五つ葉のクローバーの超主観的考察

~恋愛マンガの名作「めぞん一刻」を皮切りにラブコメ漫画の気になった点を超わがままに考察しています!~

彼女、お借りしますの感想と考察~千鶴の恋心を言動と行動から読み取る~(12巻)

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彼女、お借りします 99話より

千鶴から和也への再度の依頼により、墨とのデート練習に付き合う話から始まった12巻。朝晩の祖母の見舞いに演技の練習、オーディションにレンタル彼女と毎日精一杯頑張る千鶴でしたが、祖母が日々弱っていく姿に「自分の映画を見せられそうにない」と落ち込みがちになっていきます。

祖父の「夢は叶う」「応援する」という言葉や銀幕スターだった小百合婆ちゃんの影響から女優を目指すようになった一幕を思い出し泣き崩れてしまうのですが、そんな中、現れた和也が提案したのはクラウドファンディングを活用した映画作り。

「これなら小百合ばーちゃんに見せられるんだよ・・水原が銀幕に立っている姿!」「俺が金を集める・・水原は出ろ!!」という和也の言葉に「男はバカだ」と祖父に思った言葉が頭に浮かびます。

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彼女、お借りします 103話より

泣きはらしていたのに和也が鳴らした呼び鈴とわかるといつもの強気な口調となっているのはさすがという感じ。和也の勢いに圧倒されて「考えさせて」と一旦家に引き込みますが、和也の部屋にやってきた千鶴は本当にできるのか確認をし「お願い作って・・私の映画」「おばあちゃんに・・見せて」と泣きつきました。

和也の部屋に来るまで再度祖父の写真を眺めていたところを見ると、和也と祖父を重ね合わせていたのでしょう・・「願えば必ず夢は叶う」という祖父の言葉を「嘘」と思いかけていた千鶴にとって和也の言葉はあまりにもドンピシャだったし、この言葉を聞けただけで救われた気持ちになれたのではないでしょうか!「バカみてーに夢を見続けられる」才能を持ち合わせる和也の真骨頂でした。

 

次巻からクラウドファンディングによる映画作りという全く新しい展開に入るわけですが、女優になる夢を応援してくれた祖父を和也に重ねたということで千鶴の中で新たな気持ちが芽生えてくるのは間違いなし。そして変わってくるのは二人の関係でしょうか!?

7巻で和也を”フェアなお隣さん”に昇格?させた千鶴ですが、それでも二人の関係性はレンタル彼女とその利用者の意味合いが強い関係でした。

ただ映画作りとなると製作者(プロデューサー)と出演者(女優)となるわけでこれまでの関係性とは変わってきます。うまくお金が集まり映画を撮影・公開できるとすればそれは和也の相当な頑張りがないとできないことであり、それを目にする千鶴が和也への想いを一層強くするのは想像に難くない。水原千鶴ではなく一ノ瀬ちづるとしての距離が縮まるのは明らかでしょう。

一方で映画公開した結果、千鶴の女優としての評判が高まれば二人は距離を置かざるを得なくなるかもしれない。少なくとも和也はそう思うでしょう。

ただいずれ迎えるであろう小百合婆ちゃんの最期を考えると千鶴を支えることができるのは一人しかない。祖父を重ねるぐらいだから千鶴としても傍にいて欲しいのは和也でしょう。そう考えていくと千鶴の方から和也に向けて何かアクションがあるのでしょうね。新たな展開に期待せずにはいられません。

 

※本記事にて掲載されている画像は「彼女、お借りします/宮島礼吏週刊少年マガジン」より引用しております。