー会場前で待つ和也の前に現れた千鶴はいつものとおり「ども」とあいさつするわけですが、会場では居場所のない様子を見せる和也に気を遣いサポートする様子を見せていました。

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彼女、お借りします 177話より

そんな中、登場した海くんは和也と二人きりでの話を頼まれ千鶴は席を外すわけですが・・そこで海くんの口から飛び出したのは「好きじゃなくもない」でした。その言葉を和也に投げかけるやり方はイメージどおりでしたが、海くんがやるとなんともスマートでしたね。

「好きなんじゃって思うかな」と和也が答えるわけですが、そのやり取りの意味が分からず千鶴に問うところまで海くんは計算していたのでしょうね。

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彼女、お借りします 178話より

和也から「好きじゃなくもない」という言葉を聞かされた千鶴は顔を真っ赤にして大きく動揺していました。さっさと席を外したところを見るとこんなこと言ったのを忘れていたのだろうし、海くんが和也に話すなんてこれっぽっちも思っていなかったのでしょう。

実際、千鶴は和也の言葉によく照れているのですが、目前でこんなに大テレしてしまったのはおそらく初めて・・和也への気持ちを振り絞って言葉にした「好きじゃなくもない」ですが、千鶴にとってある意味「黒歴史」になってしまいましたね。これ以外にも何か話したのでは?と疑心暗鬼になりそうだし、色々と頭をよぎり部屋で悶えてしまう千鶴の姿が目に浮かびます。

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彼女、お借りします 179話より

その後、海くんは千鶴を「ちょっといいかな」と呼び出し、帰ってきた千鶴は浮かない表情を見せていました。なぜ千鶴はこんな表情を見せたのか!?

和也に千鶴の言葉を話したことを謝った等ならこんな表情になるわけはなし。2次会には行かず二人で帰ろうとしたことからは、もう今日は海くんと顔を合わせたくない、和也と海くんを会わせたくないという意志が感じられます。となると考えられるのはこの3つ

① 海くんから再度アプローチされた
138話のやり取りで15巻127話の件は終わったように見えますが、実は和也の「当時の俺は裏での出来事などつゆ知らず」という言葉は完全に回収できていません。この言葉は千鶴が自分に向けた気持ちだと和也は知りませんからね。この回のポイントは海くんと和也がLINEの交換をしたこと!千鶴と和也は何らかの理由で一度距離を置く形となり、その間に再度海くんから真相を聞くことがあるのではと憶測しています。和也を認めていた海くんですが、「君とは仲良くなれそうだ」発言を見る限り、和也の動向次第では全力で千鶴を取りに来る感じに思えます。

② 海くんから仕事のオファーがあった
138話の和也とのやり取りで海くんは和也からクラウドファンディングの話を聞いていました。クラファンのことは話のきっかけとして取り上げたのかもしれませんが、何らかの形で和也と同じように千鶴に女優のオファーをしてきたとしてもおかしくない。

③ 海くんから「好きじゃなくもない」の気持ちを問われた
和也も海くんもこの言葉の意味を「好き」と感じ取ったわけで、そのことを千鶴に伝え今の気持ちを再確認した可能性もあります。

 

ただ和也に理由を話さなかったところを見ると②のような仕事絡みではなく①③のようなやりとりがあったような感じ・・それを解くカギはパーティーを抜け出した後のやり取りにあるような気がします。

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彼女、お借りします 179話より

帰り道、会話に困った和也は千鶴に「水原ってさ・・恋人とか欲しくないのか・・?」と聞くわけですが、千鶴はカレシ=一番傍で支えてくれる人という言葉に反応する形で次のように答えます。

「・・別にいいなとは思うわよ?」
「傍で支えるって意味では一番確か・・」

「恋人の存在を公言している女優も沢山いる」「決まった人がいれば・・楽かなって」と一般論を添えて答えていますが、話す直前の「・・・」を見る限り、和也がこんなことを聞いてきた意味を考えて発言した感じですね。その流れで千鶴はこうつぶやきます。

