五つ葉のクローバーの超主観的考察

~恋愛マンガの名作「めぞん一刻」を皮切りにラブコメ漫画の気になった点を超わがままに考察しています!~

めぞん一刻を読み返して(9巻)

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めぞん一刻 88話 及び 89話より

■■ 第85話 青田枯れ
遅ればせながら就職活動を始めたものの現実は厳しい五代。実家の定食屋を手に入れるべく将来の相談をしてくると実家に戻るもすでに姉婿があとを継ぐことに。「管理人さんとの結婚を許してもらいに行った」と住人から言われ、そう思い込んでしまう響子。「ダメだった」、「もともといーかげんな気持ちだった」と帰ってきた五代に怒り心頭も真相が分かり・・・

【解説及び感想】
「がんばっていい会社に入って、将来、絶対管理人さんに不自由な思いはさせませんっ」と五代くん。第31話「三年待って」以来の結婚を匂わせる発言です。

実家の定食屋を継いで響子さんに結婚を申し込む想像をする五代くん。この時は前向きです。

「ダメだった」との言葉に「私が年上で未亡人だから」と考え、「親御さんがどう言おうと、自分がしたいようにすべきじゃないですかっ」と言ってしまう響子さん。「あたしのどこが不足だってのよ」と思うぐらいだから自分に自信あるんです(笑)

それにしてもカッとしたら本音が出ちゃいますね。結婚の許可が出ても困らないんですものね。帰ってくる直前は「困るわ、やっぱり。あたし、一緒になってもいいなんて一言も・・」なんて考えていたのに・・。OKの場合に言いたい言葉だったんでしょうか。

※ 五代の言葉に「私が年上で未亡人だから」と思った響子さん。第105話「犬が来た」第159話「形見」でもこのような言葉が出てきます。

 

■■ 第86話 見栄リクルート
三鷹にホテルのプールに招待された響子と住人たち。五代は就職活動があるからと断るも実はこのホテルでバイト中。三鷹から同じ社会人になったら冷静に判断して欲しいと言われ泳ぎながら考え込む響子だがその最中、水着ブラを落としてしまう。困っている響子に気づきその理由がわかった五代は、気づかれないように這って水着ブラを持って行ったのだが・・

【解説及び感想】
「五代さんが社会に落ちこぼれて、三鷹さんと結婚したら・・まるで本当に両天秤にかけてたことに・・」と考える響子さん。「五代さんが社会に落ちこぼれて・・・」ですから五代くんとの結婚を前提に考えていますね。周りから見たら両天秤なのですが本人は決めていますのでそういう意識がないのです。

最後は腕のスリ傷から「やっぱり五代だった」とわかり、やさしく傷の手当をしてあげる響子さんの姿は秀逸です。

 

■■ 第87話 VS.乙女
願書を出すのが遅れ、音無老人の伝手で響子の母校に教育実習に行くことになった五代。教生として受け持ったクラスの委員長八神に気に入られてしまい、伝統のいたずら(服にハートマーク)を付けられてしまう。

【解説及び感想】
響子さんの高校時代を彷彿させる八神が出現。五代くんに高校時代の響子さんを会わせるような形になります。響子さんは高校時代を思い出しつつも、惣一郎さんとの思い出だけじゃなく、五代くんを心配するかたちで思い出していますね。心配が当たってしまいますが・・。

※ ここでも惣一郎さんの写真を探そうとする五代くん。さらに「惣一郎の影」が膨らんでいっているようです。

 

■■ 第88話 こころ
五代にぞっこんとなった八神は友達と一緒に一刻館に押しかけるも、五代と響子の雰囲気にただならぬものを感じてしまう。あきらめない八神は策略を巡らせ、五代に抱きついた写真を撮り響子に送る。

【解説及び感想】
ハートマークを付けられたシャツを洗濯しながら、「どんな子につけられたのかしら・・」とため息つく響子さん。わざわざ、八神たちがいるときに返すところが・・(笑)

五代に抱きついた写真を送りつけられても「宣戦布告か・・・」と大人の余裕?恋敵にはなりえない?

