五つ葉のクローバーの超主観的考察

~恋愛マンガの名作「めぞん一刻」を皮切りにラブコメ漫画の気になった点を超わがままに考察しています!~

カッコウの許嫁の感想と考察(56話)~2人が幸せならそれが一番じゃん~

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カッコウの許嫁 56羽目より

郵便受けに投函された誕生日会の招待状により凪の実家に向かう3人。『洋平パパの洋平パパによる洋平パパのための誕生日会』として毎年開催されているらしいこのイベントにエリカは驚くが、そんな中、持ち出してきたアルバムに見知らぬ子が写る写真があることに気づく。洋平パパお手製ケーキに書かれた『36歳』の文字から二人がデキ婚だったことを知る3人・・誕生日繋がりで凪とエリカの顔合わせ会に話が発展する中、奈美恵ママから「二人が結婚すれば2人とも自分の子供になる」と言った真意とともに「2人が幸せならそれが一番」という考えであることを聞かされる。5人で写った写真を前に「私もいつか そんな家族が持てるのかな」と話すエリカ。そんな中、同居するためにやって来たひろが家の前に現れて・・

 

【感想と考察】
前回予告にあった誕生日会は洋平パパの誕生日を祝う会でした。凪の言葉を借りると『父さんの父さんによる父さんのための誕生日会』とのこと。自己完結で自分の誕生日を祝う会なんて聞くだけで悲しくなりますが、毎年恒例のイベントとして兄妹も仕方なく受け入れていた模様。そんな状況を目の当たりにしエリカは当然驚くわけですが、いつもの通りすぐさま順応していました。この辺りは血の繋がりがなせる業なのでしょうね。

そんな中、エリカが持ち出してきたアルバムを開くと・・そこには毎年洋平パパの誕生日に撮影している家族写真がありました。このような記録を残すこと自体に不思議はありませんが、凪が取り違え子であったという事実を考えると何か思うところがありますね。なんとなくですが、取り違え子であることを知った上で育てていたような感じを受けてしまいます。

ちなみに描写は5年分だけでしたが、当然16年分あるのでしょう。後に凪の誕生日は4月6日と明かされていたので、幸は9月生まれという事なのでしょうね。

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カッコウの許嫁 56羽目より

そして注目すべきは新しい人物が登場してきたこと。それも家族写真の中に写り込んでいました。洋平パパお手製ケーキの登場により話はそこで終わってしまいましたが、雰囲気的には小学生低学年と言ったところでしょうか?判明しているのは『となりに住んでた奴』で『引っ越した』のみなので性別も定かではありませんが、パッと見の印象は女性でひろと瓜ふたつ!!髪色は違うようですが、顔つきや髪の質はそっくりです。

ひろと仮定する場合、考えられるのは、実は凪の幼なじみで以前は隣に住んでいたという事ですが、目黒明神という大きな神社の跡取り娘が神社から離れた所に住んでいたというのは違和感。神社との距離は不明ですが、普通なら神社の近くに居宅はあるでしょうからね。ひろをわざわざ養女として迎える可能性も低いだろうし、ひろの母の様子を見てもそれはないと感じます。許嫁=凪の可能性も残りはしますが、どちらにしろ、この人物が今後の物語のキーマンとなってくのは間違いないのでしょうね。

そんな中、登場した洋平パパお手製のバースデーケーキ。そこには『36歳』の文字が書かれていました。洋平パパについては結婚が早かったと想像できるので驚きはありませんが、エリカ父の天野宗一郎が57歳ということには少々ビックリ。社長という事を考えると適齢ですが、1話の顔合わせ会の様子からはそんなに離れている印象は持っていませんでした。

その後、凪の気付きで洋平パパと奈美恵ママがデキ婚(本人曰く授かり婚)であることが判明するわけですが、意図せず生まれてきて取り違えられたことを「私 すごいレアな人生」と捉えるエリカがかなり印象的!!思春期にこんな事実を突きつけられたら動揺してもおかしくないのに超ポジティブに捉えたわけですからね。幸の"楽観的"が正しいのかもしれませんが、このように捉えてくれたことに洋平パパも奈美恵ママも救われただろうと感じます。