「多分思う 好きになったら 付き合いたいって・・」
「ずっと 傍にいたいって・・」

171話で千鶴は「今更強がってもしょうがない」「私・・ちょっと弱いかも」と話していましたが、最近は和也に弱い自分を見せ、頼りたい気持ちを表すケースが増えています。「多分」という言葉からは未だ好きになった事がないようにも見えますが・・「女優って仕事には邪魔なのか?」と問われ、和也の胸で泣いた事を思い出し否定しているのだから、和也の事を想定して答えたのは間違いなし。

「レンカノ」を辞める時まで言及しているのだから、千鶴は覚悟を持って現状打破をしようとしているのでしょう。174話に独白した「なんとかしないと・・」ですね。

 

※ 本記事にて掲載されている画像は「彼女、お借りします/宮島礼吏週刊少年マガジン」より引用しております。 

 

カッコウの許嫁の感想と考察(61話)~アタシは結婚しないもん!!~

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カッコウの許嫁 61羽目より

エリカとひろは買い出しにお出かけ。久々の全裸生活を満喫する凪だったが、夏期講習帰りの幸にその姿を見られてしまい、結果、幸がこっそりネコを餌付けしている事に話が及ぶ。昔話に花が咲く中、陰キャと思っていた餌付けネコに彼女がいると判明!それをきっかけに結婚ばなしに話が移るが、ひろの事はあきらめるべきと話す幸に対し「誰と結婚しようが俺の勝手」と凪は反論・・その言葉に幸は「アタシは結婚しないもん!!だからお兄も結婚しちゃダメ!!」と支離滅裂な事を口にする。そんな中、「ひろが誘拐された!!」とエリカが戻って来て・・

 

【感想と考察】
海野亭前に”あい"登場!?という場面で終わった前回でしたが、今回その"あい"は登場せずじまい。主役となったのは結婚について話す凪と幸の二人でした。

エリカとひろが買い出しに出かけたことにより、全裸でプールに飛び込む凪。全裸開放モードはひろが初めて家を訪れた12話、海の別荘で屋外ジャグジーを利用した50話に続いてなので、もうこれは凪の性癖みたいなものなのでしょうね。裸の王様なのかそれともラ王なのか(笑)

そんな凪の前に現れた幸。凪の全裸プール姿を見てもさして反応していないところを見るとお兄の行動はお見通しといった感じ。幸は夏期講習を受け帰って来たようですが、庭側から現れたこと、ネコが幸にすり寄っていることから、餌付けしていることに気づいている旨を話す凪。こちらも幸の行動はお見通しですね!さすがブラコン&シスコン兄妹です。

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カッコウの許嫁 61羽目より

餌付けネコを『陰キャ』と呼ぶ幸。あまりにもひどい名前に凪もツッコミを入れるわけですが、そこから発展したのは昔幸が拾ってきた子ネコの話・・時折幼い頃の兄妹話が挟まれる今物語ですが、両親が定食屋をやっていたこともあって動物が飼えなかったようですね。そして一緒に夕食を食べることはなかったとも話していました。「お兄と2人で育てるんだもん」「一緒にごはん食べるんだもん」と言っているので、温かな家族の姿を凪がパパ、子ネコが子という設定でママゴトしたかった模様。家庭環境が兄妹の結びつきを強くしたのは間違いないですね。

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カッコウの許嫁 61羽目より

その子ネコはというと・・凪の記憶では『保健所に引き取られた』でしたが、幸によると『隣の家に引き取ってもらった』とのこと。何気ない記憶の食い違いですが、幼なじみともいえる”あい”が登場する中でのことなので何か意味深。「告白のおへんじはっ 次に会った時でいいかな?」発言などもあって凪の初恋は”あい”で告白したように見えていましたが、この部分にも認識の相違がありそうです。

