五つ葉のクローバーの超主観的考察

~恋愛マンガの名作「めぞん一刻」を皮切りにラブコメ漫画の気になった点を超わがままに考察しています!~

彼女、お借りしますの感想と考察~千鶴の恋心を言動と行動から読み取る~(14巻)

キャンプファイヤーの清水さんのOKが出たことによりクラウドファンディング企画の公開が始まった14巻。45日間で182万円の支援額を集める計画の滑り出しは順調だったものの徐々に停滞。この苦境を打開すべく一肌脱いでくれたのはクラファン経験者の八重森みにでした。

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彼女、お借りします 115話より

初日の順調な滑り出しに対し油断は禁物と述べる千鶴でしたが、「常に協力するから言って」と嬉しさと照れを隠している感じでした。クラファンについては和也の「夢」として企画申請していることや瑠夏と修羅場をやったこともあって何かあればという待ちの姿勢で居ざるを得ない千鶴でしたが、部屋には伺えないものの夜遅くまでベランダで見守るなど、どうにか和也を支えたいという気持ちが伺えました。

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彼女、お借りします 116話より

みにの言葉もあって千鶴を意識してしまう和也。玄関口で待ち伏せたような形になったため「気持ち悪・・」とひどい言い方をしていましたが、渡された映画の脚本となる小説「群青の星座」を読んだ後、掲載されていた小説サイトを見て「やるじゃない・・プロデューサー」と感心しきり。でも和也の頑張りはそれだけではありませんでした。

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彼女、お借りします 117話より

大映研監督の田臥氏との打ち合わせでは、待ち合わせ場所に遅れてやって来た和也にお代を請求してからかう千鶴。冗談を言い合えるこのやりとりは、二人の関係が進んだことをよく表していますね。

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彼女、お借りします 117話より

和也が場を離れた際、「実は和也が口説いての撮影了承だった」と聞き、先ほどの和也の言葉を思い出す千鶴。そこまでする理由は「水原は恩人で今度は自分が何かしてやる番・・」と和也から聞いたと語る田臥氏を見ながら、千鶴はまたしても心を熱くしたよう・・

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彼女、お借りします 117話より

「どうしても話して見たかったんだ・・あいつが惚れこんだ女優がどんな人か・・」と話していましたが、二人の様子を見れば和也がここまで頑張る理由は”千鶴の夢を叶えたいだけではない”と気付いたでしょうね。

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彼女、お借りします 117話より

戻って来た和也をじっと見つめ、「なんでもないっ」と答える千鶴・・先ほどの田臥氏に言葉を思い出してのことだったのでしょうが、ここまでされたら言葉もないですよね。自分の演技をいつも応援し褒めてくれる和也だからこそどんどんと惹かれていったわけで、「惚れ込んだ女優」と言われればときめかずにはいられなかったでしょう。でもこのことにより気合を入れなおす千鶴はさすがでした。

 

クラウドファンディングによる資金集めも残り2週間を前に停滞。頭を抱える和也に手を差し伸べたのは千鶴と和也が付き合えるよう助力すると語っていたみにでした。

みにの提案により千鶴、瑠夏を招集し作戦会議を行う和也。アナリティクス結果から経過報告と私物返礼品、サイトやSNSによる宣伝と拡散、そしてビラ配りが必要と提案する彼女に皆了承。”203作戦”が開始されました。

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彼女、お借りします 117話より

瑠夏ほどではないものの、みにが作戦会議にいたことに不満の様子を見せますが、彼女がクラファン経験者で成功に向けた助言ができる存在と知るや、和也の言葉を信じ前向きに捉えようとしていました。修羅場を撮影されレンタル彼女であることを知られてしまったこともありますが、そんな中でも彼女を信じて助言を仰ごうとする和也の言葉に賭けた形です。口ばっかりで優柔不断なことも多い和也ですが、今現在はプロデューサーですしね!夢が叶うならどんなことでもやる!・・そんな千鶴の気持ちがよく表れたやりとりのような気がします。

部屋で私物返礼品の物色を開始する千鶴とみに。みにの行動に慌てまくる千鶴でしたが、彼女のもう一つの目的は和也のための聞き取り・・「師匠とかどうなんスか」と聞くみにに「・・・はぁ!?」と表情を変えた千鶴は次のように語っていました。

「別に いい人だとは思うわ」

「始めは頼りなかったけど・・」

「根は優しくてまっすぐな人だとは思ってる」

言葉の端々で気持ちを誤魔化そうとしていますが、語っている内容は今の和也の印象を隠すことなく話していたように思います。

ただ加えて「男女のそれとは違う」「恋心ってもっと別のもの」と語っていました。この言葉は複雑な思いから来るもの・・何回も言うように千鶴の立場を考えると、現状では素直に気持ちを表すのは難しい状況です。

麻美への想いを聞かされ、一度は「好きじゃねぇよ」とも言われました。自分が背中を押した瑠夏という彼女がおり、自分はレンタル彼女です。レンタル彼女や女優をしているので彼氏を作っている場合ではありません。何より自分のために映画製作まで手掛けようとしてくれている和也の気持ちに応えなくてはならない。

時折、和也の言葉に自分に対して想いが向けられているのでは思うことはあっても、これらのことから「そんなわけない」と自分に言い聞かせているというのが現状・・こういう風に答えるしかないわけです。

そんな千鶴を見て思うことがあったのか、みには「師匠は水原さんが好きっス」と暴露してしまいました。みにから見たらこちらも拗らせている?と思ったのでしょうね。

和也の「第一 水原は俺のことなんて何とも思ってねーだろうし・・」発言に対し「好きに決まっているじゃないですか」と即答・・以前、麻美にも言われていましたが1年もこの状況を続けているのだから、千鶴にも好意めいた気持ちがあるのは誰が見ても明らか。

この発言に千鶴が素直に気持ちを吐露するとは思いませんが、瑠夏、麻美に続いてみにも千鶴の気持ちに気付き問い詰めている現状、この言葉の続きには期待せずにはいられません。

 

※本記事にて掲載されている画像は「彼女、お借りします/宮島礼吏週刊少年マガジン」より引用しております。