五つ葉のクローバーの超主観的考察

~恋愛マンガの名作「めぞん一刻」を皮切りにラブコメ漫画の気になった点を超わがままに考察しています!~

カッコウの許嫁の感想と考察(65話)~私がいないと全然ダメね!~

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カッコウの許嫁 65羽目より

エリカとひろの母親が自分の悪口で盛り上がるのを横で聞かされる凪。反論の余地なしの状況に小さくなるばかりの凪だったが、そんな中、凪と許嫁関係であると知ったエリカの経験談に話が及ぶ。自分がしていた事は逃げてるだけで抵抗ではなかったからと「ひろちゃんとお母さんも向き合って欲しい」と語るエリカ・・その言葉に二人は和解をする。帰り道・・咄嗟にエリカを頼ろうとしたと自分の無力感に落ち込む凪。そんな凪にエリカは「凪くんは私がいないと全然ダメね!」と笑顔でダメ押しして・・

 

【感想と考察】
ひろと母、そしてエリカと凪が自宅の座卓を囲むところで終わっていたので、ひろの許嫁など今回は色々と真実が明らかになるのかな~と思いきや、中身は凪への悪口とエリカの経験談、そして親子向き合ってきちんと話をして欲しいというエリカからひろへのお願いでした。

ひろの許嫁が登場して来なかったのは想定通りでしたが、連れ戻された経緯が何もわからないままだったのは意外。エリカとの買い物中に連れ戻された事、その車にひろ母も乗っていた事、家に戻ったひろが制服姿で母たちと境内を歩いていた事、ひろが人前で涙を流していた事などもあって、何かのイベントがあり急遽連れ戻されたのかと思いましたがすべてわからずじまい。

エリカが凪と全く違う解決策(和解)を図ったのは、ひろ母と事前に話をしたから?と思ったのですが、そこも不明でした。「ひろの運命を変えることになる・・それでも行くの?」とは言ったものの、あくまで決意を確認しただけなので、後に冷静になり駆け落ちでは何も解決できないと思ったという事なのでしょうね・・今回のエリカの言葉で言えば凪の行為は『逃げる』と同意と感じたのでしょう。

13話で警戒する素振りを見せていたひろ母が凪とどのように話すのかも注目していたのですが話す機会はまるでなし。単に大事な跡継ぎで許嫁もいる一人娘に変なムシが寄って来ている・・と思っての反応だったということでしょうか?エリカと凪が許嫁関係と聞き一安心の様相でしたが、この様子だと凪がひろに好意を持ち、ひろもその気持ちを嬉しく思っていることを知らないのでしょうね。結局、ひろの家出と許嫁に関する推測はすべてハズレでした・・(涙)

 

エリカの凪の悪口から始まった会話は効果絶大で、ひろ母の警戒心を解くことにまんまと成功!!最初に自分が凪の許嫁と話しているので、経験談から「ひろと母がきちんと向き合って話すべき!!」までの流れを考えてエリカは話していたと言えます。アホっぽいところも見せるエリカですが、揉め事の際に大岡裁きをするのはいつも彼女!!家族という繋がりをとても大事にしているからこそ、このような言葉が出てくるのでしょうね。

「ひろちゃんとお母さんも向き合って欲しい」という言葉を聞いたひろは母との和解に至り、自分が『逃げてただけ』と気付いたようでした。エリカを抱きしめ「いてくれてよかった・・ありがとう」と口にしたシーンは本当に親友になったと実感できるものでしたね。

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カッコウの許嫁 65羽目より

ただエリカが語った凪との経験談や心境を聞いてひろはどう感じたのでしょう!?エリカの話は本当ではあるのですが、かなり当初から凪に心を開いていたように思います。今回悪口として語った「慎重で心配性の石頭」も「無駄な行動力」も「それが凄い迷惑」もすべて受け入れて、日頃からそんな凪と一緒に居ることを『楽しい』と語っているわけですしね。

すんなり受け入れられたのは、凪が兄"宗助"の実弟でそっくりという部分も関係しているのでしょうが、ひろはそのことを知らされぬまま二人の楽しげで気の合う様子を何度となく見せられているわけで、このやりとりに一層2人の信頼の強さを感じ取ったのではと思いました。

 

2人での帰り道・・「好きな人と駆け落ちみたいなことしたのに許嫁に助けられて親御さんに謝らせるなんてダサすぎる・・」と落ち込む凪。そんな凪にエリカが口にした言葉は・・

「そんなことないわよ 凪くんは強いっしょ!」
「私だったら恥ずかしすぎて 死んでるもん」

一見追い打ちをかけるような言葉ですが、これは自分にはできない事をやってのける凪を評価しての言葉だったのでしょうね。

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カッコウの許嫁 65羽目より

凪はこの言葉に自分が無力であることを痛感したと話し、困った時にとっさにエリカを頼っていたとカミングアウトしていました。該当するのは所持金が千円しかなかったという場面・・お金の問題だったのでエリカを頼ろうとする事に何も不思議はないわけですが、この凪の物言いはエリカに何度も救われていたからこその言葉!!完全に無意識と話していましたが、凪にとってはとても頼もしい存在なのでしょうね。そんな凪を見透かすようにエリカが口にした言葉は・・

「そういうことよ」
「凪くんは私がいないと全然ダメね!」

反論したくなる言葉を敢えてかけることで元気づけるなんて、エリカの巧みな言葉選びに感動すら覚えます。実際はエリカも凪の言葉に勇気づけられているわけで、二人の相性は本当に抜群なんだな~と感じます。

 

そんな二人を他所に、自宅で起こっていたのはエリカパパの突然の訪問でした。幸が応対していましたが、もう一人女の子が同居していたと話す中で凪の好意の相手はひろであることを話した模様。その事実を知ったエリカパパが呟いた言葉は・・

「だが・・そうなると考えものだね」

つまり許嫁のエリカや妹の幸以外を凪が選ぶことは望ましくないということ。これまでの経緯を見る限り、エリカパパは跡継ぎとして凪がどうしても欲しいように感じるのでこう考えるのは何らおかしくはない。

ただこのやり取りを見て思ったのは、凪に好きな相手がいる事をエリカパパは本当に知らなかったのかという事。凪はその事を隠してはいないわけで、ひろの情報を色々と収集されていてもおかしくはないですからね。ひろの写る写真を見てエリカパパはどう思ったのか・・天野家と瀬川家の関係や宗助の許嫁の可能性についてはまだまだ可能性が残りそうです。

 

次号予告文には「凪の初恋相手が登場!四角関係に爆弾投下だ!」の文字。とうとうあのゴスロリ服の彼女"あい"が登場しそうです。ひろの同居は今回解消されたので、顔を合わせるのは凪、幸、エリカの3人でしょうか!?

一度写真を見ているエリカなので凪の幼なじみの登場にも難なく対応するのでしょうが、問題はあいが凪に対しどういう想いを抱いているのかという事。凪の回想では「告白のおへんじは次に会った時でいいかな?」となっているので、何らかの返事をすることにはなるのでしょう。果たしてそれは恋愛面でのことなのか?凪の記憶はあてにならないところがあるので何か勘違いが混じっているような気がしますね。新キャラの登場によりエリカの気持ちに変化が生まれるのか・・次回も楽しみです!!

 

※本記事にて掲載されている画像は「カッコウの許嫁/吉河美希週刊少年マガジン」より引用しております。