五つ葉のクローバーの超主観的考察

~恋愛マンガの名作「めぞん一刻」を皮切りにラブコメ漫画の気になった点を超わがままに考察しています!~

めぞん一刻を読み返して(13巻)

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めぞん一刻 132話 及び 135話より

■■ 第132話 Help Me コール
母から親子水入らずの食事をしようと電話があり出かけようとする響子。そこに三鷹が迎えに現れ響子は困惑する。実は母の陰謀で三鷹の両親との顔合わせだった。預かっていた太郎くんもいつの間にかついてきていたため、響子は一刻館に電話し五代に「早く・・来て」とお願いする。

【解説及び感想】
三鷹さんが車に載せようとしたときの態度や電話での様子がおかしいことから、「太郎を迎えに・・そっちに行っていいでしょうか」と尋ねる五代くん。「は、はい・・お願いします早く・・早く来て・・」と言う響子さん。まさか三鷹の両親と顔合わせをすることになろうとは・・もともと三鷹さんと結婚する意思はないので五代に助けを求めるのは当然です。

※ 響子さんは第111話「夢一夜」以降、三鷹との付き合いをやめることを考え出していたと思われます。第119話「ドッグ・ホリデー」で三鷹の叔父にその気がないことを告げた後はすぐにでも三鷹本人に伝えるべきだったのですが、叔父に伝えたことで三鷹本人にも伝わっていると思っていたのでしょうか?いやどう言えばいいかわからなかったのですね。三鷹を友達としてつきあい、結果、利用することになっていたから・・

 

■■ 第133話 あぶない夜
五代がなかなか来ないことに会食中も落ち着かない響子。三鷹は太郎くんを迎えに来るのは五代くんだと思い、響子をホテルの庭へ連れ出す。やってきた五代に「今夜は彼女を帰さない」と告げた三鷹は響子を海に連れて行き、そのまま夜景の綺麗なホテルのラウンジへ。帰りを心配する響子に三鷹は「部屋をとってあります」と告げて・・

【解説及び感想】
三鷹の両親からの問いに「大年増ですわ・・」「未亡人なもので、同い歳の人に比べると今ひとつはつらつさが・・」と答える響子さん。拒否感最高です(笑)

響子さんの様子を見て三鷹さんが「(太郎くんを)迎えに来るのは五代くん・・てとこか」と思うシーンを見ると、こんな時は五代くんに助けを求めるだろうと折り込み済みなんですね。

「今夜は彼女を帰さない」「部屋をとってあります」と強引な手を取らざるを得なかったのは、「五代くんに遅れをとっている」との自覚からくる焦りがあったんですよね。明日菜さんとの見合いのこともありますし・・

三鷹の両親からの問いに「大年増ですわ・・」「未亡人なもので、同い歳の人に比べると今ひとつはつらつさが・・」と響子さんは答えました。拒否するために使った言葉ですが、響子さんは未亡人であることをかなり気にしているように思えます。

 

■■ 第134話 朝まで眠れない
響子を玄関口で待つ五代。そこに響子の父が訪れふたりは一緒に響子を探すことに。一方、三鷹の「部屋をとってある」との発言に困惑する響子。「あなたの心を開くキーが見つかれば」と語る三鷹にどうやって断ろうと考え込む。夜風に当たろうと海辺の公園を歩くふたりだったが三鷹に本当の気持ちを見透かされていたことに響子は・・

【解説及び感想】
「あなたの心を開くキーが見つかれば・・ね」は正直な言葉です。「いえそれより、酔いはさめましたか?」の問いに「どうすればぼくを傷つけずに断れるかって・・考えているんですか?」「どうしたって・・残酷ですよ」と答える三鷹さん。「残酷ですよ」という言葉には、今回だけではなく、「これまでずっと自分に心を開いてくれなかった」つまり「好きだと思われてなかった」という気持ちが込められているようです。そう、第71話「雪に二文字」では「ドアの隙間からちょっとのぞいてくれた」と言っていたのが「ドアが閉まっている」、つまり関係は後退していると感じていたんですね。