続いて話題に上ったのは凪とエリカが4月6日生まれであること。同時に1話の顔合わせ会も2人の17歳の誕生日に開催されたことが洋平パパの口から判明しました。それを聞いて「だからあの日 俺たちは出会った」「しかも偶然」と思う凪・・なぜこういう風に思い至るのかはよくわかりませんが、改めてこう思わせることに何かウラを感じざるを得ません。

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カッコウの許嫁 56羽目より

そんな中、登場した奈美恵ママは顔合わせ会食時の「2人が結婚しちゃえばぁ!」「2人とも自分の子供になるって発見・・」発言の真意を切り出します。2人が結婚してくれないと「エリカちゃんに会えない」「凪もいなくなってしまう」という心配から出た発言だというのはまあそうだろうなという印象。その後の「そもそも親がとやかく言う必要ない・・」「2人が幸せならそれが一番・・」という考えもこの2人らしいもので違和感はありませんね。ただこの言葉の後に洋平パパが口にしたのは・・

「コレ言っちまって良かったのか!?」
「天野さんに相談もナシに」

この言葉に「言うくらい良くない!?」と奈美恵ママが返しているのを見ると子を取り違えただけの関係ではない感じ。大先輩を気遣っただけかもですが、何か恩義を受けることがあったのかな?という気がします。

ちなみに「親がとやかく言う必要ない・・」と話した奈美恵ママと洋平パパは親の反対を押し切って結婚したとのこと。19歳時にデキ婚しているのだから当然だと思いますが、改めて母は『高嶺の花の存在』だったと聞いたことを思い出し「一体何があったんだ!?」と考えている凪をみると、今後の展開に大きく影響する部分なのかもですね。天野宗一郎との縁はこの時にできたのかもしれません。

 

家に戻り5人で撮影した写真をボードに貼るエリカ。いつものように家族の一員となれたことを嬉しがり、出生の秘密を知れたことを喜んでいました。そんな会話の中、エリカが口にしたのは時折見せる羨望の言葉・・

「私もいつか そんな家族が持てるのかな」

その言葉に凪は「天野さん次第じゃないかな」と答えていましたが、なぜか顔を赤くし照れていました。ひろへの好意を公言しているのにエリカの言葉にも反応してしまうのは何故なのでしょうね・・

奈美恵ママの言葉を聞く限り、エリカとの許嫁破棄に向け事態は好転したはずなのにこの反応。ただ28話では未来の結婚相手にエリカも浮かべていたわけで、結局のところエリカと一緒に居ることを幸せに思っているわけです。凪の言葉がもし『エリカも同じ思いなら・・』という意味だとすれば、"結婚すればそんな家族が持てるのは確約できる"ということ・・もしかしたら「2人が幸せならそれが一番・・」という母の言葉に少々あてられていたのかもしれませんね。

 

そんな海野家の家族愛と絆によりほのぼの雰囲気で終わると思いきや、思いもかけない事態が勃発することとなりました。なんとひろが3人の同居生活に緊急参戦する模様・・前回まで3話に渡り凪と二人きりお泊りする様子が描かれていたわけですが、こんな急展開は全く想像できませんでした。「今日からここでお世話になります!!」という言葉を見る限り、母と喧嘩したことにより家を出てきたと想像できますが、ひろをそこまで駆り立てたのは何なのでしょうか!?

エリカと同居している事を知った後、凪に対し色々と責めていたことを考えるとそれが原因で同居することにしたと考えられなくはない。別荘ではエリカや幸の凪への気持ちも確かめられたわけですしね。ただそれはあくまで自分から煽ってのことで聞かされたわけではないことを考えると、それが原因でこんな行動に出たとは正直思えません。もしかしたら許嫁絡みでひろの身辺に動きがあるのかもしれませんね。

次号予告に「3ヒロインとの同居生活、開幕!あっ・・でも部屋割りは?」とあるのでとりあえず同居する事にはなりそう。気になるのはこの家の持ち主、つまりエリカ父の合意は取れているのか?という事。急な事でとりあえず家に来たとも考えられますが、今後同居するとなると当然両家の同意が必要。そうなると天野家、瀬川家、そして海野家との関係が気になるところですね。個人的にはこの3家の間に何か繋がりがあると感じていますが如何に。

 

※本記事にて掲載されている画像は「カッコウの許嫁/吉河美希週刊少年マガジン」より引用しております。