 

■■ 第89話 体育祭の指導と管理
体育祭の打ち合わせを利用し五代を誘惑する作戦に出る八神に五代はタジタジ。連絡事項と渡されたノートの「好きです♥」にビシッと言ってやろうと思う五代。五代が忘れたノートを届けに来た響子を挑発と受け取った八神は、体育用具室で大胆な姿で五代に迫るが・・

【解説及び感想】
写真を見ながら「教育実習が終わればジ・エンド」と余裕を示すも、帰ってきた五代に「その後どうなんです?あの八神さんとかいう子とは・・」と笑顔で詮索する響子さん。やっぱり気にはなるんですね(笑)でもまだまだ余裕です。

 

■■ 第90話 パジャマでお邪魔
教育実習もあとわずかとなったある日、担任から「響子は教え子で当時講師をしていた先生とベタ惚れで結婚した」と聞き、一刻館に押しかけ泊まりこもうとする八神。五代は「帰りなさい」と怒るがパジャマに着替えられてしまい・・

【解説及び感想】
帰ってきた五代に「・・八神さんとは終わらないんですか」と気になる響子さん。八神たちが一刻館にきたのを見て指で呼び寄せ、「来るなら、ひとこと言ってくだされば用意くらい・・」と夫婦然。自然に?それともわざと?いや自然にわざとができる響子さんなのです(笑)

 

■■ 第91話 パジャマとネグリジェ
五代の部屋に八神を泊まらせるわけにはいかない響子は自分の部屋に泊めることに。先生と結婚する成功の秘訣を教えて欲しいと巧みに本音を聞きだそうとする八神に響子は・・・

【解説及び感想】
「どこがいいの、あの人の?」とまず五代のことを本当に好きなのかを確認する響子さんですが、八神のペースにすっかりはまっています。

「本当は五代先生のこと好きなんだ」と挑発する八神に言った言葉は「五代さんはね・・私のことが好きなんです」・・自分がじゃなくて「五代さんが・・」と自分に言い聞かせてますからね

当然、このやりとりは響子さんの完敗。翌朝、五代と腕を組み登校する八神を見て竹ボーキを折るなんて・・響子さん怖い(笑)

 

■■ 第92話 ロング♡グッドバイ
五代とのことをクラスメートから冷やかされ気持ちが削がれた八神は五代に迷惑をかけたと謝り、授業の感想文にロング・グッドバイと書く。しかし教育実習も終わり去っていく五代の後ろ姿に涙が流れ八神は・・

【解説及び感想】
洗濯機かけながら昨晩の八神とのやり取りを思い出し、「五代先生の片思いなんですね。よかったあ」と八神が言ったのを思い浮かべ「あんのガキ~」と思う響子さん。いつもの優雅な言葉じゃないですよ!かなりムッとしてます。「片思いじゃないっ!」とでも思ったんでしょうか(笑)

「八神にはすっぱりふられましたんで」と帰ってきた五代の様子をよく見ています。「がっかりしてるみたいですわね」という姿は少し安堵感が感じられます。

 

■■ 第93話 ひとつだけお願い
就職が決まらない五代。昔会った人形劇クラブの黒木から保育園のクリスマス人形劇に参加しないかと電話があり、「五代さんの気分転換になれば」と参加を了承する響子。しかし“三つのおねがい”という職が決まらない男の人形劇だったため気分転換にいたらず。帰り道、屋台に寄ったふたり。弱音を吐く五代に響子は・・

【解説及び感想】
就職が決まらない五代くんにとって、響子さんの優しさが苦しかったんですね。

弱音を吐く五代を励まし、「要領が悪くて・・いつも出遅れてしまう」と言う五代に「でも・・そういう人の方が私は好きです」と答える響子さん。別に・・なぐさめてるわけじゃなく「そういう五代さんが好き」という意味で言ったんですね。

「お願いなんてささやかなもんですけどね。ちゃんと卒業して、就職して・・・それから・・」と話す五代を見つめ、「さ、そろそろ帰りましょうか・・」との言葉に「・・・」の響子さん。そのあとの言葉を聞きたかったんですね。まっ最後はいい雰囲気のまま終わるはずもありませんが。

響子さんと五代くんふたりきりで酒を飲んでいる貴重なシーンです。

 

■■ 第94話 振り袖コネクション
響子、こずえ、三鷹、五代そして八神というメンバーで初詣に行くことに。「今日はそのこと(就職の話)は忘れて」と響子は気を使うものの就職の話で持ちきり。三友商事を受けると聞いた八神は、五代を人事部長である父に会わせて癒着を強めようとするが・・。

【解説及び感想】
この面子で初詣とは!普通なら気が気でない響子さんですが、就職の話をさせまいと五代くんのことでかかりきり。本当に五代を支えようとしている響子さんです。

なんか納得できないものの、「とにかく身なりはきちんと、あいさつはしっかりとねっ」と五代のネクタイを直す姿は世話女房気取りです。第8話「惣一郎の影」でも郁子ちゃんの家庭教師に行く際にやっているんでついついやってしまうのかもしれません。

 

  ※本記事にて掲載されている画像は「めぞん一刻高橋留美子小学館」より引用しております。