多分、顔や態度に出る響子さんですから、一緒にいる時もうわの空だったり、心ここにあらずのような仕草をしていたのでしょう。

その言葉に「あたし・・本当にいい加減で・・こんな形になるまで・・ごめんなさい・・・」と謝る響子さん。三鷹さんに見透かされていたことに少なからずショックを受けました。それまでどう言えばいいかと考えていたのだから・・

「すみません・・だけどあたし・・」「あたし・・」のところで響子を抱きしめる三鷹さん。そのあとの言葉は聞きたくありませんでした。それを聞いたら終わってしまいますから・・

三鷹さんはいつからそんな気持ちになったのでしょうか?響子さんと三鷹さんのデートは作中、第15話「複雑夜」第31話「三年待って」第34話「SOPPO(予定)」第47話「キッスのある情景」第99話「バラ色の人生」第123話「発覚」と6回しか描かれていません。第47話はキス未遂ですのでこのときはそんな気持ちになるはずはないですし、逆に第99話は「五代が就職したら逃げはできない」と言う回、第123話は「たまにこうして逢っていないと縁が切れちゃいそうで」と無理に誘った回です。

デート以外で三鷹さんが五代の話をしているのは、第86話「見栄リクルート」で五代が卒業・就職してから正確な判断をして欲しいと言う回です。「正確な・・」というところは余裕とも焦りとも取れる言葉です。

47話~86話の間では、響子さんと三鷹さんふたりで話をするシーンはありません。

このように見ていくと、やっぱり第71話「雪に二文字」でふたりの様子に何かあったと察したところでしょうか?これ以降(約2年半)三鷹さんは響子さんの様子をよく見ていたのでしょう。

※ では響子さんはそんなに三鷹さんを利用する形をしていたのでしょうか?

響子さんが五代に「好き」という感情を抱いたと思われる第68話「宴会謝絶」以降、三鷹さんとデートしたのは作中第99話「バラ色の人生」第123話「発覚」の2回です。第99話は五代の就職が決まり、ほっとしている状況、第123話は三鷹さんの強引な誘いです。ほかにふたりきりで会っているシーンとしてテニススクール帰りのお茶が浮かびますが、68話~今話まで一度もありません。実際は回数的に少なかったとしか言いようがありません。本当に響子さんは五代くんにかかりきりでしたから・・

第84話「スクランブル・キッド」で三鷹さんが「音無さん、この頃おかしいですよ」「・・・たまにお誘いしてもなかなかOKしてくださらない」という場面があり、響子さんは五代に「好き」という感情を抱いた以降、三鷹さんとの距離をこれまでより置くようになっていたのです。

このように見てくると、三鷹さんが「心を開いてくれない」と思っていた意味もわかりますし、また響子さんが実際三鷹さんと会うことで利用していたのではなく心の中でそう思う場面が多かったということもわかります。心の中でそう思う場面とは五代とこずえちゃんのことで寂しい感情を抱いたときでしょう。そういう時に「あたしも三鷹さんと・・」などと考えていたのです。

五代くんは三鷹さんではなく惣一郎さんが一番の恋敵になっていました三鷹さんが恋敵ならもっと響子さんに迫るはずなのです。逆に三鷹さんは恋敵を五代くんと思っていたから響子さんの惣一郎さんを思う気持ちがわからなかった。・・決定的な差でした。3号室に入れば響子さんの気持ちもわかったでしょうが、五代くんが恋敵なら入る必要もありませんしね。でも例え入っていても五代くんの圧勝でしょう。三鷹さんはなんでもそつなくやるので響子さんは支えていく必要もないですから。

 

■■ 第135話 白昼の疑惑
昨夜の三鷹の言葉を思い出しながら玄関先で五代の帰りを待つ響子。響子の父と帰ってきた五代に素直に心配かけたと謝る響子だったが、2時頃に帰ってきたと聞いた五代に三鷹との関係を疑われてしまう。玄関先で太郎くんとママの帰りを待つ五代。昨夜のことを未だ疑っている五代を見た響子は疑いを晴らそうと横に座り・・