ネコに話を戻すと・・”リアル陰キャ”といった言葉やその後の会話を見る限り、餌付けネコをお兄に見立てていた模様。ネコに彼女がいると知り寂しそうな顔を見せた幸が切り出した言葉は・・

「結婚 どうするの?」
「いつまでもひろさん追いかけてないで」
「いい加減あきらめなよ」
「エリカお姉がいるんだし・・!」

凪が結婚する相手はひろでなくエリカがいいというわけですね。そりゃそうです。エリカは実姉ですがひろは他人・・今までより凪と疎遠になるのは目に見えていますからね。

昔の『白馬に乗った王子様』話を持ち出し自分はどうなんだ?と問う凪と「アタシだって 来年16歳になったら結婚するかもしれないし?」と答える幸。単なる例えではなく凪に気にかけてもらいたい気持ちが溢れていますね。この発言にもしっかり反応する凪でしたが、例え話だとわかり口にしたのは「誰と結婚しようが俺の勝手だ」という言葉。平静を保っていた幸ですが、この言葉には大きく動揺し叫んだ言葉は・・

「だからダメって言ってるじゃん!!」
「アタシは結婚しないもん!!」
「だからお兄も結婚しちゃダメ!!!」

エリカお姉がいるからひろはあきらめろ!!と聞いていた凪にすればあまりにも支離滅裂な言葉・・次号予告『幸の謎理論炸裂で凪もタジタジ!?』の意味はこの事だったんですね。この叫びを見ると幸にとって凪は好きな人であると同時に兄なんだなぁと改めて実感します。

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カッコウの許嫁 61羽目より

自分だけがわかっていると思っていた陰キャのネコに恋人がいて自分から離れていく・・その姿に自分と凪を重ね、凪を兄と呼べるのは自分だけ・・自分だけが兄と過ごしてきた時間を知っている・・といった気持ちを一層強くしたように見えます。

ただ兄としての気持ちが勝っているからこんな発言になったとは言い切れないところも多々。エリカ父に凪と結婚する覚悟まで問われた事への反発とも取れますが、個人的には二人が結婚すると凪は兄でなくなるから・・今のままでいることが『兄』とも『好きな人』とも一緒に居れる最善の策だから・・こんな発言になったと感じます。「エリカお姉がいるんだし・・」と話したのも本音じゃないわけで、幸の口ぐせとなっている「お兄なんて 勉強だけしてればいいんだよ」はこの複雑な想いを言っているのでしょう!!

 

そんな中、ドタドタと帰って来て「大変 大変」と叫ぶエリカ。慌てていたのはひろが誘拐されたから!!でした。白昼堂々の犯行&緊急事態の文言もあって、ひろに危険が迫っているような終わり方ですが、このタイミングで攫われたとなると、ひろを連れ戻しにやってきた瀬川家の人たちに連れていかれたとみるのが妥当。エリカも電話ではなくわざわざ帰って来ているので命の危険はないという事なのでしょう。

57話で「親の都合で明日 突然許嫁が会いに来るとか・・」と家出の理由を話していたので、延期になっていた許嫁との顔合わせのため・・とも推測できます。となるとひろの許嫁が判明することにもなりそうですが、果たしてどんな人物なのか・・

これまでの登場人物で候補となるのはエリカに恋する同級生”遊馬シオン”とエリカの兄で凪の実兄でもある”天野宗助”。40話肝試し時のひろとの会話からはそんな関係には見えなかったシオンですが、その後の51話でひろは許嫁の事をよく知らず会った事もないことが判明・・実は許嫁だったという可能性はゼロではないでしょう。

一方の宗助は全くの未知ですが、52話におけるひろの「海野君が弟だったらカワイイのにな~って」発言が気になるところだし、家出してきたひろをすぐに連れ戻しに来なかったことを考えると天野家と瀬川家の繋がりも考えられますね。ダークホースは実は男の娘??の”あい"でしょうか(y^^y)

 

 ※本記事にて掲載されている画像は「カッコウの許嫁/吉河美希週刊少年マガジン」より引用しております。