【解説及び感想】
太郎くんの言葉を聞いて「太郎くんのママがうらやましいな。ちゃーんと信じて待っててもらえるんだもんねー」と言う響子さん。ちょっと嫌味を入れるところはさすが!でも早く疑いを晴らそうする気持ちが感じ取れます。

 

■■ 第136話 100% SHONEN場
結納の日取りが決まり、やっと婚約者になれると喜ぶ明日菜だったが、三鷹が結納の話を知らないと知り一刻館へ。三鷹と響子の縁談が進んでいるのではと心配する明日菜の様子に五代は試験会場の下見の帰り道、話をつけようと三鷹のマンションを訪れる。しかし、帰ってきた三鷹にケンカで勝負を付けようと言われ・・

【解説及び感想】
保父試験をあすに控え、夕食を用意すると約束する響子さん。でも五代くんは三鷹とケンカにすることに。約束したらなかなか帰ってこないのです。五代くんは(笑)

 

■■ 第138話 きざし
保父試験の前日なのに飲んで帰ってきた五代をひっぱたき、「保父になりたいならもう少し真面目にやったら・・」と叱る響子。五代は響子の言葉にまずは保父になろうと決心する。一方、マンションで三鷹の帰りを待っていた明日菜は三鷹の言葉に結納をとりやめてもらうと話す。「助かった」と思う三鷹だが酔っていたため明日菜にキスしてしまい・・。

【解説及び感想】
飲んで帰ってきた五代を叱る中で「あたし・・保父になるとかならないとか・・本当はそんなことどうでもよかった・・あなたが自分で決めたことを一生懸命やるなら、それが一番いいと思ってたと」話す響子さん。私のために保父になるとかではなく、自分のために保父になって(仕事を決めて)欲しいのです。どうあれ五代が就職するのを支えていくつもりだから・・

ひっぱたいたことに「あたしは・・間違って・・ない」と考え、一刻館の入口で五代の帰りを待つ響子さん。五代くんが「まずは保父になろう」と決心したのだから間違っていません。

※ 第100話「桜迷路」での言葉「五代さんなりにがんばってくださいね」響子さんはこの気持ちでこの言葉を言ったのです。

 

■■ 第139話 揺れる心
五代は保父の実技試験が終わるまで一刻館に帰らないと響子に宣言し、キャバレーに泊まり込むことに。一方、九条家を訪れ結納が取りやめではなく延期になったと聞いた三鷹は明日菜にキス以外にも何かやってしまったのではと焦り、明日菜のいる伊豆の親戚の家へ向かう。

【解説及び感想】
キャバレー住み込みに向かう五代の後ろ姿に「どうせ一週間くらいで帰ってくるわよ」と思う響子さん。五代の決心がどれほどのものなのかを拝見という気持ちからの言葉なのでしょうか?意志が弱いとも思われていますからね、五代くん・・でもどこか寂しげな表情です。

 

■■ 第140話 どうも
サラダちゃん(犬)のおめでたの相手が三鷹のとこのマッケンロー(犬)と気づき、明日菜は三鷹に伝えにテニススクールへ。「赤ちゃんができた」と言う明日菜の言葉に三鷹は自分の子と勘違いしてしまう。一方、響子は二階堂からもらった納豆を五代に届けようと出かけたところで一の瀬さんから三鷹が明日菜を妊娠させたと聞く。そこに三鷹が現れて・・

【解説及び感想】
「今 会ったら絶対あとを引くから」と自分も五代に会わないと考えるものの、結局、二階堂からもらった納豆を「食べきれないから」とキャバレーに行こうとする響子さん。「会わなきゃいいのよね、五代さんに」「偶然会ってしまったら、それは仕方ないことだし」と理由満載。会いたいくせにあいも変わらず素直じゃない響子さんです。

 

※本記事にて掲載されている画像は「めぞん一刻高橋留美子小学館」より引用しております。